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日陰者の異世界生活  作者: 1011
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日陰者になった日陰者

「………」


目が覚めた感覚がした。随分と気持ち悪い夢?だったな。


「………?」


何処だここ?目を開けると木陰の中で倒れている。周りは鬱蒼とした森の中。洞窟から出てきたのか?


「………?………?」


は?俺の体が暗くて見えない。というか黒い霧?みたいな物に包まれてるのか。真っ黒な霧に包まれた手で体を触っても何も感じ無い。


………これ人外では?ガス生物になったのか?と、自分の手に値するであろうガスを見ていたらそのガスが変形しだした。


『やあ、目を覚ましたようだね。突然だけど君自身の事は『ステータス』と言えば分かるから後で言ってみてくれ。君ぐらいの子達の間で流行ってる形に落とし込んだから。覚え方も君達風にアレンジしてみたから他の人とは違う事が出来るだろうね。あとそこは異世界だけど言葉に関しては安心してくれ。君の能力を使えば問題ない筈だ。後は君の自由に生きてくれ。

PS.魔力は意識すれば血のように流れているのを感じると思う。これも後は君次第だ。』


なんだこれ。親切と不親切の塊か?わざわざ知らないことを教えてくれるのはいいが端的過ぎる。自由というのも聞こえは良いがただの責任の放棄だ。それに分からない単語を使って説明するのならその単語の意味も説明しろよ。しかもどうしてこうなったかの説明はしないのな。これは犯人はかなり悪質な愉快犯だな。


しかしまずは状況を理解しなきゃだな。俺は何故か喋れないので代わりに『ステータス』と念じた。


――――――――――――――――――――――

個体名:『菅井 九夜』

種族:ドッペルゲンガー

魔力量:28369

出力:5

特技:演技、観察、武術、影魔法、影写し

――――――――――――――――――――――


これはあれか。クラスの誰が言ったか忘れたけどゲームのキャラの性能表示とかをイメージしたのか?武術は受けしか学ばなかったんだけど良いのだろうか。


しかし得るものの多い情報だ。自分の正体も知れたし魔力やら魔法やらの言葉も知れた。ドッペルゲンガーって事は誰かになれるんだろう。影写しがそれに値する能力だろうか。魔力は確かに感じ取れる。動かせもする。しかし………魔法は試行錯誤しかないな。


魔力なんて物があるからこれを使うのだろう。影魔法とも言ってるから影も使うと。………多分影を動かしてどうのこうのかな?魔力を影に流せるか?………………時間が少し掛かるけどできるな。お。なんだか影を動かせそう。てか動いた。流しきったかなと思ったら今不自然に影が動いた。………これは調べなきゃな。







大体分かった。他にも知らない事はあるだろうがそこは調べてみるしかないだろう。

分かったことは5つ。影は自由に動かせる事。影を実体化させれる事。但し自分が触れている影、またその影と繋がっていいる他の影の大きさまでしか影響を与えられない事。自分の体も影とカウントされる事。そして影写しは自分ではなく影を変身させることができるらしいという事だ。


影を実体化というのは影を実際の物質の様にできるという事だ。具体的には真っ黒な手にできた。影から黒い手だけが生えているというホラーな光景になった。

影響の限界というのは物理法則を出すのもおかしな話だが質量保存の法則みたいなものだと思えば良い。影を動かしても本来の影より面積を大きくする事は出来ない。実体化した影も表面積と本来の影の面積はイコールのようだ。あと多分質量は無い。

そして驚き。自分の体も影扱いのようだ。というか本来影だけの存在だったのを実体化させて人の身体のようにしてるのかもしれない。

最後に影写し。実験で自分の体を昔の姿にできた後に試したら二人目の自分も作れた。まだ自分の姿にしか変身できないが他にも変身できるようになったら便利そうだ。後身体の一部だけに変身することもできた。影に目玉だけ付いてるホラーもできる。ちゃんと見えるから実用性が素晴らしい。


そして最後に大事な事。光の存在だ。自分が影であることが分かった今、吸血鬼以上に日光、それどころかただの光ですらが弱点になりかねない。ということで接触。


「………ふっ。」


………痛み無し、欠損無し、オールグリーン。まあそっか、影が動かせるってことは本来光が当たるところに影を作ってるんだから光にやられるわけないよな。安心した。



それじゃ、この森の探索を始めるか。

やっぱり人と接触しないとこの主人公の特異性は発揮されないなぁ…適応力が高いぐらいか。

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