・あとがき
約束された敗北のゲーム。それがコレである。
なにせ最初に付けたシステム名が『TLPG 無双』である。“R”ではなく“L”………The Lose Playing Game、まんま負けプレイのためのゲーム。
そんなワケで負けて負けて、それでも話が進むという珍しいTRPGです。
需要はある……と信じたい。勝っていい気になるのものいいけど、負けるザコがしたい!って人もいるハズ。
さて、通常のリプレイだったらここでシナリオのネタばらし、それを踏まえた話などをするわけですが、コレにはそんなものはありません。はじめに書いた通り、シナリオなど用意していないのですから。
なのでシステム上、プレイ上の特徴なんぞを語って終わりたいと思います。
そもそもは『199X年、世界は核の炎に包まれた』の再放送を見た事です。そこでのヒーロー……ではなく。ちぎられては投げられ、愉快な悲鳴を残して消えるザコどもをプレイしたい!から作り始め、声優C氏を参考につつ、某負けプレイ好きというTRPG社員さんを勝手に心の支えにし、何とか完成させた………のが、もう数年前。
このシステムは、1プレイ1~2時間という短時間でありながら、ロールプレイに非常に負荷のかかる造りでして。GMもプレイヤーも大変なのです。放熱ファンがあったら唸ってるくらい、みな脳を酷使しています。
ここまで短時間でキャラを作り、語り、そして使い捨てにするシステムなどないでしょう。特徴やフラグ要素は、障害というよりむしろ足がかりです。
そしてそれを拾って、時に投げ、時にくっつけるGMも、『何も決まってないヒーロー』を演じながら進行しなければなりません。
しかもそれらを、プレイヤーとGMが一丸となり、ある程度の流れの中に納まるように、まぁまぁの着地点に行くようにと進めていくわけです。
結論として。
楽しいけどやり時を選ぶゲームとして、プレイ回数は多くありません。あまつさえ、私が「ひゃっはー」したくて作ったのに、ひゃっはー回数ゼロ。どころか、プレイヤー回数はたった数回………。
………ちなみに、ヒーロー側が負ける事もあります。その場合はその時点でナレーションを入れ、終了です。なのでプレイヤーのみなさん、Aパートでは負けてほっとしてるわけですね。
まとめますと……このシステムは、負けプレイを楽しめる、ある程度経験を積んだTRPGプレイヤーが、刹那的アホに浸かり、敗北するザコを演じるためのゲーム、という事になります。
一言で言うと、「ヒドい(笑)」。
二言で言うと、「大惨事の予感しかしねぇ」
今回は子供を奪うという本当に悪っぽいものでしたが、最初プレイした時はキャベツ奪って行ったし。
単純で、ルールなどA4サイズ四枚で納まる程度の内容ですが、『ザコを演じる』『負けて話が進む』『プレイヤー全員が悪役。しかも負ける』という変わった特徴を備えてはいると思うので、こうしてリプレイを残してみたいと思ったわけです。
こうしてリプレイを書いた事で、もう思い残すことは…………あるな。いつかヒャッハーと言いたい。