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第五十九話



久しぶりです。


あと二週は、このペースでがんばる。




キャラ崩壊あり、かな?





「あん? いつから氣が扱えるか、だぁ? 知らねーよ。ただ、ガキの頃に基礎っぽいのをやってたとこは見てたがな」


「それで、いつの間にか扱えるようになった、と」


「つか、俺は殺気、いや、殺氣か? それしか使えねぇし」


「それだけでも、充分過ぎますよ。それに、全て出来ては、私達の在る意味が……失われてしまいます」


「んなことで捨てねぇって。自信もてよ、山百合。ちゅっ」


「はっ、恥ずかしいですっ」


「いや、まだおでこだけだろ? 本番は、






……これからだぜ?」










Side 山百合


はっ!

あぁ……、陽様が……。

せっかく陽様から寵愛を頂けると思ったところで……。


「……朝、ですね」


部屋に差し込む光で、そう判断します。


あぁ、そういえば。

皆様お早う御座います。

鳳令明こと、山百合です⌒☆


あれ、反応がありませんね。

陽様が、挨拶は必ず☆を出せと仰るので、なにかあると思っていたのですが。

気にしないでいきましょう。


「お早う御座います、ピカチ〇ウ」


ピカ〇ュウとは、私が愛している陽様から頂いた、愛くるしいぬいぐるみです。

なにが愛くるしいかと言えば、……全てに決まっているではありませんか。


可愛いじゃないですか。

これでネズミだというのですから、また堪らないのです。


……はい?

可愛いくない、と?


ぶっ殺しますよ?


まぁ、良いでしょう。

ピ〇チュウの可愛さは、あなた方になど語るに惜しい。

一日中語る自信はありますが、あなた方にはどうせ理解できず、無意味でしょうから。



それにしても、少し懐かしい夢を見ましたね。

もう、一月も昔のことです。

陽様に、氣について聞いた時のこと。

しかし、えっと。

……陽様のご子息は、雄々しくて逞しくて……ぁぅ……っ



とっ、とりあえず、これは凪ちゃんの鍛錬に付き合ってあげているからでしょう。


そう、その鍛錬ですが。

当面の内容は、内氣を操ることです。


使えると扱えるの線引きは、氣を意識して使っているかどうかです。

春蘭ちゃんも雪蓮ちゃんも、皆さん、氣を無意識で使っているのですよね。


まぁ、それは仕方ないと言えます。

二人も皆さんも、氣に通ずる師がいなかったのですからね。

雪蓮ちゃんの師であり母親の王蓮さまは扱えたと思いますが、結構な感覚派だった為、教えられなかったのかと思います。

そして、私と凪ちゃんには師がいた、というだけの話ではあるのですけどね。


内氣を操ることの利点ですが。


まず、氣の無駄な消費量が減らせます。

氣は体力に直結しますから、氣がなくなれば体力もなくなるという訳です。

実際は、心臓や肺などの内臓系も、氣で強化しているという話なんですけどね。

兎も角、そういった部位ごとの強化を、必要な部位に必要な分だけに留め、体力の維持する、というのが氣を操る第一の利点です。


第二に、相手を欺くことが出来ます。

氣、ですが、相手の力を測る、良い目安になります。

相手の氣が多ければ誰にでも感じられるものであり。

強者同士が引き合うのも、無意識で氣を感じているからです。

ですが、それは皆さんが氣を使っている、つまり、隠しもしないからです。

氣を操ることが出来ると、相手は操れると知らない訳ですから、最小限の氣を纏った状態で本気なのだと相手は理解し、弱いと判断されます。

それからは、わかりますよね?


第三に、力の振れ幅が知れ、加減が出来るようになります。

自分の氣を知るということは、力を知ると同義です。

凪ちゃんの場合、放出系ですから、その威力と大きさ等、その辺りの練度も上がるでしょう。


簡単な話、強くなれるということです。

……ただし、完璧に氣を操作できるようになるのが、来たる大規模な戦争に間に合うかどうかは分かりませんけどね。


正直に言うと、凪ちゃんは気に入っています。

とても真面目な良い娘ですからね。

そんな凪ちゃんの強くなりたい、という気持ちに協力してあげたい思いはあります。


……しかし、"楽進ちゃんは敵"、ですからね。


陽様の敵は、私の敵です。

そんな敵に、簡単に強さを手に入れられても困りますので。

戦争に確実に間に合うであろう放出系という一芸を伸ばすことも可能でしたが、止めておきました。


酷いと思いますか?

