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客側と店側

三波春夫がどういう意味を込めて「お客様は神様」と言ったか一度調べて頂きたい。

「お客様は神様だ」と印籠を振り翳す黄門のようにわめき立てる汚客(・・)には特に。


いちゃもんをつけられた日にはその場からどのようにして逃げ出すかを頭の中で考えてしまう。


どこにでもクレーマーと言うものは存在する。


そもそも、クレーマーとはなんだろうか?

理不尽に怒鳴りつける汚客?

小さなミスも見逃さずに怒るお客?

わざとミスを作りだして怒鳴る汚客?


一体誰がその人をクレーマーだと決めるのだろうか?

世間が?周りの人が?


お金を払っているのだから、何をしても許される。

そういう行動をとるのが汚客だと思う。

こういう人は神様ではない、ただの屑だ。


常連だから、こんなにお金を使っているから。

店側としては初見のお客も常連客も同じお客なのだ。

いつも贔屓にしてもらっているから、とサービスをするのはあくまでも店側の好意であり、それは当たり前の行動ではない。

そして、客側から催促するものでもないのだ。

嫌なら来なければいいだけ、なのだから。


では小さなミスに怒るお客はどうなのだろうか。

「そんな些細なことで目くじら立てて怒らなくてもいいじゃないか」

そう言う人もいるだろう。

けれど、本人にとってそれは些細なことではないかもしれない。

だから怒るのだ。


些細なことで、と言うことは店側に落ち度があったということだ。

それを店側が面倒臭い客だから、とクレーマー認定するのは勘違いも甚だしい。

そして、周りの人間が決めることもおかしいのだ。

本人はいたって真剣なのだろうから。


そう言う人にはしっかりと対応するべきである。

ただ本当にどうでもいいことをねちねちと言い続けるのは頂けない。

店側が誠意ある謝罪をし、それを受け入れずずっと怒り続けているやつがクレーマーなのだ。


以前、働いていた会社の上司に言われたことがある。

「意見を直接言ってくれるお客様は良いお客様なんだよ」と。

直接文句を言われれば、こちらとしても腹が立ってしまう。

幾らあちらに正当性があったとしても、私も人間だ、どうしても感情が入ってしまい冷静に対応できないことだってある。

そんなときに上司に言われた言葉だった。


最初は「何を言っているのだ、こいつは」と鼻で笑っていた言葉だった。


彼はその後にこう続けた。

「お店にとって必要なのは利用するお客様。

意見をもらって改善点が見つかることだってある。

本当に怖いのは、不快な点があったとしても何も言わずに去っていき、二度と来なくなるお客様だよ。」と。



「意見を言ってくれるということは、チャンスをもらっているということだ」


彼が言っていたことを理解するには、自分がどれほど成長すればいいのだろうか。

私はまだ心からお客にチャンスをもらった、と思えることはない。

けれども、その時から彼の言った言葉を理解しようとし始めた。


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