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釣りが…始まる

プトレじいじ爆死記念。ハハハハハハハハ

またやったらしい。

朱雀の事を言えない、というのはこれで何度目だろうか。

ははは、どうやら俺はこの世界に愛されているらしいな。



《おめでとうバランスブレイカー【月見大福】》


《何故釣りをすると言ってこんな事になる?【†災星†】》


《その引き寄せる体質どうにかなりませんの

?【ハートの女王】》


《首領は、凄いね【BB】》


《これが持つ者ですか【最終社畜V】》


《やっぱ首領は見てて面白いわ【ハンペン騎士】》


《我らが首領に果てはない【軍師カンペイ】》


《さすボスって言った方良い感じ?【凱歌】》


《さすリッくん!【八千代】》


《待っていた『100000マニー』【刃狼】》



クラメン達からの熱いお祝いメッセージに血反吐を吐きそうになる。

俺はただのんびりと釣りをしたかっただけなのに、なんだよ来訪する者って…。ここ空の上だぞ、羽が付いた天使様でもご招待しろってのか。

竿を片手に立ち尽くしていると、白玉が俺のズボンを引っ張ってくる。

『釣りしないの?』とでも言いたいのだろう。小首を傾げて俺を見ている。



「釣りしよう」


《現実逃避だなぁ【HaYaSE】》



うるさいわい、なんも考えないように釣りをするんだい。針に餌を付け、湖にポイッと投げる。

イスでも持ってきておけば良かったな、地面に座り込む。



「・・・・・・・・・」


「・・・・キュウ」


《なんか喋ろうよ【月見大福】》


「集ッ中!」


《うわ、うるさ【月見大福】》



喋ろうよって言ったのに酷くない?