別に、そう思って悪いと言っているのではありません。

存分に罵っていただいても構いませんよ。

実際に、凪ちゃんの真面目な性格に付け込んでいるのですからね。

だからといって、方針を変えるつもりはありません。

私にとって、陽様が全てであり、絶対なのですから。


ああ、因みに。


……私を罵倒するのは構わないですが、陽様をもし貶すというなら――




「ふふっ」




――ころしますよ?






   ★ ★ ★






「劉備を、攻めるわ」


鶴の一声、とでも言うのでしょうか。

華琳殿が、徐州を本気で穫りに行くようです。

魏の憂いだった、背後の私達を降すことで、華北の全ての州を手に入れた訳ですから、当然と言えば当然ではありますが。


さて、現在の魏の兵力ですが。

私達も含めたことで、六十万になったそうです。

各州ごとに配置する防衛兵を差し引くと、最大動員数は四十万といったところでしょうか。


予想ではありますが、華琳殿はその全軍で押し寄せますね。

私達より少ない兵力しか持たない劉備ちゃん達を相手に、なかなかに酷いことをなさいます。

流石、華琳殿流石。

「ちょっと、山百合? ちゃんと話を聞いているのかしら?」


「……あ、すみません。どうせお留守番だと思い」


「何を言っているの? 全軍なのだから、貴女もいくに決まってるじゃない」


「……なんてこった」


陽様の真似をしてみました。

如何でしょうか?






   ★ ★ ★






「……何故、私まで連れていくのでしょ~?」


「別に良いではないか。なんだ、華琳様直々の指名が不満なのか!?」


「……そう言う話ではないですよ、春蘭ちゃん」


私、一応客将なんですが。

優遇してはいけないのでは?

かと言って、向こうに残すのも……、という話ですね。

たぶん。


「華琳様のことだ、山百合殿の御披露目も兼ねているのだろうな」


「……それは本気ですか、秋蘭ちゃん」


「あぁ、大真面目だ。……しかしその、ちゃんは、なんとかならんのか?」


「……無理です(キリッ」


「そこで決め顔をされても困るのだがな……」


華琳殿も、余計なことを。


ちゃん、をつけてしまうのは癖みたいなものではありますが、譲る気はありません。

特別な方々にだけ、敬称は変えていますから。

……因みに、秋蘭ちゃんも、姉者が良いなら、という理由で真名を交換しています。


「まぁ、えぇやん? 机仕事より、戦う方が性に合っとるやろ?」


「……私は霞ちゃんと違って、戦闘狂ではありませんので」


……霞ちゃんも、強いからえぇよ、みたいな理由で交換してます。

最近の若者は、随分、真名を軽く預けるものです。


「……なんでウチだけ、ちょっと棘があるんや」


「……凪ちゃんを苛めるからです」


「苛めてへん! 愛でとるだけや!」


「……それが余計だと言っているのですよ」


それに、凪ちゃんを苛めるのは私だけで充分です。

くっくっくー。

……なんちゃって、てへぺろ☆

(今、山百合がどんな感じかわからないときは、ペコちゃんを思い出しましょう)




「山百合って、たまーに壊れるな」


「確かに、ごく稀だがな」


「……? 二人して、山百合がなんだ?」


「いや、姉者はそのままでいい。そのままで……」


「あかん、秋蘭も目がイッとるわ」






   ★ ★ ★






「遅い」


凄くイライラしてますね、わかります。

私達がやってきたことを知らせる斥候たちを、殺したりはしていますが、意図的に見逃してもいます。

陽様ならば甘い、と言うことでしょうけど、華琳殿の性ですから仕方ないでしょう。


それはさておき。


かなり徐州を侵略しているのに、本隊の動きが本当に見当たりません。

各城ごとに兵は配置されていますが、大した抵抗もなく降伏しました。


まるで、最初から捨てているように見えます。


あ、成る程。

逃げたのですね。

不利を悟り、退く選択をできるぐらいの柔軟性はありますか。


ただ、退く場所はどうするのでしょうか?

劉備ちゃん達は、各地を転々とするかなりの根無し草のはず。


まず、雪蓮ちゃんとこは、無理でしょうね。

親の敵、劉表を討つこと優先で、巻き込まれるのは御免でしょうから。

劉表もまた、わざわざ受け入れないでしょう。

大した兵力もないので、雪蓮ちゃんに充てるに利用する価値も湧かないはずです。


それより、そうまでして抵抗する理由はなんなのでしょう?

