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竜に変身できる種族に転生したと思ったら、ちょっと違うみたいです。  作者: 秧摩 真羽


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エピローグー明るい未来ー

「台風一過でしゅか。

 あっという間でした」


 いやはや。まさかネティ様が現れるとは。


「お犬さんじゃなかったでしゅよ?」


「なんだ? 兄上から何か聞いていたのか?」


「はい。あの毛の長い黒い犬って」


「あー、それは絶対ネティ様には言ってはいけないよ?

 私は実際見たことはないが、竜王族が基本竜に変身するように、ロジオン様達も変身する基本の姿がある。ロジオン様は黒い翼の黒獅子でネティ様は毛の長い美しい黒猫なのだそうだ。

 母上に、上皇后陛下に聞いたことだが、兄上が幼少時、竜に変身できるようになったころの話だ。

 王宮に来たロジオン様とネティ様にお二方は変身できるかと尋ね、変身できるとお答えになったんだ。

 そしたら兄上はそれは何だ、見たいと駄々をこねられて、ロジオン様は翼のある黒獅子、ネティ様は毛の長い大きな黒い猫になられた。

 そして、その姿のお二方に遊んでいただいたみたいなのだが、兄上を忠実に守ろうとするネティ様の姿がまるで忠犬のように思われたのか、彼女に向かって「優秀な番犬」だと仰って、……父上達も平身低頭に謝ったたらしい。


 ネティ様は子供の勘違いだとお怒りにはならなかったが、それ以降ずっとネティ様が犬だと兄は言っていたものだから、ロジオン様やネティ様の他の姿を見たことがない者は、その話を聞いて兄のロジオン様も犬か狼に変身なさるのがお得意なのだろうと思い込んで、いつの間にかロジオン様には「冥界の門番」という二つ名が流れるようになったそうなんだ」


 おーっとお。


 さすが皇帝陛下。なんと冥界の門番の二つ名の原因は自分じゃないですか!


 しかし、おネコ様を犬って……。


 どんな姿なのか見てみたいです。

 モフモフ、ワッフワフなのかしら。


 あ、ロジオン様の翼ある黒獅子ってのも見てみたい。ヴェネチアの有翼の獅子みたいな姿でしょうか?


 しかし、魔族の王様に対してもその妹様に対しても、竜王族の皇帝一族だからって陛下、皇太子時代から怖いものなしですかね。

 その心臓の強さにびっくりしますよ。


 同じようにお父様の話を聞きいていたシリン様も表情が固まっている。


 わかるよ、そんな顔になっちゃうよね。


「ロジオン様は私の幼少時に一度いらっしゃったが、ネティ様は兄の幼少期以降は今日までいらっしゃったことがないはずだ」


「じゃあ、今日はしゅごく久しぶりでしゅか?」


「そうだね。

 セシルにそれだけ会いたかったんだろう」


 いやいやいや、それは嬉しいですけど、ロジオン様に話を聞いたからって、いきなり王宮に来ちゃうってすごくないですか?


 しかもロジオン様の妹だから王宮の中に簡単に入れちゃうってのもどうかと思いますが。


「どうしていきなりおとーしゃまの部屋に来たんでしょう」


「さあ。それは分からないな」


 お絵かきしていた場所に私を下ろしたお父様は私の頭をなぜながら少し悲しそうに笑った。


「もしかしたら、お父様がネティ様の目で見て不合格だったなら、セシルを引き取ろうかと思っていらっしゃったのかもしれない」


「えー? 

 おとーしゃまは合格でしゅよ。

 ネティしゃまとお名前を聞くまでは、てっきりロジオンしゃまが、おとーしゃまの再婚相手の候補の騒ぎを落ち着かせるために、誰にも文句を言わせないきれいな人を連れて来たのかと思いました」


 愕然とするお父様に、横で蹲って笑うシリン様。


 いえ、そんな悲しそうな顔をしないでください。

 ちょっとそう思っただけですよ。


 だって、私が王宮に来てからは、噂で聞いていた女性陣の襲来がなかったから、もしかして?と思っただけです。


「ふっ、ククッ、その想像力、面白すぎ。

 あのね、セシル嬢、エーミールはね、君が熱を出した日に、お見舞いと称して押しかけた女性たちに向かって、喪が明けても再婚の意思はないし、職場や住まい、子供の許へ押しかけてくるような者とは一切その一族郎党とも関わりたくないって宣言したら、皆霧散したよ。

 陛下の弟でもある今の北の大公殿を怒らせたら、皆何かと不都合なんだろうね」


 ああ、だから私はその女性襲撃の現場に会わずにすんでいたわけですね。


「なるほど、おとーしゃまも、言うときは言いましゅね。

 見直しました」


「そうだろう?

 だから、お祭りは連れて行くから安心していい。

 さあ、今日お仕事が終わったら、ルカと一緒にヴァルハランドに帰って、明日のバーベキューの計画を立てよう。

 バーベキュー、やりたかったんだろう?」


「はいっ、おとーしゃま!」


 最後に残っていたお父様の再婚相手問題もいつのまにやら円満解決していたし、お祭りも無事行けそうだ。


 ウキウキ気分で再び色鉛筆を握りしめ、白い紙を取り出した。

 

 さあ、これから私は明るく楽しい未来を描くのだ。


 

 ― 完 ―


読んでいただいてありがとうございます。

これにて完結です。

この作品を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

久しぶりに連載作品を書きましたが、読者の皆様の応援のおかげで完結できたと思います。

本当に感謝しています。ありがとうございました。

気に入っていただけましたら、評価、ブックマーク、応援よろしくお願いします。

また、お恥ずかしながら、誤字脱字ありましたら、報告よろしくお願いいたします。


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