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第6話 チヤホヤされるのは苦手だ


ーーーポルターガイストの念力で俺たちは空高く空中に浮かぶ。


「ひぃぃいい〜!!お願いじゃ!!ちゃんと国王のところに案内するから!絶対ここから落とさないでくれぇ〜!」


 そんなこと言うと落としたくなるんだよな〜。

 余計なこと言わなきゃいいのに…


「ふぅ〜…国王がいるところはあそこの城ってのは大体わかってるんだ、城の中のどこにいるか、それまでは殺さねーよ…」


 にしても、下を見てみると魔物の軍勢がものすごい勢いで冒険者達を無双しているのが確認できる。


「いやぁ〜優秀だな俺の部下達は…幹部2人の空席を埋めてくれるようなやつを後で選抜しておくか〜」


「それでしたら何名か候補がいますので、これが終わったら魔王城にて選抜致しましょう」


「どうせなら3人とも女なんだし残りの2席も女にしましょうよ!」


「………私はなんでもいい…ダークネス様がそばにいてくれれば…」


 ウロボロスが俺に近寄り、頬をスリスリしてくる。

 咄嗟にポルターガイストが念力でウロボロスを引き剥がす。


「ちょっとあんた!今そんなことしてる場合じゃないんですけど!アバドン様も何か言ってください!」


「わたくしはダークネス様の右腕だからな…なんならわたくしがダークネス様の伴侶として…」


 今度はアバドンが…俺の右腕を鷲掴みし、豊満な胸を寄せてくる。

 ポルターガイストの念力に負けじと、ウロボロスもまた俺の左腕に胸を寄せる。


 どうしてこうなった……


「ちょ、ちょっと!アバドン様まで!あーあたしだって!!」


 次はポルターガイストが俺の体目掛けて、ダイブしてきた。

 その瞬間、ポルターガイストの念力が解けてしまい、俺達は真っ逆さまに落ちていく。


「お、おい!貴様ら!どうなってるんだこれは!は!はやく!わしを助けろ!」


「はぁ〜?何様よあんた…」


 念力を再発動し、俺達はまたもや空中に浮かび始める。

 しかし、ギルドのお偉いさんは真っ逆さまに地面に落ちていった。


「何故だぁぁーー!!わしは!わしはまだ死ぬわけには!!」


『パンッッ!!』

『グシャァァァ!!』


 耳をつんざくような破裂音と、バラバラになった肉塊が周囲に広がっていくのが空から確認できる。

 その肉塊を、俺の部下であるアンデッド族が(むさぼ)り食っていた。


「うっわ…ぐろっ…てかお前らそろそろ離れなさい…あと勝手に人質を殺すな…まったく」


 申し訳ございませんと、3人が声を揃えて謝罪する。

 いままで散々、女には酷い目にあってきたから、正直チヤホヤされるのは苦手だったが、こいつらの顔といいスタイルといい、魔物のくせにレベルが高すぎる。

 だからまあなんだ、悪くはない!!


「わかればいいんだわかれば…それにどうやらあいつらについていけば国王のところに行けそうだしな…ついでに面白い反応ももらえそうだ……ニヤ」


 俺は空から、勇者エディンのパーティーが、城へと入っていくのが見えていた。

 魔物をそっちのけで城に入っていくのを見る限り、国王を守る命令でも与えられたのだろう。

 俺は確信していた、国王もまた、自分の命にしか興味のない人間だ。

 そんな奴が1番に思うのは強い奴に護衛してもらい、逃げる。

 だから俺は、【インビジブル】を発動し勇者エディン達のあとを追うことにした。


「さあ!気を取り直していくぞお前ら!」


「「「はっ!!」」」



♦︎♢♦︎♢♦︎




「ーーーハァハァハァ!どうやら城の中はまだ安全みたいだ!今のうちにハンナ!回復を頼む!」


「わかったわ!エディン…《我神の御加護と親愛なる女神の祝福を》」


『ホーリー・ライフ』


 みるみるうちに勇者達の体が回復していく。

 流石は賢者の職業を授かっているだけある。

 俺が持ってる最高級ポーションにも引けを取らない回復量だ。


 しばらくこいつらの動向を見ておくのも面白そうだな。


 俺はアバドン達にこいつらには手を出さないよう、(はか)らう。


「しかし何故!急にあんなにも大量な魔物の軍勢が?!」


「この国は何百年も魔物に襲撃されたことがないで有名だったのに…それなのに…」


 本当に何も知らないらしいなこいつらは…

 自分たちが生贄にされそうになっていたとも知らずに、

 しかも生贄にしようとしたら張本人をこれから守ろうとしているのだ。

 笑いが溢れ出しそうだよ。


「そんなこと今はいい!早く国王を連れてこの国を出よう!」


『バタンッ!』


「国王様!もう安全です!今すぐここを離れましょう!」


 扉を開いた先には怯える姿の国王と、大臣達の姿があった。


「おぉぉ〜待ってあったぞ勇者達よ!さあ!わしを早く安全な場所へ!」


 俺は、自分の【インビジブル】だけをとりあえず解き、エディン達の前に姿を現す。


「よう〜エディン!久しぶりじゃないか」


 俺の姿を見たエディン達は驚きの表情をしている。

 国王達もまた同じような反応だ。

 

「お、お前がなんでこんなとこに…そ、そうだ!ライト!お前も一緒に戦ってくれ!攻撃の効かないお前は常にアイテムでサポートしてくれてればいい!そうすれば安全に国王様達も俺たちもここから逃げられる!そうしよう!」


「はぁ〜?俺はお前らに追放された身だぞ?何を今更…」


 アバドン達が今にもこいつらを殺しそうな程に殺気だっているのがわかる。

 俺は手でまだその時じゃないのをジェスチャーで伝える。


「ここから逃げ出せたら貴様の罪は全て無かったことにしよう!そうじゃろ?勇者殿!」


 国王は俺がいれば安心だと思っているのだろう。

 しかし、ハンナが反抗の言葉をあげる。


「し、しかし!この者は私に酷いことばかりを!」


「ハンナ!今は耐えてくれ…情けなくてすまない…だが今は安全が第1なんだ…」


 エディンが必死にハンナを説得する。


「わかったわ…エディン…我慢する…さあ、ライト…エディンを手伝ってあげて…」


 さっきからこいつらは自分のことばかり…

 しかもどこから俺が手伝ってくれるっていう自信が生まれるんだ?

 呆れてきたし、もうつまらないからさっさとお待ちかねのサプライズをしてやろう。


「さあ!ライト!もう一度俺達と戦ってくれ!」


「はははっ!エディン!それは無理な話だ!何故なら今は俺が魔王なんだからな!!」


「な、何を言ってるんだ?ライト……」


 俺はすかさず、アバドン達の【インビジブル】を解く。


 姿を現した魔王幹部の連中に(おのの)く、国王達と勇者達。


「な、何故魔王の幹部がここに!!ひぃー!!」


「さあ!!俺の勝手だがこれから復讐劇を始めさせてもらおう!!」


 この国と勇者達への復讐劇が今始まろうとしていた。




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