この乱世、言ってしまえば弱肉強食です。

ただし、下剋上もありです。

強い者に従って、食われないように立ち振る舞うも良し。

逆らって、強者を打ち倒すのも良し。

個人的に、従った方が良い結果に繋がると思ってはいます。

……私個人の意見なのでどうでも良いことですが。


ただ、万人が幸せに暮らせる世を作りたい、と謳う彼女達が逃げるという選択をしたのが最良だったのか。

そこは、推して知るべし、と言ったところですか。


幸せなど、人それぞれです。

私は、陽様が側にいらっしゃるだけで、この上なく幸せなのですから。


さて、どうすれば皆が幸せになれるのでしょうね?




   ★ ★ ★




「ここから先は、一歩の通さないのだー!!!」


橋を後ろにして、吼えるおチビちゃん。

確か、張飛ちゃんといいましたっけ?

なかなか、威勢が宜しいことです。

その証拠に、殆どの人が気圧されていますからね。

魏国最強の春蘭ちゃんでさえ、です。

素晴らしい氣の量ですねー。


ただし。


本当に畏怖すべきは、その奥にいるのですけど。


「…………」


ゆっくりと張飛ちゃんの隣に歩み寄り、自身の武器―方天画戟―を肩に担いで、無言で佇む者こそ、最も恐るべき存在。

大陸最強、呂布ちゃんです。


やはり、改めて見ても強い。

化け物じみた氣の量です。

無尽蔵に近いものを感じます。

ですから、余計に惜しく感じますね。

もし、彼女に氣の師がいたら、とんでもないことになっていたでしょうに、と。


今の状態でも、確かに最強ではあります。

他の人々など追随できない、遥かな高みにいるのは間違いようもないです。


……ただ、届かない訳ではないので、引きずりおろすことはまだまだ可能な程度ではあるのですが。


「……一つ、挑戦してみましょうか」


「あっ、待たんか山百合! アレは私の獲物だっ!」


「……春蘭ちゃんは、張飛ちゃんでしょう? 私は呂布ちゃんに行きますので」


「む? そうだったのか。ならば早く言わんか!」


怒られた意味がわかりません。

ほおっておきましょう。



   ★ ★ ★



「ちょっ、待ちぃや山百合! 恋はウチの相手や!」


「……断ります」


「なっ、なんやてーっ! ウチに戦闘狂とか言っとった癖に」


牡丹様と引き分けた相手です。

臣下が動かずして、なんとしましょうか。

今は陽様の臣下ではありますが、譲ることはできません。


「……そんなことも、ありましたね〜」


「サラッと流せると思ったら大間違いやっ!」


「……それより、良いのですか? 一騎打ちは早い者勝ちですよ?」


今、並んで走っていては、負けますよ?

本気であろうとなかろうと。


「そう言う山百合も、余裕あるんかっ!?」


「……ありますよ? 証明しましょうか?」


両脚に思い切り氣を込めて、かつ、右足を踏み出すときに右腕、左足を踏み出すときに左腕を一緒に出して、走ります。

身体を捻らないことで、身体操作における無駄を減らしているのです。

(現代でいう、ナンバ走りです)


「んなっ!?」


「……それでは、失礼。呂布ちゃんは貰います」


さぁ、お相手して頂きますよ?




「……ここは、通さない」


「……通る気は、毛頭ありませんけどねっ」


走った勢いのまま、右の戟を思い切り振り下します。

それを難なく受け止められました。

これだけの勢いで、後退は一歩、ですか。


では、もう一発。


「……ふんっ!」


「…………くっ」


左腕に氣を流し、その手の戟でもう一度唐竹一閃。

何時もなら、防御の上からでも撃ち抜けるのですけどね。

小さな苦しげな声と、もう半歩の後退で受けきられてしまいました。


仕方がありませんので、呂布ちゃんの武器を払うように力を込め、後ろに下がることにしました。


「……これでも、自信はあったのですけどねー」


「お前、強い」


「……そうでしょうか?」


「……ん。ばとーぐらい、強い」


「……っ!? それは、嬉しいですね」


いきなり名前が出てきたことに、ドキリとさせられました。

牡丹様と呂布ちゃんの面識はあっても、私とはないですから、本当に偶然なのでしょう。

それでも、たとえ偶然でも、……とても嬉しい。


「……でも、恋には勝てない」


「……さて、どうでしょうか。負けるつもりは毛頭ありませんよ?」


言った通り、負ける気はありません。

かと言って、勝てるかどうかを問えば、分が悪いですね。

本当に強いですから。


ですが、大局から見ると、私は、いえ、私達の勝ちとなるはずです。

この橋を守るのは、張飛ちゃんと呂布ちゃん、向こうには陳宮ちゃんでしたか?

