過去の残滓
四章スタート。
死神編が一段落したらストック書きに潜ります。
CoC身内卓あるある。
NPCが可愛くてひたすら口説きまくるが、現実をみれば男が男を口説く地獄。
学園現代ファンタジー書きてぇ
「もう打つ手は残ってないのかしら」
「・・・・・・・」
黒い外套と白い神官服。
片や直剣二本を構え、金色の粒子を纏い死に体の身を動かす男。
片や大鎌を引きずり今か今かとその時を待ち続ける女。
周囲には名も無き剣が無数に突き刺さり、黒い森の中で逢瀬を交わす。
「キミのストックは15回でしょ?」
「黙れよ死神。
俺の仲間を殺した罪は重いぞ」
声が周囲に木霊する。
仲間達はペイルライダーの足止めの為に落ちた。
布石を打ち、HPを削り、先に逝った俺の愛すべき同胞達。
ならば、俺がコイツを殺すだけだ。
静寂とはどこか死に似ている。
静けさを心地よいと感じる事は罪だろうか。
「墓は自分で掘れよ」
「お姉さんはお墓の下からでも蘇るのよ?」
「一生埋まってろ」
手に持つ直剣を地面に突き刺すリク。
「月を隠せ…『陰月』」
「アハッ…!」
呟かれた一言。
その直後…リクの周囲を黒い帳が覆い隠す。
使う事はないと思っていたアビリティ。
月の満ち欠け、十五の夜を越えた事で既にトリガーは引かれている。
帳はやがて体を包み、姿は影へと消えていく。
黒い体に赤い瞳。
さながら姿はドッペルゲンガー。
突き刺された直剣を抜き振ると、黒が浸食する。
兎月蝕。
『殺す』
「良いわね、良いわね。
まだ奥の手を隠してた!」
大鎌を引き寄せ、まるで抱き枕のようにして恍惚に顔を歪ませるペイルライダー。
彼も本気を出してくれた。
ならば自分も答えなければなるまい。
「メメントモリ、メメントモリ…。
さあ、私と踊りましょう!」
黒影の好敵手の姿に、ペイルライダーは自身と最も長く連れ添ったスキルを行使する。
白と黒の対峙は最後の幕を上げる。
『俺の命を刈り取って見せろ死神』
「なら私はキミにこの命をあげちゃうわ道化師さん」
これはかつてクロノスで起こったある争いの夢。
首狩道化が死神を討った過去の記憶。
首領の奥の手『陰月』
多分まだまだ出番がないだろうアビリティ。
そもそも因幡流は期間限定イベントの裏クエストで取得できるユニークスキルなので本来は条件を満たせば誰でも取得できる。
ただ現状『因幡流【皆伝】』を持っているのは首領だけです。
理由は発生条件が完全にランダムエンカウントな上に難易度がアホみたいに高いから。
ウサミミ和服爺さん…イナバシロウサギもどこかで出したいね。