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受け継がれゆく命(カルマ)  作者: 蓮實長治
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エピローグ

「君が報告した魂の事だが……」

 私の上司はそう切り出した。

「どう考えても、問題でしょう!!とんでもない回数、同じ3つの人生をグルグル輪廻(まわ)ってるんですよ。我々が介入して別の人生を送らせるべきです!!」

 ここの業務は、ほぼ自律システム任せになっている。とは言え、イレギュラーケースはいつでも起きるので、私達のような存在が監査を行なう必要が有る。

 この「魂」を発見した時は、久し振りに人間としての生を送った頃の感情を思い出した。要はビックリしたと言う事だ。

 そして、私の権限で許される「介入」を行なったが、結局失敗し、上司にこの件を報告し、然るべき対処を行なう許可を願い出た。

「いや、君は、我々の一員になったばかりで、良く知らないようだな……。この魂の問題よりも、新人教育の内容を見直すべきか、慣習だった事を規則として明文化すべきかも知れん……」

「えっ?」

「この魂は、輪廻回数が極端だが、似たような事は良く有るんだよ。イチイチ対処していればキリが無い位に。しかも、対処しようにも有効な対処方法は確立されていない。この手の魂を見付けても、対処せずに保留扱いにするのが、ここの慣習なんだよ。研究部門が適切な対処方法を思い付くまではね」

「どう言う事ですか?詳しい説明を求めてもよろしいでしょうか?」

「人間風の言い方をすれば、この魂は、同じ人生を何度も繰り返した為に、同じような『業』が積り積ってしまった。そのせいで『自由意志』がほぼ消えてるんだよ。我々が介入して、別の人生を送らせても、同じ事をやらかすだろう。3つの人生のどれと同じ事かはともかくとして」

「ちょっと待って下さい。それって、システムそのものの欠陥じゃないんですか?」

「かも知れん。どうする?ダメ元で、もっと上に、システムそのものの改修を願い出てみるかね?」


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