表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/156

定期謝罪配信3

「と言う事がありまして…」


《何回定期謝罪をすれば気が済むの?【月見大福】》


《まさか、あの誘拐劇の後にそんな事をしているとは…【†災星†】》


《とうとう骨を出しましたわね【ハートの女王】》


《もうボスが死神じゃん?【flowerdrop】》


《安定の首領クオリティじゃねえかぁ【HaYaSE】》


《それで安定させちゃって本当に良いの?【メルティ・スイート】》



定期謝罪配信。

もう俺の配信では準レギュラーの地位にいてもおかしくない。どこの世界に謝罪から配信を始め続ける男がいるのだろう。否ここである。

後ろに現れた骨野郎は俺を見ながらオドオドと震えている。

どうした、あの時の威勢はどこに置いて来たんだ?

まるで熊と接敵したポメラニアンのような行動に呆れしか出て来ない。



「そういう訳で、新しく仲間になった骨です」


『主ヨ…我ハ…ムクロアダバナ…』


「なんか言った?」


『ナンデモ…ナイデス…』


《よく躾けられてて草【凱歌】》


《どうしてこんな小さくなってるの…【桜吹雪鱈】》


《腕を二本程落としただけだ【朱雀】》


《それは、だけではないのう【ゴドー2号】》


《相変わらずだ…『300000マニー』【刃狼】》



調伏って便利だな。

あんなに人を供物とか言ってたヤツが俺に頭を垂れてるよ。もうネクロマンサー名乗っていいかな。



「それより、その喋り方どうにかならないの?」


『ト言ウト…?』


「凄い聞き取り難い」



なんか音が反響して聞こえるんだよ。

喋ってる言葉が直ぐ風で流れて消えてしまうので会話しづらい。



『ナラバ…姿ヲ変エヨウ…』


「最初からやってくれない?」


『スマナイ…』


《酷いブラックだ…【月見大福】》



俺の頼みを聞いた骨は、少し身を揺らすと体全体を黒い靄で覆った。

巨大な骨の体が徐々に小さくなって行き、数秒もすると小柄の体躯に収まる。

農民のような服を着た少女。髪は黒く足まで伸ばされ、目は紫色。

ジャパニーズホラーpart2?



「お前、雌だったのか?」


「これは…昔…飢饉により死した…子の姿…」


「いや重い重い重い」


「主の…記憶では…子には…あまり手を出していなかった…これならば…叩かれない…」


「お前は俺をなんだと思ってる??」


「凶悪な…殺戮者…」


《当たってるね【月見大福】》



喧嘩を売っておられるか???

確かにクロノスでは子供、というか新規プレイヤーには手を出した事はないがそれを差し引いても人に言っていい事じゃないよな。

なんだ凶悪な殺戮者って、そんな事した経験は…経験しかないけど、だからどうした。



「主…腹が…空いた…」


「マイペース幼女が増えたんだが?」


「我は…飢餓なる…者。

この身は…常に飢えて…いる」


《なんでか首領の周りには子供が増える【凱歌】》



飢餓なる者ってユニークボスの名前だったっけ。

コイツ、テイムしてないからステータスとか見れないんだよね。お助けキャラみたいな扱いなのかも。

アイテムボックスに入ってる調理アイテム…アズマの出身ならおにぎりでいいや。



「ほらよ」


「…これは…お結び…嗚呼…頂きます」



俺から手渡された握り飯を頬張る骨少女。

最初に一口含み、数度咀嚼すると…何故かいきなり涙を浮かべ出した。



「美味い…美味い…美味い…」


「泣く程の出来栄えだと…?」


《スキルレベルもあるし、いっそ料理人やってみる?【月見大福】》


《八千代、毎日通うよ!【八千代】》


「いや、お前らには毎日作ってるじゃん」



スキルレベルもう上がらないんだけど?

魚も手料理もどっちもカンストしてやる事がない。

今度は肉料理に手を出して見るか。

…不意に袖が引かれる。

骨少女が俺を引きながら手を出してる。



「…もう一つ」


「欲が深い!?」


「欲しい」


《…キャラ被りの危機【白椿】》


《どこに反応してんだよ…【源氏小僧】》


《…源氏は黙れ【白椿】》



安心しろ白椿。

お前は白毛短髪、対するコイツは黒毛長髪。

喋り方位しか被ってない…危機的状況じゃね?

10個程皿に乗せ差し出すと、物凄い速さで奪い取られる。どんだけ腹空かせてるんだ…哀れみからかボックスに残っていた魔魚の塩焼きも与えてみると、これまたシュバッと分捕られる。



「美味い…美味い…」


「なんで俺の周りには食い意地の張ったモンスターしかいないんだろう」


「ミューン…」


「んぐっ…!?」



森から姿を現した翠玉を見て、骨少女が喉を詰まらせる。

そんなガッツいて食ってるからだぞ、ほら水飲め水。

いつもと変わらず俺に顔を擦り付けて来る翠玉を撫でつつ水を渡す。



「主…なんだ…これは」


「俺のペットだよ、可愛いだろ」


「可愛い…この怪物が…?」


「俺の癒しを悪く言うガキには食い物をやらないぞ」


「ミューン」



大皿を抱き抱え、後ろに下がる骨少女。

食い意地張りすぎだろお前。

悪口にも寛容な様子の翠玉が擦り付ける力を増して迫ってくる。



「ほら、ちょっと強いだけで良い子じゃねえか」


「…流石…殺戮者…怪物すらも…手懐けるか」


「お前これから飯抜きにするぞ?」


《ネグレクト?【月見大福】》


《兄上…【†災星†】》



教育と言え、教育と。

全く…俺のマイルームにはどうしてこうも変なのばっかり集まるモノか。

翠玉の体毛を撫でつけ現実から目を背ける。




《そうだリク、もうすぐ聖国に到着すると思うよ【月見大福】》



平穏には遠いらしい。

ついでに私、基本召喚獣やモンスターを安易に美少女にしたくない民。

じゃあなんで今回はしたかって?

…コイツ文字打ち辛い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 文字打ちづらいは切実だから仕方ないと思うんですよ(迫真) ちょっとロリっ子が増えただけです!
[一言] 文字打ちづらい+自己保身での人化だから…安易なやつじゃないから…
[良い点] 完結までに一体何回の謝罪配信がされるんだろうかw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