ネティ様
数秒間で頭の中で妄想が大暴走だ。
「おやおや、目をぱちくりさせて、可愛らしいなあ。
セシルか。
サラの……子孫か。
私はロジオンの妹、ネティだ。
普段はノーザンバランドにあるルドンの街に近い山の奥にいる」
ん?
ロジオン様の妹?
お父様の再婚相手候補は私の早とちり!
おお、恥ずかしい。早とちりしたことは内緒にせねば。
「ネティしゃま?」
それは、もしかして、もしかして、もしかして陛下に黒い毛の長い犬とか陛下に言われていたネティ様ですか?
「そう、ネティだ。
ロジオンの言う通り、可愛い。本当に可愛いぞ」
ナイスバディな黒髪黒目の方がにっこり微笑んで私に目線を合わせようとしゃがみ込み両手を伸ばして抱えられるまで数秒。
「来てよかっただろう?」
「ああ、ロジオン。
本当に良かった」
再度私の両脇に手を差し込み抱っこして立ち上がったネティ様。
うわあ、ネティ様。
ほんのり微かにくちなしの花のようないい香りがする。
「今日はロジオンからルドンの街の、私の娘サラの子孫がルードリア帝国の北の大公殿の娘として生活していると聞いてやってきたのだ。
北の大公殿、この子を助けてくれて、育ててくれて、本当に感謝する」
ネティ様は器用に私のほっぺや二の腕をぷにぷに触りながらお父様に礼を述べた。
いやん、ぷにぷに触られるとくすぐったいです。
しかもそこにお父様の指まで加わってきました。
「エーミールとお呼びください。
それに、礼には及びません。
私や息子のルカもセシルのおかげで毎日楽しく過ごせておりますから」
「そうか。ロジオンからかいつまんで話を聞いていたが、仲がよさそうで安心した。
さて、セシルの顔を見たから、あとはミカエルに挨拶をして家に戻るとしよう。
セシル、エーミール、もしこれから何か困ったことがあったら、私を訪ねると良い。
歓迎しよう」
「もう帰りましゅか?」
「ああ。
今日は一度セシルの顔を見に行こうと慌ててきたから、家がぐちゃぐちゃなのだ」
「そーでしゅか。
じゃあネティしゃまもあしょびにきてください」
ねえ、おとーしゃま」
「ええ、ぜひ、ヴァルハランドの城へもお越しください。
今ここには息子のルカはおりませんが、次回はぜひ紹介したいと思います」
「そうか、そう言われると嬉しいものだな。
その時は先ぶれを出して伺おう。
今回はその、突然すぎて申し訳なかった。
さて、ロジオン、ミカエルのところに案内してくれ。
セシル、じゃあ、また会おう」
ネティ様はお父様に私を手渡すと、横で大人しくしていたシリン様に向かって「邪魔したな」と言って、ロジオン様と一緒に颯爽と去っていった。
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次話で完結です。
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