表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すり替え  作者: 大和香織子
第一章 証言
10/49

石丸順子

 学は今頃どうしているんだろうか、ご飯はきちんと食べているだろうか、寒い冬なのに「上着着なさいよ」とそんな風に言われるまで上着も着ない、そんな学はきちんと暖かい格好をしているだろうか。

 何か変な事件に巻き込まれてなければいいのだけど。


 例えば、あの時、失踪届を出していたら、今頃私の隣に学はいてくれたのでしょうか。


 だけど、あの時の私は、過去の生い立ちとその時の現状がシンクロして、警察に届けるなんていう余裕なんてなかった。


 警察に行って、学が私の前から姿を消したのは、奥さんであるあなたを愛していないからだ、なんてそんな事を言われたとしたら……?


 そんな事を聞いてしまったら、私は……二度も大切な人から捨てられた事になってしまう。

 それだけは……そんな事だけには、なりたくなかったのです。

 そして、例え事件や事故に遭ったりしたら、私が何もしなくても、警察から連絡がくるだろうと、冷たく聞こえるかもしれませんが、そんな風に思っていました。

 しかし、あれから十年も経つというのに、誰からも、勿論、学からの連絡はないのです。


 今私の所に帰ってきてくれれば、私は学が大好きだった「手巻き寿司」を作って、一緒に映画をみて、学が満足できるような服を着て夜を過ごして……。


 学の身に一体何が起こったのでしょうか?どなたか説明してください。


 いつまで経っても帰ってこない学は、家を忘れたのでしょうか?


 他に女の気配が?それだけは、今まで決して口に出さないように、そして意識して心配しないようにしてきました。


 だけど、もし、そんな事があったとしたら、私はその女を殺しているでしょうね。

 だって、お姑さんだって遊ぶ子じゃないと自慢していたのに、そんな純粋な学を掌でうまく転がして、そそのかして私の元から奪った。

 そんな事があったら、私はその女を一生許さないでしょう。


 直美ちゃん「加瀬 直美さん」あの子は殺害されたんですよね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