呂布ちゃんお付きの軍師と、いても数百人程度の兵たち。

そして、……よくもまぁ、圧倒的不利な戦場に出張ってこられますね、天の御遣い君。

……兵たちは大体ですが、陳宮ちゃんも御遣い君も、一度見ましたからね。

氣の質で覚えています。


そういう訳で、張飛ちゃんと呂布ちゃんの陽動さえ出来れば、橋は渡れますからね。

後続も直ぐに撃破出来ますし、御遣い君を捕まえてしまえば、お終いです。

彼のお仲間さん達は、皆、彼に惚れているらしいので。


……無論、陽様の方が、断然魅力的です!!

キレる頭脳、冷たさを感じさせる鋭い目、鍛え上げられた逞しい肉体、私達を直ぐにイかせてしまう神の手、雄々しいおちんっ……ぁぅ……息子様!

完璧ではありませんかっ!!


ふっ、あなた方には到底理解出来ないでしょう。

陽様の……(ry

(長くなるので割愛)




「おーい、山百合ー? アンタいかんのやったらウチ、いくでー?」


「…………はっ!! まっ、待って下さい。やります」


追い付いてきた霞ちゃんに起こされなければ、一刻は、陽様の魅力を語っていました。

……勿論、一刻で語れることなど、導入に過ぎないですよ?


「せやったら、早よしぃや? 後が支えとるんやし」


「……霞ちゃんの出番はありませんよ。私が倒しますので」


「おーおー、言うやないか」


以前なら不可能でしたが、陽様の右腕となった今ならば、負けない自信があります。


……陽様、申し訳ありません。

この山百合、全力を以てやらせて頂きたく存じます。



呂布ちゃんに対して真半身になり、前の左の戟を、石突ギリギリから戟の半分の位置に持ち変えます。

それを地面に対して平行に構え、後ろの右の戟は、自然体に構えます。

力でダメならば、手数、又は、技でいきましょう、ということです。


「……では、参ります」


「……こい」


ジリジリと距離を詰めます。

流石に、二度も突貫はしませんよ。

呂布ちゃんのギリギリの間合を探るのが目的ですので。


どうやら呂布ちゃんも後の先のようで、攻撃してきません。

そういう相手は、探るのは楽ですが、此方から踏み込まないといけないので面倒です。

……相手が陽様だったら、本当に面倒ですが。


仕方がありません。

もう一歩、踏み込みます。

呂布ちゃんの陣地に侵入するように、じっくりと。


「…………」


反応していただけると、どんなに楽なことでしょうか。

未だに武器を肩に担いで、自然体で構える呂布ちゃんを見ると、深くそう思ってしまいます。


もう半歩、左足を前に、呂布ちゃんに近づくように、滑り込ませます。

あと半歩で私の間合っ――!?


「……ふっ!」


「…………っ!? くぅっ!」


まさに一瞬。

刹那の差で、先に攻めて来ました。

それを理解した私は、躊躇うことなく、防御に回ることにしました。

出だしの差は覆せますが、力の差は歴然で、私にとって相討ちは負けですからね。


ですが、ただの振り下ろしで、かつ、受け流しただけで、こんなにも重いとは。

短く持っていなければ、危うく左腕がもがれてしまうところでした。



「……ただし、そう簡単には、いかないですよっ!」


「(なんちゅう突きやっ!)」


「……っ! ……くっ……」


また一歩、左足を踏み込み、防御で流れた左腕を肩と肘で引き戻しつつ、上体を左に捻りながら、右の戟で、相手を貫かんばかりの力と速さで突きます。

元から、左は囮であり捨て石で、右の最速の突きを繰り出すだけのもの。

両腕で、攻防を切り離したもの、ということです。


それでも届かないとは、本当に人間を辞めていませんか?

呂布ちゃんは、振り下ろした自身の武器を両手で持ち、柄の腹で私の戟の先を受け止めてしまいました。

軽く飛び上がって、後ろに衝撃を流せるようにするという余裕付きで、です。


踏み込みに震脚、加えて体重移動、腰の回転運動を上乗せし、逆肘(今回は左肘)を引くことによる突きの伸び、腕の脱力からの氣による瞬間的な強化。

その他諸々の威力の結晶と言えるものが、結構簡単に止められてしまった、ということです。

……避けられたことはあっても、受け止められたことはありませんでした。


悔しいといいますか、なんといいますか。

素直な賞賛、ですかね?


