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すり替え  作者: 大和香織子
第二章 自白
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加瀬信也

加瀬 信也


朝刊で見ましたが、犯人が捕まってしまいましたが、あれはあの人が嘘をついています。


前にも言いましたが、そんな事を出来る程の神経の持ち主ではないと思います。

・・・・・・白状します。真犯人は僕なんです。


今から自首しようと、そうやって思って準備をしている時に、こんな事になってしまい。「生命保険金」が殺害動機です。

 しかし、そんな罪を犯してまで平然と生きれる程、僕の神経は強くはなかったようです。


 直美を殺したあの日、向山まで二台で行きました。


 直美は嬉しそうな顔をしていました。久しぶりのドライブですから、朝からご機嫌でした。僕は夜ところがあるから、行くのは別々になるけど、絶対に来てほしいとお願いしました。


 直美は、僕がこうして欲しいと言った事は、絶対にしようと努力をしてくれるような人です。


 それで、直美はSクラスのメルセデスベンツを運転して向かい山にきました。

 自分は、知り合いに軽自動車を運転して欲しいと―――車に乗らないとバッテリーが上がるから―――言われていましたから、その車で向かいました。

 もうその時には、殺害すると決めていました。


 見慣れない軽自動車を見て直美は、そんなボロイ車に乗って恥ずかしい、そう言いました。

 直美は生まれつきのお嬢様ですからね、仕方ありません。


 結局、その車で殺害することは諦めて、直美の車の後部座席に乗りました。


 運転席側に乗らないことに不満を言っていましたが、僕にとって直美が言う事を聞くようにするのは容易な事でした。


 そして、そのまま背中を包丁で刺しました。


 悪いと思っています。


 しかし、直美が毎晩夢に出てくるんです。


 「痛いよ、悲しいよ~」そうやって目から血の涙を流しながら……ものすごく怖くて、震えながら目が覚めて額には、搾れるほどの汗が出て……。


 僕は「ごめん、直美、ごめん」と謝るのですが、それでも毎晩のように出てくるのです。


 そのうち、眠る事すら出来なくなりました。


 僕は自分でもっとタフな神経の持ち主だと思っていましたが、そうでもないことがよく分かりました。


 だから、もう逃げることはせずに罪を償う事に決めました。

 

・・・・・・、一度犯人が捕まっている以上、覆すのは難しい事なのでしょうか。

いいでしょう、それなら僕のとっておきの秘密を・・・・・・話します。

 

 僕は、十数年前、気が付くとベッドに横たわっていて、起き上がろうとしても、身体中が痛く起き上がる事すら出来ません。どうやら事故に遭った様でした。


 目を開けると、看護師が「先生、目が覚めました」と走って医師を呼びに行きました。


 「大丈夫ですか」と聞いてきました。


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