釈明
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いきなり張り詰めた雰囲気に居心地悪そうなロジオン様が、腕を組み、お兄様はキッとレオン様とフルブライト様を交互に睨み、お父様はシリン様と目で何やら会話している。
「何なら僕が見た昨日の記憶の映像を見せましょうか?」
「なっ、シリン、確かにお前が昨晩聞いた話はそうかもしれないが、お前は誤解している」
「レオン様。
ここは私がシリン様の誤解をお解きします。
シリン様、どこから聞かれたか存じませぬが、確かにレオン様がおっしゃられた通り、私とレオン様は孫であるセシルを連れて帰りたいと、ルドンの街は無くなっても、人間としては長く続いていたルディアーノ家を継がせてやれたらと話していました。
ですが、それは、黒の大公殿の現状を見て、レオン様と二人である可能性の話をしていただけでございます」
「私の現状?
それがどうしてルカとセシルを引き取ることに繋がるか理解に苦しむ」
「畏れながら、私がルードリア帝国にまいりましてから、城内で黒の大公殿は間もなく亡きクローディア様の喪が明けるから、再婚のお話も出てくるのではないかとのうわさでもちきりでした。
三百年記念祭を控えているのに、帝都で他国の子供の誘拐殺人事件が起きたという殺伐とした空気の中、一方で久々に連日登城なさる黒の大公殿に色めきだったご婦人方という、黒の大公殿の周囲は異様な空気でしたな。
しかも身分の高いご令嬢方が再婚相手にと、会議だろうがどこでも押し寄せていらっしゃる。しかも先日はルカ様の学びの場にまで及んだと伺いました。
まして、昨日レオン殿たちが持って帰ってこられた映像を拝見した者も多く、今までは公に秘されていたセシルが黒の大公殿の実の子ではないということをセシル本人が知ったということも、今後どんどん王宮内でも外でも知れ渡るでしょう。
そこでもし、セシルがルードリア帝国に居辛いようだったら、例えば黒の大公殿が再婚なさったとしましょう。
その方が例えば、身内の恥でございますが、我が家の嫁のように自分の子ではない子を疎む場合もございます。
そうなった場合は、私はもう長男にフルブライト家の家督は譲っておりますし、クローデン王国に連れてきて次男が婿入りしたルディアーノ家の跡を継がせるという手もございます。
またレオン様はまだ独身でございますが、甥のルカ様をお引き取りになれば、今まで黒の大公殿に気を使って王宮でしかルカ様に会うことはかないませんでしたが、引き取ったら毎日一緒に過ごせますし、南の大公の跡も継いでいただけますね、というお話をしていたのでございます」
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