・プリプレイ
・プリプレイ
一同:よろしくおねがいしま~す。
その日、別のシステムで1セッション終えた男たちは、私の『リプレイ書いてみようと思うんだ』のわがままのため、レコーダーの前で再びダイスを握った。
とはいえ、私の作ったこのシステム、通称『ヒャッハー』(としか呼んでくれない)はせいぜい1~2時間で終わる。時間的には充分プレイ可能。
対応プレイヤー数は3~5人。今回は魔、D、三、Rの四人をプレイヤーに、私がGMを務める。
ちなみにメンバーは10年来(いや、もう20年来か)の仲、このシステムでのプレイも初めてではなく、TRPG経験も豊富な面々である。
GM:まずはオープニング、『ヒーローとPC側のチームの概要を決める』。チームの名称や、ヒーローのやってくる理由など。ヒーローとチームボスの初期ステータスも決定、確認する。
通常、TRPGと言えばGMがシナリオを用意するものである。どこでどんな事件が起きたか、誰が登場するかなど。
だが、このシステムにはそんな必要はない!
ヒーロー(GMが演じる)が、何かを奪ったチーム(プレイヤー側が所属している)を倒すという流れがあるだけで、あとはダイスをころころ、表を見てランダムで決めるのである。
GM:チームの名称と、何のために何を奪ったか?をダイスで決めます。まずはチームの名称を……誰か、サイコロ振って。
三:では、私から回していきますか。
GM:はい。ではD66。
システムによって使うダイスは様々。このシステムでは6面体を2個ずつ使用する。
チームの名称も表で決めるこのゲーム。チームの名称決定に使う表には十の位が1~6、一の位も1~6(つまり11~16、次は21~26と、66まで)の数字が振ってあり、サイコロ2つを振れば名称に使う単語が選出される。
『D66』は2個振って片方を十の位、もう片方を一の位で振ってね、という意味。
三:(ころころ)6の……(ころころ)4。
GM:64。えーっと……『熱い』。もう一人振って。
R:(ころころ)25。
GM:25……『斜め下』。
チーム名の表は2つあり、『〇〇の〇〇』になるようにしてある。のだが………
GM:チーム名、『熱い斜め下』になるんだが……
三:もうひとつ欲しいね。
GM:(座りの悪い名称だし……)じゃあ、もう一人。
D:やるよ。(ころころ)45。
GM:(表1と表2の両方を見る)『すっぱい』か、『戦士』。
魔:ん?なんだって?(笑)
熱い斜め下がすっぱくてもどうしょうもないって。
議論の結果、『斜め下の熱い戦士』となった。
GM:次は、『何のために何を奪ったか?』を決めます。
チーム(『斜め下の熱い戦士』)は、何かのために何かを奪っている。それを取り戻しにヒーローが来る、というのがストーリー(シナリオ)部分ではあるが、当然そこもサイコロの言う通り。
魔:まずは『何のために?』だね。(ころころ)23。
GM:『娯楽』のために……
三:(ころころ)16。
GM:『子供たち』……う~む、、
三:まっとうに悪党だぞ。
R:ずいぶんな悪党だな。
表にはぷちぷちとか猫もあったのに(『娯楽のために猫を奪った』の可能性もあった)。
ともあれ、これらが決まるとテンプレートに合わせて『予告』という形でストーリーを確認します。
GM:「時は世紀末!荒廃した大地で、『斜め下の熱い戦士たち』は『娯楽』のために『子供たち』を奪った。それを取り戻さんと、今、一人の男が立ち上がる!」。
一同:まっとうだ(驚)
GM:ま、問題はその『娯楽』がなにかだよね。頭数が足りないからとか……
三:ゴールキーパーがいないとか?
R:おまえ、ちょっとサッカーしようぜとかw
GM:あれ?表現が尖ってるだけで、別に遊びに誘われただけじゃねえ?(一同笑)
D:帰りが遅いからって親に頼まれてw
GM:(笑)えー、では次、ヒーローを決めます。といっても、名前なんかは特に決めません。まぁ性別や方向性に関しては私がなんとなく決めときますが……
ヒーロー(いわゆる主人公。だがGMが演じる)のステータスは、いたってシンプルである。基準値という値「8」と、HPがあるだけである。
そのHPは、10にプレイヤー人数分の1D6(六面体1個)を振って足した値になる。今回は(4、5、4、3「三:高めですな」)計16を10に足して、HPは26点となった。
GM:ボスの方ですが、この時点で決める事は特にないです。途中のシーン(Aパート)で手下がフラグ要素を達成するたびに、基準値やHPが増えていったりします。現時点でボスの基準値は2……ザコです。HPは5……貧弱です。
R:どれだけ我々がフラグを回収していけるかどうか。
GM:そうです。
三:そして強敵にして負けるか。
そうです。そういうゲームです。
GM:では次から本番のシーンになります。