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その者はナニモノか

あの、すみません。

自分の欲望に忠実になり過ぎる余り、先の話でとんでもないヤツが暴走しやがりました。

でも…凄い綺麗に掛けたから続行します。

ほのぼの好きな親愛なる読者様は首領周りのほのぼのを堪能してください。コイツらはいつもほのぼのなので。

私のせいじゃないです。

時々シリアスタグ入れます、後ほのぼのに?付けます。

私のせいじゃないです。


思い切り笑った爺さんは気をよくしたように再び上座に戻り、自分の前に来るように俺達を呼んだ。



「そらお前さんはこっちだ、月の後継!」


「後継ではない」



自分の隣を叩き俺を呼んでる。

助けてヒオウ殿ともう一回見ると、ヒオウ殿は俺を見て何度も首を縦に振っている。ああ、そう行けって事。

仕方なしに爺さんの隣に座ると、さっきまで使っていた酒の入った盃を俺の前に出す。



「まずは一杯飲んでからだ!」


「とても一杯とは思えない量なんだけど」


「固い事は言いっこなしだ、ほら飲め飲め」



促されるまま顔を近づけると、爺さんが盃を傾ける。

この酒、酒精強い。あれてか、これって。



「米で作った酒だ」


「おうよ、この街で作った一番良い酒だ!」



え、凄い美味しい。

傾けられるままにゴクゴクと喉に流しているが、全然飽きない。

辛口ながら米の甘味が程よく感じ取れる良い酒。

なんだこれマジで美味い。

途中途中で息を吸いながらも、酒が進み気付けば空になっていた。



「もう一杯!」


「カッカッカ!飲めるじゃねえか!」


「気が合うとは思っていたがな」


「リッくん、お酒好きだもんね」


「翁を潰していたのは、やはり…」


「お酒の匂いが凄いので退散にござる」



仲間達がなんか言っているが、今は取り敢えずこれを呑もう。そうだ米があるなら醤油とかもあるかな。どっちも買ってけばクラメンの弁当でおにぎりとかも作れるかもしれないし。

アズマ最高じゃねえか!

二杯目の盃を飲み干して、一息入れる。



「いやー、飲んだ飲んだ」


「月の後継とこうして飲み交わせるなんざ嬉しいねぇ」


「まだそれ言うのか」


「あの御方が祝福を与えるヤツなんざ今まで一度もねえからなぁ!」



言いながら笑う爺さん、あれちょっと待てよ。

ルナーティアが色災を封じたのって、かなり昔の話なんじゃないの?

なんでこの爺さん、ルナーティアの事知ってるんだ。

俺は思った疑問を口にし爺さんに向き直る。



「そりゃあ知っているとも。

儂はあの御方がその身を賭して、災厄を封じる姿をこの眼で見ていたんだからな」


「この眼で…?」


「ああ、そうだ。お前さんとの飲み合いが楽しゅうてまだ名乗ってすらおらんかったか」


「…そういえばそうだった、爺さん名前は?」


「ッ…リク殿!」


「良いヒオウ。ただの小僧ならまだしも、月の後継にして儂の酒を飲んだ男だ」



笑った爺さん、だが次の瞬間にその気配を変える。

重苦しい重圧。全身に伸し掛かるような覇気を感じて。



「お前ら、止まれ」



反射的に俺と爺さんの間に割って入ろうとした八千代、刃狼、羅刹丸を止める。

俺の言葉に動きを止めた三人だが、それぞれ武器の柄に手を添えている。



「良く躾けられておるようだ」


「生憎と、躾けた覚えはなくてね。

皆、勝手に俺を護ってくれるんだ」


「ほう…」


「ワンワン!」


「がるるるるるっ!」


「ござる!」



お前らも反応しなくていい。刃狼がキャラ変わってるし、羅刹丸に至ってはそれ鳴き声じゃない。

気配は変えたが、爺さんに敵意はない様子。

どういう反応をするのか試しやがったな。



「礼を失したのは俺だ、先に名乗ろう。

俺はリク、首狩道化のリク。

アンタの名前を聞かせて貰いたい」


「護られているだけと思ったが、お主も大概に牙が鋭い。いつでも儂を斬る支度が整っておるようだ」


「抜かせ、俺は弱いよ」


「カッカッ、言葉遊びも得意のようだ」


「いや本当に弱いけど?」


「さて、名乗られたのならば儂も名乗ろうか首狩の小僧」



俺の言葉を無視して爺さんが語り出す。

気配が薄れる。

広間の方を見れば、朱雀は瞑目しヒオウ殿はずっとオロオロと俺と爺さんを見ている。能面とか言ったけど、結構表情豊かだね。



「我はオウカの守護者。

かつての災厄との戦いに身を投じ、紅き翼に敗れこの国に落ちた蛇。名を…『緋桜龍』」


「…龍?」


「おう、我は龍だ」



そっか、龍。

道理で角が動物みたいな形してると思った。ああ、そういえば龍って酒が好きって話あったな。

まあ確かに龍なら長い間生きてても不思議じゃないよね。

うん…うん。



「ごめん爺さんちょっとタンマ」


「よかろう」



上座から下りて行き朱雀の前に仁王立ちをする。

尚も瞑目しているこの野郎は、俺が来た瞬間に顔を横に背けた。



「弁明は?」


「ユニーククエストを進めていたら、こうなったのだ」


「そりゃあ仕方ないな」


「そうだろう」



パッと俺の方を向き直る朱雀に俺は満面の笑みで答える。なあおい朱雀、震えてどうしたんだ。



「んなわけあるかぁぁぁぁぁぁ」



お前龍と会うなんて一言も言ってなかったじゃん!?

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― 新着の感想 ―
[良い点] (*´。•ω•)っ三いつもの入りましたァ!
[良い点] タンマ有りw 筆が乗ったならしょうがない!
[一言] 面白そうなので、そのまま突き進んじゃってください!
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