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すり替え  作者: 大和香織子
第一章 証言
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加瀬信也

 念の為、周囲をぐるりと見回して、公園に植えてある背の高い木の上の方まで下から覗きましたが、その女性が首を吊って死んでいた、なんてことはありませんでした。


 かなりホッとしました。


 しかし、それから一か月位は近所の誰かが、直美にチクるんじゃないかと怖かったです。


 だって、もし、直美が僕以外の人から、そんな話を聞いたとしたら、公園で女の人を泣かせてたわよーなんて聞いたのに、何もなかった誤解なんだと言っても、信じてくれる筈がないでしょうから。


 ただ話をしていただけとかならまだしも、公園で、それも直美がいない時に女性と合っていてその人がないていたなんて聞いたら、どう思います?


 どう考えても、別れ話か何かをされて帰ってきて~って泣いていて、それも、僕が泣かせた様に思われるじゃないですか。


 誰かが直美にチクッたりしないことを願いながらも、誰かの口から聞いてしまう前に自分から話してしまった方がいいのではないか……と何度も僕の心は揺れ動きましたが、言うタイミングもイマイチ掴めないので結局何も言えませんでした。


 が、結局直美からは何もその件に関して言われる事はありませんでしたので、あの時言わないでいて良かったです。


 変な風に喧嘩になってしまうところでした。


 そして、その件に関しては無かった事にしました。


 でも、ある日、直美が携帯の画像を自宅でプリントアウトしていたんです、物凄い数の画像がありました。


 机の上にコンパクトタイプのプリンターと3箱分位の写真用紙の入ったものと、すでに印刷済みの写真が大量にありました。


 直美は友人から家に電話がかかって来たと言って、電話で話していまして、私はソファーの真ん中に座って新聞を読んでいたのですが、直美が電話を左耳と左肩に挟んで「これ印刷お願い」と紙に書いて電話をしながら見せてきたのです。


 まぁ、面倒だなとは思いましたけれど、直美が言うので仕方なく、新聞を片付けてから印刷を始めました。


 自分が作った料理の画像やお菓子の画像やマニキュア?ネイルですか?そういうのもありましたし、なかなか終わらないので退屈でしたから、既に印刷してある写真をみていたら、その中に一枚だけ、公園で見たあの女性が写っていたのです。


 これには、かなり焦りました。


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