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いいなずけ!? ~8年振りに幼馴染と再会しました~  作者: 五十嵐 バスク
第三章 林間学校!?

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22話 夏恋は優しい

部屋に戻った後、肝試しの順番が最後の方だった夏恋を待つ間、英単語帳を見て時間を潰していた。



「そろそろかな……」



まだ部屋に戻って来ていない涼に散歩に行くと書き置きをして、待ち合わせの場所へと向かった。


外に出ると肝試しは終わったらしく、虫の鳴く声しか聞こえない。歩いて2,3分、東屋に着いた。夏恋にラインで連絡をする。



『東屋に着いたから、来て大丈夫だよ。』



しかし、暫く待っても既読が付かない。

部屋で待っているように言ったので流石に他のやつの部屋に行って遊んでいるということは無いだろう。

少し心配になり、電話をかけるが繋がらなかった。



「夏恋ちゃんなら来ないよ」

「!!?」



突然後ろから話し掛けられる。驚いて声のした方に視線を向けると、立っていたのは会う約束をした夏恋ではなく、林間学校中ずっと元気がなかった筈の茅秋だった。



「何で茅秋がここに…?」

「廊下で夏恋ちゃんと話しているの偶然聞こえちゃったんだ。流石に悠くんのお嫁さん候補の私としては無視できない内容だったから阻止させて貰ったの」



成程……だからあの時茅秋はあんなところに居たのか。



「夏恋ちゃんと悠くんは両思いだから会わせたくなかったし……」

「……え?」



思わず聞き返す。

俺と夏恋が両思い? 夏恋は兎も角、いつ俺が夏恋の事を好きになったんだ? そりゃ友達としては好きだが……異性としてなら話は別だ。



「だから、悠くんは夏恋ちゃんのことが好きなんでしょ!?」

「何故そうなった! 俺は夏恋の事は友達としてしか見てない! これから夏恋にもそう言おうと思ってたんだ」

「え……でも……バスで悠くんが、「俺は夏恋しか考えられない」って……夏恋ちゃんも嬉しそうだったからそうなのかなって……」



そうか……そういうことか。だから茅秋はずっと元気が無かったのか。つまり茅秋は、バスでの俺と涼の会話から俺が夏恋のことが好きだと聞き間違って、ずっと勘違いをしていたんだ。



「茅秋……それは間違いだ。確かその時、「俺は恋愛をしない」って言ったんだよ。つーか、どうやったらそんな聞き間違いをするんだ!」

「私の……聞き間違い……」



俺と夏恋が両思いということが自分の勘違いだったことが分かり、呆然とする茅秋。しかし、すぐに我に戻り、凄く焦った表情になる。



「……どうしよう!! 私、夏恋ちゃんに酷いことしちゃった!」


「ここに来る前に悠くんから伝言だって嘘付いて、「今すぐ東屋じゃなくて一人で祠に来て欲しいって言ってたよ」って言っちゃった……!」

「ほ、祠!? じゃあ夏恋はあんな暗いところに今一人で……!!」



居ても立っても居られなくなり、俺は茅秋を置いて、一人で祠に居るであろう夏恋のもとへと走り出す。


頼む……夏恋に何も起きていないでくれ!!


ただそれを願いながら走り続けた。

例の木のトンネルに入ると何も見えなくなる。俺はスマホのライトを点けて、少し前の道を照らした。そして少し拓けた所に出る。祠がある場所だ。



「夏恋!! 居るか!?」

「……悠!?」



祠の陰から夏恋が現れた。


良かった……何も無かったみたいだ。



「遅いよ! 怖かったんだから! それより何でこんな所にしたの? 雰囲気出ないじゃん……」

「夏恋……違うんだ……。これは茅秋の嘘だったんだよ……。俺はずっと東屋で待ってた……」



息を切らしながら説明する。それを聞いて夏恋は驚いた表情を見せたが、すぐに小さく微笑んだ。



「なんだ、茅秋の嘘か……一本取られたわね!」

「怒ってないのか?」

「怒らないよ。だって、あの子は私のライバルだもん。もし私が逆の立場だったら多分同じ様に邪魔したし」



夏恋は笑いながら当然とばかりに話した。

俺は思っていた以上に彼女は寛大な心の持ち主だったようだ。



「ね、ねぇ……悠?」

「ん?」



急にしおらしくなる夏恋。



「悠って私の事……どう思ってる?」

「友達として好きだよ」

「友達として……か……。私は悠の事、大好き。友達としてじゃなくて男の子として……」

「ありがとう……でもごめん。俺は今、恋愛するつもりないから……」

「……そっか。ははは、駄目か……」



夏恋は無理して笑って誤魔化していた。彼女の頬には一筋の涙がスマホの光に照らされて輝いていた。



「夏恋ちゃん!!」



東屋に置いてきた筈の茅秋が走ってやって来た。

夏恋は茅秋に気付かれないよう涙を拭いて、少し怒った様子で向く。



「茅秋! よくも私を騙したわね……って、ちょっ!? 」



茅秋は走ってきたそのままの勢いで夏恋に抱き付いた。



「ごめんなさい! …ごめんなさい……ごめんなさい……」

「もう……怒れないじゃない……」



自分の肩に顔を埋めて号泣する茅秋に、夏恋はそっと彼女の背中に腕を回してながら呆れたようにため息をついた。

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