新規加入の爆発頭
学マス楽しい!スタレ楽しい!FGO楽…しい!ブルアカ楽しい!息抜き書くの楽しい!
…タスクが多すぎるんですよ、どうなってんだ。
あ、良ければなんちゃってホラーも読んでみてください。
ダイスロール投げながら書いた奴です。
「へぇ、ここが兄弟の島か。
…思ってたより大分おかしい場所な?」
「大金集めて手に入れたんだ…他と一緒だったら困る」
「何にしてもありがてぇ!
これであのババアからトンズラできらぁ!」
真竺をCCに迎え入れる事が決まり数日。
思い切りの良いこの馬鹿は、あろう事か俺と話した翌日には店を引き払い諸々の準備をしていたという。馬鹿だろコイツ。
「…んで兄弟、その鹿はなんだ?」
「俺のペット」
「ミューン」
今日も今日とて翠玉の毛並みを堪能しながら街を練り歩く。最近一段と毛並みが良くなった気がする。
「あ、爆発頭!」
「あん?…なんだ、夜叉の嬢ちゃんか。
そんでそっちは…デケェな」
「初めまして。私はメルティ、宜しくね」
「桜玉様とリク様の世話役を仰せつかっております、ハルカです」
「おうよ、俺ぁ真竺。もし爆発がご入用なら言ってくれ、安くするぜ!」
お前の挨拶はそれで良いのか。
「…ん?兄弟の世話役?
アンタこっちの住人だろ?」
「それは後で説明する、あと桜玉はこの子な」
「グルァァ!」
ハルカの首に巻き付きながら、器用に前足を上げて挨拶する桜玉…そして俺を交互に見比べて真竺は息を吐く。
「成程な、理解した」
「それは何より」
多分、何も分かってないだろうな。
ハルカから宿主を変え、俺に擦り寄って来る桜玉を撫でる。
「…………」
「兄弟、その緩み切った面やめろ…鳥肌が立つ。夜叉の嬢ちゃんは武器抜くんじゃねぇ」
「目が腐ってるの?爆発頭」
桜玉から手を離し、次いで八千代を撫でながら、二人に改めて真竺の説明をする。
「口が軽いし爆発にしか興味のない馬鹿だけど、悪い奴じゃない。仲良くしてやってくれ」
「分かったわ!あ、お近づきの印にお菓子はいかが?」
「お、一個貰うぜ」
「八千代も食べる!」
掴みは良好。
まあ、コイツも元の商売で色んなプレイヤーを見て来たんだ。特に問題はないだろう。
菓子を受け取り、去っていく三人と一匹を眺めていると真竺が口を開いた。
「随分気前の良い姉ちゃんだったな、おい」
「このクランの数少ない良心だ、丁重に扱えよ」
間髪入れずにメルティを姉ちゃんと呼ぶとは大分懐が広い。まあ、女子組よりも女子だからな。
…怒られそうだから止めておこう。
「それで、俺ぁどこで浪漫を探求すれば良い?」
「なるべく被害の少なそうな所」
「俺がやらかす前提かよ!」
寧ろやらかさない保証がどこにあるのか。
自分のクロノスから続く罪状の数を一度洗いざらい数えてみると良い。
確か街の外れに開けた空き地があったはずだ。少し歩けば空き家もあるし丁度良いだろう。
真竺と並び、街中を歩く…俺は翠玉の背の上なんだけど。
陽気な昼空だ…そういえば、マイルームって雨とか降らないのかな。
時間差で昼夜は切り替わるけど、これまで一度も雨が降った日を見た事がない…そもそも、雲がないから降らない?
「なんだ兄弟、難しい顔してよ」
「ん、いや。ちょっと考え事」
天空島故の欠点。この島、高度を下げるとか出来ないのかね。
運営に連絡…いや、ルナーティアにでも聞いてみるか?元々アイツの所有物だったらしいし、今度の満月の夜に来るだろう。
「不思議な島だなぁ」
「お前の島だろ?」
そうだけどさ。月見大福も言ってたけど…本当に謎しかないよ、この島。そもそもどういう原理で浮遊してるのかも分からないし。
こういう事を考え出すと頭が痛くなってくる…考え事は苦手だ。
翠玉…モフモフ。
「ミューン」
「お前は良い子だね…ほら、お菓子お食べ」
「ダダ甘やかしてんじゃねえか」
脳のレベルを下げるって、とっても大事。
頭空っぽにして動物を愛でる…これはきっと人としての心理だと思うんだ。
菓子を食べ終え、俺の手を舐める翠玉を見てると頬が緩む。愛い。
「…兄弟。やっぱクロノスから大分変わったよお前、俺ぁそんな顔見た事ねえぜ?」
「前にも誰かに言われた気がする。まあ、熱が冷めたんだよ」
そう、別に珍しい事ではない。
ある日ぱたりと、熱が冷める。あれ程楽しかったPKも最後はただの作業のように感じて…要は生き急ぎ過ぎた。
楽しい事が永遠に続くなんて事あるはずがないのに、ただそれが続けばいいと思って。
あれが俺の青春だった。
「結局、PKなんかしなくてもアイツらと過ごすのが一番楽しい」
「そんなモンかねぇ」
コイツは頭まで火薬と爆発に汚染されてる馬鹿だけど、ずっとその意欲が継続している。
少し…それが羨ましい。
とはいえだ。
「久しぶりにどっかのクランに殴り込みに行きてぇなぁ…とは思う時もある」
「なあ、さっきまでの感傷的な話はどこいった?急に血生臭くなったぞ?」
「知ってるか、PK狩りって報酬美味しいんだぜ?」
別に何か計画を立ててる訳じゃない。
ちょっと銀竜とか探求の婆さんを揶揄いに行くのも楽しそうとは思うだけ。
ほら、道化だし。人を小馬鹿にするのとか仕事じゃん?あ、違う?
そういえば俺、真竺を横から搔っ攫った感じになるんだよな。もし帝国に行く機会があったら煽り倒してみようか。沸点低いから帝国が炎に飲まれそうだけど。
「何か、嫌ぁな顔してんぜ」
「話は逸れるけど、婆さんの手土産って何持ってけばいいと思う?お前とのツーショット?」
「煽る気満々じゃねえか」
冗談、冗談。
帝国には天剣も居るんだ。あれと鉢合わせになって因縁でも付けられた日には…面倒極まる。
「…ここだな」
さて、長話をする内に目的地に到着。
木々の少ない開けた平地は、真竺にとってお誂え向きの場所だろう。
「こりゃあ良いぜ!
調合ミスっても危害が少なさそうだ!」
「セーブポイントは近くの場所を選んで使え。
後でゴドーに頼んで表札作って貰うから」
人の説明を聞かず、中央で道具を広げ始める真竺。俺と大して歳は離れてない癖に…なんなら年上の癖に随分子供染みた行動力。
「素材は兄弟が…俺は出来たモンはクラメンに流す、で良いんだったか」
「使える物だったら資金も回してやる、損はないだろ?」
「長ぇ付き合いなんだ、そこは疑っちゃいねえ。誰にも邪魔されずに自由に爆発させられる…最高の環境だ!だがよ、ちと俺に分配が傾いてねぇか?」
変な所で常識的な奴である。
「気にするな。それこそ…長い付き合いだからな。アイツらには現状不必要な物でも、もしかしたら使う時が来るかもしれない」
備えあれば憂いなし。
これから先、風霊のようなクソギミックのボスが追加される事もあるだろう。
今の内に手数を増やすに越した事はない。
…どんどん島に危険物が増えてる気がするが、気にしないでおこう。