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釣り場を求めて

10連チケット銀と金だけ。リアルラックなんてこんなもんよ

アキレアちゃん普通に強そう。

「おはよう白玉」


「キュ!」



右手をあげて挨拶をしてくれる白玉の頭を撫で、俺は伝えたかった要件を口にする。



「ちょっと確認したいんだけど。聖域って範囲を狭めれたりする?」


「キュ?キュキュ!」



一度首を傾げたが、すぐに縦に振り直す。

範囲狭くする事出来るんだ。なら頼んでみても良いかもな。

『聖域』はどうにかなりそうなので、俺は島にある水場を探す為配信を付けた。



「おつかれ皆」


《いっちばーん!【八千代】》


《もしかして八千代、ずっとスタンバイしてる?【月見大福】》


《手元のすぐ近くに視聴画面がありやす【蛮刀斎】》


《よく戦闘中邪魔にならねえなぁ【HaYaSE】》


《『50000マニー』【刃狼】》



続々と集まってくるクラメンに今日の配信の趣旨を説明する。



「皆、今日は釣り場を探す」


《釣り場?【BB】》


《また首領の悪い癖が出ましたのね【ハートの女王】》



そこ、悪い癖とか言わない。

スローライフなら優雅に釣りは欠かせないだろ。俺は水場の近くにキャンプ地を作るんだ。



《でもここ、空の上ですよね?【最終社畜V】》


《木が生えてるから水を、ってか?【凱歌】》


「凱歌、正解」



30CCポイント上げる、交換品は特にないけど。

木があるならそこには必ず水がある。まあ、最悪地下水だろうけどそうなったら…どうしよう。

先行き不安になってきた。



「そういう訳で白玉さん。この島って釣りが出来そうな水場ってあったりする?」


「キュウ?」


《いきなり答えを聞こうとしてますわね【ハートの女王】》



虱潰しじゃ時間が掛るからさ。時短大事。

キュウキュウ唸りながら頭を捻る白玉だが、突然何か思い出したのか尻尾を立てる。

おお、どうやら心当たりがあるらしい。

指を指した方角を見ると、南の森?



「森の中に水場があるの?」


「キュウ」



コクコク頷いてる所を見るにどうやらそうらしい。

森の中にある水場って、なんだろう湖?

先導してくれるようで白玉が先に駆け出した。



《あるんだ水場【月見大福】》


《この島、なんでもあるのか?【ハンペン騎士】》



俺もちょっと驚きだわ。

本当に釣り出来る場所あるの?というか白玉さん釣りって分かるんだ。

というか白玉、早い早い。

もう随分先まで駆けてる白玉をアビリティを使いながら追う。



「『月歩』『新月』」



移動には最適過ぎるんだよな、因幡流。

新月なんてリキャスト5秒だからポンポン使えるし。



《はやいはやいはやいはやい【凱歌】》


《やばい酔う【桜吹雪鱈】》


《二人とも鍛え方足りてないんじゃない?【八千代】》


《なんで八千代は何ともないの【flowerdrop】》


《お嬢、人外枠ですぜ?【蛮刀斎】》


《我らがクランには人外が五人いる【軍師カンペイ】》


《納得【BB】》



人外枠ってなんだろう。これ位の速度なら慣れの範疇だろう。

暇だったのでコメントを見ていると、丁度南の森の前に着いたようだ。

ここからは歩きで行くようで白玉が俺の肩に登ってくる。



「キュウ」



なんで『一仕事終わったぜ』感出しながら額を拭ってるんだお前。まあ良いけどさ、先導よろしくね。

そういえば、こうして歩きながら南の森に入るのって初めてだな。

最初のスカイダイビング(物理)と森の手前に木を伐りに来る事しかなかったし。

キュッ、キュッと指を指される方向に歩く。

木漏れ日が差し込んでいて気分は散歩する老人の気分。

というか、道が開けて来てない?先程まで草が生い茂っていたが、今歩いている道は背の低い草しかないなっ…て。



「おお」



水だ。水場があった、それも結構広い湖。

夕陽が差し込み水面が輝いている。なんて言えば良いんだろう、凄い幻想的だ。



《綺麗【八千代】》


《美しいな【†災星†】》



他のコメントを見ても、皆それぞれ感嘆の声を漏らしている。それだけにこの湖は綺麗なのだ。

水の中には、まあ当たり前だが魚はいない。これ、『聖域』を解いたら魚がリポップするのかな。



「ここなら釣りをしても大丈夫なの?」


「キュキュ」


「じゃあこの森の『聖域』解いて貰っていい?」


「キュ!…キュキュ!」



コクリと頷いた後に一鳴き、変化は直ぐに訪れた。



ピキリッ



頭上から聞こえたひび割れた音に顔を上げる。

空が割れていた。いや、空というよりこの森を覆う膜が割れたらしい。

ポロポロと落ちる破片は夕陽で輝きながらポリゴンとなって消滅する。

え、何アレ怖い。

これが『聖域』の消滅らしい。



「キュー」



白玉が下を指差している。見ると、そこには先程まで居なかった魚の影。

一日待たなくてもすぐにリポップするようだ。

まあいいや、これで大手を振って釣りが出来る。

竿をアイテムボックスから取り出し、いそいそと準備を始めていると



《エリア『彷徨いの森』の聖域の消滅を確認しました》


《今は亡き夢の跡 月が護り滅びた国

その扉は次の主により開け放たれた》


《これより先マイルームに来訪する者が現れます》


《絆を紡ぐも戦を望むも異邦人たるアナタ次第》


《どうかアナタの旅路に万雷の幸福があらん事を》



おっと?



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― 新着の感想 ―
[良い点] いいね、考察がなー、楽しいなぁーーーーーー♡ ฅ(ˊ✨ω✨ˋ)ฅ [気になる点] アルテマ⇔アルケミ Alchemy(研究)→Ultema(究極/研究の成果/ 此以上に先が無いこと) …
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