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竜に変身できる種族に転生したと思ったら、ちょっと違うみたいです。  作者: 秧摩 真羽


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【番外編】祭りのあとは 6

「そんなにがっかりするな。

 しかし、嬉しいものだな。

 私に似たいと言われるなんて……娘も昔はよく言っていたな。

 そうだ。

 小さなセシルには難しい話かもしれんが、人間には先祖返りと言って、急に何代も前の人に似た子が生まれる場合もあるらしいぞ。

 ちょっと年数がたっておるし、私も孫ぐらいまでの世代までしか人間に関わっていないからその後は分からぬが、セシルはフルブライトという南国の真珠の精の血も引く男を父親に持っているのだろう?

 人間の血が若干薄まっているだろうから、少しは似るかもしれん。

 魔力も強そうだし、魂が不思議な形をしておるからな」


「魂が不思議な形?

 へんてこりん」


 え?

 まさかそれは「冥界の門番」というあだ名をつけられたネティ様の能力ですか?


 前世で言うオーラの形とか守護霊様とか背後霊とか見えちゃって「オーラの〇」とか「後ろの〇太郎」とか「あなたの知らない○○」」とか……。

 再放送されていたテレビや近所のお姉さんが持っていて貸してもらった漫画の記憶がよみがえる。


 もしかしたら、ネティ様は私が前世の記憶を持っているおかしな子だと気付いてる?


「ああ、しまった。言葉を選び間違えたな。

 セシルがへんてこりんとか、異常とかそういう訳ではない。

 そうさなあ。

 うむ。子供にはなんと説明してよいのやら。

 その……普通の魂は光の塊みたいなモノなんだ。

 だが、セシルの魂は、光が二重にかかっているように見える。

 たまにおるのだ。

 そういう者は、だいたい予想外に寿命が長かったり、魔力が強かったりと想定外の生き方をする。

 ただ、残念ながらずば抜けて美しくなるとは聞いたことはない」


「……しょうでしゅか。しょれは残念でしゅ」


 なんだ。少しそういう絶世美女になれます系を期待したのに。

 力は絶大、寿命はよくわからないくらい長寿、しかも大抵が美男美女という超ハイスペック竜王族の頂上付近の血統を持つ家族の中で、私だけポツンと超弱っちい人間ポジション。

 それでも竜王族の皇帝陛下すら一目置くロジオン様やネティ様の、例え薄ーくなってしまったとはいえその血を引いているなら少しくらい何かあってもよさそうなのに。


「ネティしゃまと同じ髪の色だから、ネティしゃまみたいな美人になれるかと思いましゅた。

 おとーしゃまもおにーしゃまもカッコいいから、美人になりたいでしゅ」


「ハハハッ。

 そうか。そうだなあ。

 私もセシルに似てくれれば嬉しいが、ずっとこの可愛らしいままでもいい気がするなあ。

 セシル、……その誰に似るかということを悩んでおったのか?」


「ふえ?」


 じっと瞳を覗き込んできた睫毛ばっさばさの美女ネティ様の瞳に心配の色が見えた。


「祭りのあとから元気がないと聞いたが、体には何も問題はなさそうに見えたからな。

 ……それとも王宮で何かあったのか?

 あの皇帝とあの皇太子に大事にされておるのが気に食わぬと、頭の悪い誰かにおかしなことでも吹き込まれたか?

 多くの者が集まる場所は嫌な者もおるからな。

 私も昔、結婚して娘が生まれた時に、懇意にしておった魔族の者の城に行ったらな「夫は寿命も短く魔力も少ない人間で、娘も人間だとは嘆かわしい」とその友人の城の使用人が囁いておったのを聞いてな。しかも二人はそれが耳に入っていても何も言わず笑うばかりで。

 その顔を見て、ああ、夫も娘も前から言われたことがあったのだと痛感させられた。

 私は元々森の生活が好きというのもあるが、その一件があってから、あまり多くの者が集まる場所にはいかぬようになり、夫が死に、娘も嫁に行き、死に別れたが……」


 なるほど。ネティ様は私が祭りのあとから元気がないと聞いて、王宮で何かあったのかもしれないと思ったのか。

 それは王宮の方々にも容疑がかかっては申し訳ない。

 それに、ネティ様なら私とは逆で、先に人間の寿命の旦那さんと娘さんを亡くしている。

 ……この解決できない淋しさを話してもいいだろうか。


「違いましゅよ。王宮では誰もわりゅくないでしゅ。

 ただ……」


「ただ?」


「ネティしゃま、ネティしゃまの旦那しゃんもむしゅめしゃんも先に死にましゅたよね?

 私も……先に死んじゃいましゅ。

 しょれが、しょれが……、しゃみしいでしゅよー。

 おとーしゃまもおにーしゃまもみんな残して、私、わた……」


 ただ冷静にこの思いを説明しようと思ったのに、激しい感情がブワッと襲ってきて、体が子供だからなのか、感情に負けて涙線が決壊してしまった。


読んでいただいてありがとうございます。

評価やブックマーク、お気に入り登録大変ありがとうございます!

本当に感謝しています。

誤字脱字がありましたら、報告いただけると助かります。


また、同じ世界観の作品を連載をしていますので、そちらも応援していただけると嬉しいです。

「規格外の魔力を持つご令嬢は、恋など楽しんでいる暇がありません。」

https://ncode.syosetu.com/n7480hj/


どうぞ宜しくお願いします。

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