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31 Happy Birthday to you

★第2章

 十五歳になりました。

 前世より五年早いですが、とうとう私も成人式ですよ、成人式!


 ヴォルフ様がルロイの検索機能を駆使して、振袖を誂えてくださいました。

 カラヤン公爵夫妻(セルゲイ隊長の両親)からは振袖に合う豪華な帯を。

 シュリフェ侯爵夫妻(フレデリックの両親)からは金の草履を。


 ヨハン団長からは草履とセットの金地に素晴らしい刺繍の施されたバッグを。

 ビューロ公爵(うちの上司)からは真っ白なファーの襟巻を。

 エリック兄からは、私の瞳の色の宝石が填め込まれた帯留めを。

 フレデリックからは、私とフレデリックの瞳の色の宝石が散りばめられた簪を。


 ルロイが呼びつけたらしい肖像画家が、着付けた私をキャンパスに収めてくれた。

 なぜかその肖像画は高値で売れたそうで

「やったぜ! ぼろ儲け!!」

 と、ルロイが騒いでいるけれど、著作権で私にも分け前を……



 両親からは幻の金属と呼ばれるオリカルクムでできた短剣が贈られてきた。

 ずっしりと重たいかと思いきや、おもちゃの剣くらい軽いです。

 本当に役に立つのでしょうか、こんな軽いダガー。

 

「うわぁ、これがアトランティスのオリハルコンか!」

「違うよルロイ、アトラのオリカルクムだよ」

「どっちも同じだって。一夜にして海に沈んだ幻の都市だし、そんな幻の都市で造られた幻の金属じゃん」


 まぁ、そうか? そんなもんか?


「てか、軽っ!」

「でしょう? 余りにも軽いからプラスチックじゃないかと思ってるんだけど」

「えー、剣のことならフレデリックに聞けば?」

「あー、そっか。そうしよう」


 ルロイに勧められ、フレデリックに幻のダガーを渡して検めてもらった。

 すると、琥珀色の瞳をキラキラに輝かせながら、フレデリックが声を張り上げた。

 

「アンジェ、ルロイ、見て! 石が野菜!!」

「はぁ? うっ……」

「うわ、もうそれキャベツじゃん!」


 振り返れば、フレデリックが私のダガーで、漬物石を千切りしていた。



 結婚式で出てきそうな柱のように高いケーキを、セルゲイ隊長とオットーさんが作ってくれました。

 十五本立った蝋燭を吹き消し、大好きな方々と大切で楽しい時を過ごせて感無量です!



「「「アンジェリク、おめでとう!!」」」


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