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すり替え  作者: 大和香織子
第一章 証言
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古部洋

 そう言えば、直美はハワイでお酒を買う時にも20歳に見られなかったようでパスポートプリーズと言われている時には笑ってしまいましたよ。

 日本人は顔の作りが薄いせいか、海外に行くと若く見えるんですよね。直美は、面倒くさそうにしながらも日本では上にしか見られたことないのに、と嬉しそうな顔をしていましたよ。


 今思い返してみても、直美との思い出は素敵なものでしかないです。

 私と直美は上手くいっていると思っていましたが、ある日私の前にある男が現れたのです。


 アメリカ育ちとか言う気取り屋で、その男は会社の従業員で一緒にいるだけだと言っていましたが、直美は次第に私から距離を開けていくようになりました。

「もう付き合えない、好きな人ができたから」直美はそう言いました。


 直美の冷たい言い方には慣れていたつもりですが、さすがに愛のない言葉は私の胸にグサリと刺さりました。


 直美が私の元から去っていくという現実が、私には受け入れる事が出来ず「待ってほしい、悪い所があれば直すから」格好悪い事承知の上で、そう言いましたが、直美が私の要望を聞き入れてくれることはありませんでした。


 それを見て女と男の違いという物が、よく分かりました。


 私が反対の身なら、そうやって言ってきたら愛情はないにしても肉体関係だけは続けようと思っていたと思います。都合のいい関係……ということです。最低な話ではありますが。


 しかし、直美は私への愛情は一体なんだったのだと思う程に、綺麗さっぱり忘れているかのような振る舞い方で、次に会った時には既に赤の他人という、その切り替えの早さが私には不思議で仕方ありませんでした。


 今はさすがににその時の負った心の傷は小さくなりましたが、それでも今思い返しても悲しいもんですね。

 そして、その後直美は私を差し置いてその怪しげな男と結婚したわけです。


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