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枕の下に 希望の上に(6)

根問い

眼球の裏を吊られている

ミントの歯磨き粉を

踏み潰して

全部

出してしまいたいくらいだ

そして

外に出てしまった歯磨き粉を

足の裏につけて

転んでしまいたい

それが済めば

きっと

何かが外れるのだ




さよなら

聞こえる声の人

星の灯火

さよなら

聞こえる声の話

星の逃亡

盗んで踏んで壊した思惑に

張り付いた蛞蝓

それを弄ぶ野良猫




冷えてしまう部屋に入る

背中から

消えてしまいそうだから

その場にとどまる為に

上書き保存をし続ける

気がついた時には

データは破損していた

故に

僕も壊れていて

口の中に残った物が

何だったのか

わからなかったんだ




さよなら

太陽の声を聞けた耳

変色の時

さよなら

向日葵の歌を忘れた耳

透明な影

掴んで離して埋没した後に

網戸越しの匂い

外側には家守

それを見つめている烏




細かな粒が

やけに多い日には

蜂蜜の入った紅茶を飲んで

ゆっくりと香りの中へ

浸透していく

晴れの日が

やたらと煩い日には

部屋のカーテンを閉めて

ゆっくりと自分の外を

空想していく




さよなら

探究心を忘却した足

新品の真心

さよなら

ベンチの番人を自負した足

悲哀の偽物

求めて縋って追いつけなくとも

言えない言葉が

ゼロになるまで

息を吐き出してやるのだ

何時もの雀

それを見つめる蒲公英

いつからか

家の根元で咲いていた


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