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すり替え  作者: 大和香織子
第二章 自白
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加瀬信也

ただ、直美はご令嬢ですから、身元不明の怪しい僕と付き合うならまだしも、結婚なんて許してくれないから、直美のご両親には言わないで欲しいと懇願されました。


 直美と付き合いが長くなるうちに、僕も直美との結婚を考えました。何度もご両親にきちんと話そう、そう思いましたが、直美は絶対反対でしたし、いけないと思いつつも直美と結婚する為に色々嘘を重ねて行きました。


 結婚する為に英語を真剣に習いました。直美に海外まで連れて行ってもらい現地の人と交流を持つことになりました。


 周りには、僕はアメリカ育ちと言う事にしました。

 

 「代表に言うな……一億円?」と言ったのは、脅迫電話がかかって来たからです。

 何でも直美を殺したところを見ていた様でした。


 死んでいたのか、そう言ったのは、直美がもしかしたら生きているかもしれないと思っていたからです。


 前に順子さんが僕を間違えて「マナブ」と呼びました。そして、直美が小型プリンターで写真を印刷していた時に見つけた順子さんの写真を見た後に全て思い出してしまいました。


 自分が、石丸学であること。そして、順子と結婚したことを___。

 僕は、二人の女性と結婚していた。その事実が僕を苦しめました。


 ただ、順子の事は思い出しても、他の事はなかなか思い出せず、何故僕は、順子の元から逃げようとしたのか、それを思い出せませんでした。


 順子に直接聞くことが出来れば、なにか思い出せるのでしょうが、僕は順子とも結婚してしまっているのです、そんな事は無理な話です。


 そんな事をしてしまったら、二人の妻を苦しめてしまう……。


 結局、僕はいつまでも順子の悪口を言う直美を殺すことにしました。女性と言うのは悪口が好きな生き物、しかし、順子の悪口を聞くたびに前からムッとしていたのです。それは、記憶をなくす前に夫婦だったから___それが分かった時に妙に納得しました。


 今、話したことが全てです。


 順子には自分がマナブだったことは隠していただけると有難いのですが、そうはいかないものなのでしょうが……。それではさようなら……永遠に。

 


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