適当2
きっと大丈夫。
色々誤魔化したし。
「儚く~(主に胸囲的な意味で)」
放課後の廊下を歌いながら歩く。
「揺れる~(切実な)願い~」
――――む、殺気が!!
咄嗟に頭を下げると、直ぐ真上を「ぶん」と言う音をさせながら何かが通り過ぎた。
「な、何しやがる?! 俺はただ歌っていただけだぞ!!」
「あんたの考えが透けて見えたからよ!」
間合いを取って後ろを振り向くとそこにはやはり奴がいた。そして、ヤツのつま先が俺の顔の目の前で静止させられていた。とても恐ろしい。でも、足を振り上げたままの姿勢の為スカートの中が思いっきり見えている。……だからこいつを俺はバカにする訳なのだが。他の人に見せるわけにも行かないので、指摘してあげる事にした。
「お前、そんな格好していると痴女だと思われるぞ」
「……は?」
どうやら伝わらなかったらしい。が、とりあえず足は下ろしたので流す事にした。
「あんた、いい加減人の身体的特徴を揶揄するのを止めなさいよ」
「ムリ」
とりあえず即答してみた。だってこいつのリアクション半端無いんだもの。非常に面白いので止められません。
「即答?! ……あんた本気で殺されたいの?」
ヤツの背中からどす黒いオーラが立ち上る幻影が見えたきがした。多分、身の危険を感じた本能の為せる業だろう。……見えた時には既に回避不能な気もしなくはないが。
「さっきの蹴りからして殺しに掛かっていた気がするのは気の所為か?」
「避けれただけ手加減されてたと思えないの?」
「……」
盲点だった。
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