ツンしょぼ王子は好きだと言いたい
好きの一言が意外と難しい
私は今、アル様と一緒に生徒会活動をしておりますの。これも王族とその婚約者としての勤めですわ。
「ふん。テニス部の会計が間違えているではないか。やり直させろ」
「あら、こちらも文学部の会計が領収書と食い違っていますわ。これ、お願いね」
「はい、王子殿下、リーチェ様!」
「愚か者!リーチェと呼んでいいのは俺だけだ!」
「は、はい!失礼いたしました!王子殿下!クララ様!」
普段は口は悪くても寛容なのに、私のことになると途端に心が狭くなるアル様も可愛いですわ!そもそも嫉妬していることに気付いていらっしゃらないのね。萌え萌えキュンですわ!
「リーチェ、少し疲れた」
「わかりましたわ。紅茶をご用意させます」
「甘い菓子も頼む」
「はい、アル様」
「お前も疲れただろう。こっちのソファに来い。少し休むぞ」
「ありがとうございます、アル様」
「お前は日々よく生徒達や民のために頑張ってくれている。このくらい当然だ」
偉い偉い、と頭を撫でてくださるアル様。このデレを見よ!って感じですわ!とっても素敵ですわ!萌え萌えキュンですわ!
「そ、それでだな、その…」
「はい」
「お、俺は、そんなお前のことが…」
「はい」
「す、す…素晴らしいと思う」
(違うー!好きだと言いたかったんだー!)
「ありがとうございます、アル様。そのお言葉だけで身に余るほどの光栄です」
「ふ、ふん。この俺が褒めてやったんだ。当然だろう。もっと崇め奉れ」
しょぼんとしてるアルたま可愛い!いいんですよ!むしろ極上のデレをありがとうございます!でもしょぼんとしているアルたま可愛いですからもっとしょぼんとしてくださってもいいんですのよ!なんならもっと高圧的に来てもいいんですのよ!
でも嫉妬は隠せない