とは言っても今のこの空間で何か喋るのも無粋ではなかろうか。俺、詫び錆びを心得てる男だから。

ワサビ丼っておいしいよね。

水面に移る糸の先を白玉と二人で見ていると、急に強く糸が引かれた。



「よっしゃあ、ヒットォォォォ!」


《おい、そんなにいきなり引いちまったら【HaYaSE】》


《あ【ハンペン騎士】》



あ。

合わせすら行わずに全力で引いたら、プツリと糸が切れ水の中に引き込まれていく。

随分リアルな仕様じゃねえか…。

湖に顔を出す俺と白玉。もう見えない所にまで行っちまったらしい。



「もう一回遊べるドン」


《直ぐに二本目を出したね【月見大福】》


《悔しかったのだろう【†災星†】》



ぐやじい…。

二本目の竿に餌を付けて投げる。どうなんだろ、これ魚全部散ったんじゃないの。

するとすかさずもう1ヒット。

今度は間違えない。魚の動きに竿を合わせ深く食い込ませる。

引く力が強くなってきた。



「よし、イケるイケる!」


《頑張って【BB】》


《もう少しだよ!【八千代】》


《焦らず慎重になぁ【HaYaSE】》



仲間たちの声援(文字)を受け、自然とやる気が満ち溢れる。

今ならやれる。

狙い目を合わせ、全力で引き上げる。



「どりゃぁぁぁぁぁぁ!」


《釣ったーーー!【凱歌】》


《獲物はなんでしょうね【最終社畜V】》


《…ちょっと楽しそうですわね【ハートの女王】》


《立派な魚だ『100000マニー』【刃狼】》



釣り上げた魚は、思ったよりも大きいな。

見た目はマスみたいだけど、所々に銀色の斑点が付いている。

鑑定してみるか。



『魔魚』

魔力の豊富な水辺に生息する魚。

本来の種から変質した個体とされており、種族名は固定されている。

魔力を多く含んだことで、脂のノリが良く大変美味。



「手抜きか?」


《説明雑じゃない?【八千代】》


《言ってやんねえでくだせぇ【蛮刀斎】》



まあ食べられるならそれで良いけどさ。

サイズも大きめだから、俺と白玉が味見する位なら一匹でも良いか。

ウインドウルフ…面倒だから風狼で良いか。

風狼のナイフを取り出し、捌く。



《手慣れてますね【最終社畜V】》


《昔兄上が山籠もりをしていた際、山奥に住んでいたご老体に教えてもらったらしい【†災星†】》


《なにその情報面白そう【月見大福】》


《もう一度見に行ったら小屋自体無くなっていたそうな【†災星†】》


《急にホラー?【BB】》



あの爺さん本当に何者だったんだろうな。俺が熊と戦って死に掛けてたらいきなり現れて熊殴り飛ばしてたし。よく効く軟膏とかいうヤツ塗ったら傷も治ってたし。

数年前の記憶に懐かしさを覚えながら手を走らせる。



《スキル『調理』を獲得しました》


「あ、スキル取れた」


《おめでとう【月見大福】》


《やったね!【八千代】》



案外簡単に調理スキルも取れるもんだな。



「よし、これで後は塩を振ってと」


「キュキュ」



こらこら白玉。準備中だからあっちに行ってなさい。そんなキラキラした目で見るんじゃない、まだあげないからな。

下準備を終わらせ草の生えていない場所に移動し、取り出すのはフレアリザードの魔石と串。

真ん中に魔石を置いて魔魚を串刺しにして地面に刺す。

手を翳し魔力を込める。



「おお、すげぇ本当に付いた」


「キュ~」


《初期勢なのに新規のような反応で草【ハンペン騎士】》


《ほら、リクは世捨て人だから【月見大福】》


《隠者(笑)【HaYaSE】》


《wwwww【凱歌】》


《あ、ビビちゃんが顔を伏せて震えてる【桜吹雪鱈】》


《お嬢も爆笑してやす【蛮刀斎】》



お前ら後で覚えて置けよ?

俺が今魚に集中してて良かったな。でなけりゃ今頃PK祭りwith天空島だったぞ。


バカ騒ぎしているコメントを流し魚の具合を見る。

良い感じに焼けて来てるな、焦げ目も付いて来たしもう少しか。

…白玉、涎押さえろ涎。いつからお前は食いしん坊キャラになってしまったんだ。魚に魅了され徐々に近づいていく白玉を腕に抱きこむ。

あ、良さそう。



「完成、魔魚の塩焼き」


「キュキュ!キュキュ!」


《凄い美味しそうだ【月見大福】》


《明日はお魚!【八千代】》


《この時間に飯テロやめろぉ【HaYaSE】》



うん、滅茶苦茶美味そう。

元々大きかった体長が焼いてるうちに膨れて更に大きくなってる。もしかして脂?

一口食べてみる。



「うお、すげぇ」


《くぉぉぉぉぉ【HaYaSE】》


《明日魚買ってきます【最終社畜V】》



肉汁ならぬ魚汁ってか、なんか味噌汁みたいだな。

噛みついた瞬間に溢れる脂が凄い。もう肉じゃんこれ。

堪らずもう一口食べようとすると白玉が俺の腕を引く。分かった、ほら食えよ。



「キューーーー!」



白玉が遠吠えを上げている。美味かったんだろうなぁ。でもそんながっつかないで欲しい。凄い速度で身が減ってる。

負けじと俺も速度を上げ食べているとものの数秒で一匹消えた。



「マジで美味い」


「キュキュ…」



満足げに呟く俺と白玉。

いやマジで満足だ。これ良いな、時間がある時調達しておこう。



「釣り場は解放しとくから、お前らも暇な時は釣りに来て良いぞ」


《うっしゃあぁぁぁぁぁぁ【HaYaSE】》


《お嬢、行ってきやす【蛮刀斎】》


《ちょっと竿買ってくる【凱歌】》


《つまり釣り上げた魚を献上すれば我らが首領の手料理を頂戴出来る…?【軍師カンペイ】》


《釣り祭り開幕ですか【最終社畜V】》


《祭りだ祭り!【ハンペン騎士】》


《釣り場助かる『100000マニー』【刃狼】》



男連中が大変楽しそうで何より。

俺だけ独占するなんてバチが当たる。コイツ等がいるから俺は今もこの世界を満喫出来ているんだから。



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― 新着の感想 ―
[一言] 串焼きのくだりは完全にCV骸骨騎士さ……ゲフウッ( 9˙꒳˙ )9( っ・д・)ノ)))`д゜)・;"
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