石丸順子
それは、決まりだったから。18歳になったらここを出て、自分の力で生活をしていかないといけないっていう。
一人暮らしすることに不安もあったけど、早く嫌いな人達から逃れて、小さくても自分だけの家で自由に過ごしてみたい気持ちも沢山ありました。
体力には自信があったから、警備員の仕事を初めて、お金が貯まるまでは、社員寮で暮らしました。
施設よりもオンボロな社員寮は、早くお金を貯めないと、という気持ちにさせられて調度よかったですね。
3年後には、そこを出て初めての一人暮らしが始まった。今まではいつも誰かが周りに必ずいただけに、解放感が半端ありませんでした。
お風呂の時間もご飯の時間も気にしないでいいし、冷蔵庫には自分の好きな物だけを入れていつでも自由に取り出せる上に、誰かに食べられたりする心配もないし、もう自分の持ち物に名前を書かなくていいという事も、私の心を喜ばせたのです。
そして、28歳になった時に、伊都 学という男性と出会いました。出会い系サイトで知り合った人だったのですが、
「連絡待ってます」という写真付きの投稿に、導かれるようにして私はメールを打ちました。
最初はだまされるんじゃないかとか、怖かったのですが、そのうちに私は学の事が気になって仕方がなくなってしまったのです。
メールの返信がいつもはすぐあるのに、一時間も開いたりしたときには凄く心配になってしまって、電話をかけてしまったりとかしました。
そして、初めて会う事になった日、緊張したけど、私にはこの人しかいないという気持ちが強くてかなり積極的に動きました。
飲みに行ってカラオケ行って、その後、酔った勢いで、ホテルに誘い込んだ。学さんは、その後、付き合うと言う形を取らなかったけれど、私の肉体を弄びました。
だから、私も学さんの希望通り、いいえ、それ以上の変態プレーをしてみせたりしました。
その甲斐あって学さんは、私と結婚を決意してくれました。そう言ってしまえば、肉体関係のことだけで、決意したと思われそうですが、勿論それが全てというわけではないですよ。
まぁ、私がそう思いたいだけかもしれませんが、だとしたら女として悲しいです。
でも、憧れていた結婚というものが現実となった時には嬉しかったです。幸せそのものでした。