「……本当に、強いですね」


これは、勝てないですよ。

本当に、負けないだけの闘いをするしかないでしょう――




「双方、武器を納めなさい!」




――と、思ったのですが。

どうやら闘わなくて良くなったようです。



「どうしたんやろな、孟ちゃんは」


「……さぁ?」


「…………?」


「…………」


そんな呆れ顔をされても困りますよ、霞ちゃん。

私と呂布ちゃんが二人して首を傾げたことが、そんなに悪いのですか?



   ★ ★ ★



どうやら、華琳殿は、見逃すようです。


……この人は、本当にこの大陸を治める気があるのでしょうか?

陽様は、絶対に甘いと仰るに違いありません。

私欲に走るなら、大義名分を掲げるな、とも。


英雄と雌雄を決したい、という気持ちは、私欲に過ぎません。

であるのに、民を導く立場の者が、民の命を使って、戦おうとのたまっているのですよ?

おかしな話ではありませんか?


でしたら、自分から上に立つ者だということを語るな、というのが、陽様の見解です。


本当に、陽様のお考えは、何時も新鮮で、面白いものばかりです。






   ★ ★ ★






Side 陽


「権力を持つなとは言わねぇ。民に希望を、期待をさせるなとも言わねぇ。だけど、俺達の勝手で、命を消費するな」


他人の命は他人のモンだ。

他のモンは、別に構いはしないさ。

けど、命はてめーだけのモンだ。

誰にも渡せるモンじゃねぇと、俺は考えている。

他人がどう考えているかは知らねぇけどさ。


まぁ、それを無駄に消費するのは、俺には頂けねぇと考えてるってことだ。

勝手はする俺だが、生き死にに関わる命は、大切にしてる。

無論、敵以外だがな。

死ぬ確率の高い間諜に対する保障もちゃんと用意してる。

元馬騰軍もだが、子飼いの兵たちにも、保障金は出す契約はしてるけどさ。


人殺しである俺が言うのもおかしいと思うかも知れねぇ。

命を一番軽んじてると思われる軍人が何を言っていると思うかも知れねぇ。

他人がどうなろうと知ったことじゃねぇと思ってる俺が、何を考えてるのかと笑えるけど。


俺が関わった人間の命ぐらいはさ、簡単に削らせる訳にはいかねぇんだよ。


それが、俺がずっとずっと持っている"欲望"に繋がるからな。



「あーあーあーあー。何をアホなこと言ってんだか」


大事な思いだが、語るには惜しいことだからな。




「さて、走るか」


目指すは蒲公英。

寄り道はたっぷりするが、ゴールは蒲公英の胸の中だ。


なんだか、今から楽しみになってきたぞ!









陽は語る。


「俺の欲望はなに、って? まだ語らねーよ。お楽しみは最後に取っときな」




ほぼ山百合視点という。

そして、徐州攻略を一気に終わらせるという。


展開が早くて申し訳ない。


こうでもしないと、なかなか蒲公英に会えないんだよっ!

私も辛いのっ!



蒲公英成分が足りなくて、作者は困っています。

可愛い蒲公英が見れるSSがあったら教えてはくれまいか!?






二次創作禁止のあれって、原作にするのと、クロスがダメ、って解釈で良いんだろうか。


「さぁ? てか、そうじゃないと、都合が悪いって口振りね」


だって、小ネタとしても使えなくなるのは流石に、ねぇ。


「今回の山百合の、呂布ちゃんに放った無拍子みたいに?」


そうそう。

主にじゅーじゅつと、けんぽーと、からての、いいとこドリップした某史上最強……ってこらっ!

なに言わせるんだ!


「キレんなうぜぇ」


ちょ、酷いっ!


まぁ、拳法は兎も角、空手も柔術もこの時代にはないので、厳密には無拍子じゃないです。

しかも、武器持ってるし。


「言い訳ばっかしやがって。殺して解して並べて揃えて晒してやろうか?」


ちょ、やめて!

わかんないんだから、ネタに走らないで!


「軟弱者!」


古いわ!

最初のガン〇ムネタとか古いわ!

てか、ネタに触れんなよぉっ!





おしまい☆




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