最終章
私が選んだ決断は...
6.最後の世界
問われた選択権は2つ。
ある意味死ぬか生きるかだろう。
記憶を消す、そんなの別に構わない。
別にろくな人生じゃなかった。消えてもあっても同じモノ。
死ぬ、あぁ何とも言えない。
「君を殺す何て事は出来ないだから、記憶を消させてもらう」
「...そう...」
「記憶が消えた世界は...真っ白、空の中」
真っ白。空の中。
だろうね、記憶消えれば何にも覚えてないもんね。
今日の事、昨日の事、全部全部。
記憶が消えれば、夢は見れるの?
「何にもない世界だよ、記憶が消えれば」
「そりゃそうでしょ」
「ただ鮮やかな夢だけは永遠だね」
鮮やかな夢。綺麗な夢。
私の見た事ない...憧れたモノ。
「全部空になるの」
「そう。空のように空っぽになる」
「目覚めた時には世界が違って見えるよ」
彼等の口調は重い。暗い。
私を殺したくもない、記憶も消したくない。
記憶を消したら私は彼等の事も一瞬で忘れ去ってしまうのだろう。
それは悲しい。
でも...。
私は空の世界で夢が見たい。
「タイムリミットは...」
「消して、私の記憶を」
「本当にいいのっ」
「日向...千の記憶を消さなければ千も苦しみ俺達も苦しむだけだ」
「判ってるっ!判ってるけど」
大好きな大好きな日向君。
ずっとずっと大好きでいたい。
それも今日まで。大好きだった日向君。即過去形。
密かに好きだった来夢。
ずっとずっと傍にいたい。
でも今日で終わり。ずっと傍にいたかったよ来夢。
「ありがとう、来夢。日向君。」
「こちらこそ」
「辛いのはお互い様」
判ってるよと顔で示す2人。
さよなら。サヨナラ。
「愛しい人」
目の前は真っ青。そして白い。
空を眺めている。
綺麗な綺麗な空。
「セン」
...。無言。
そっと声のする方を向く。
「...ライム...ヒナタ...?」
「この世界も結構いいね」
「そうだな」
真っ白な世界。空っぽの世界。
ナンニモナイセカイ=マッシロナセカイ=ミンナイナイセカイ=...。
「やっぱりセンの記憶を消す事は出来ない」
「だから」
「世界中、壊しちゃった」
セカイガカラッポニナッタヒ。
ソラモカラトカシタ...。
今まで読んで頂いて有難う御座いました。
最後に付け足しと致しますと、千の記憶は消えずに来夢と日向はその世界に残っている。
=世界自体が消えたと考えて下さい。
付け足しも理解不能で申訳御座いません。
最後までお付き合い本当に有難う御座いました。