当時のおじい様
「それは、お恥ずかしながら、確かにシリン様がおっしゃる通りでございます。
三年前の我が国はナーガ教によっていかに混乱を極めていたとはいえ、聖人、いや、吸血鬼ウラジミールの襲撃から、今は亡き大公妃様をはじめルードリア帝国の方々に守っていただいたのに、当時のルードリア帝国のルドンの領主の生き残った子供の保護に関して、使者の方の問い合わせに対しすぐにお返事もせず、本当に申し訳ありませんでした。
ですが、私の次男ロベルト・ルディアーノも妻のエレンと同様、そのルドンの街の襲撃時に他界し、私もその時の襲撃で深手を負い、意識が戻ったのが去年でございました。
当時本来ならクローデン王国の王都にいた長男が生き残ったセシルを引き取らねばならぬのを、私が意識不明だったからなのか、すでに私の妻は他界していなかったからか、長男は自分の嫁にセシル様を引き取ることを反対されたことを理由に、当時クローデン王国からきた問い合わせに関し、私ヨハンが意識不明の状態が続き、次男夫婦の子は引き取る余裕はなく、ルドンの領主ルディアーノ家の血縁の者かもしくはルードリアで保護していただいた方に育てていただきたいと奏上したのでございます。
ルドンの領主ルディアーノ家に代々伝わる赤竜クローディア様の竜鱗も、クローディア様とお嬢様のルシア様が聖人の襲撃でお亡くなりになったので、お詫びの印も兼ねて夫である黒の大公様に返却するという言葉も添えて。
そんなことがございましたから、私が意識を取り戻したからと言って、今更祖父だと名乗ることは難しいだろうと思いながら、一目会いたいと何度か黒の大公殿に書状を送っておりました。
意識が戻ってからは、宰相職を辞し療養を努めながら、もともと宰相職の傍らでやっておりましたナーガ教で親を失った孤児の教育活動をしておりました。
ですが、この度、また聖人の使った魔法陣を使った誘拐殺人事件が起きたと聞き、クローデン王国の国王陛下にルードリア帝国の皇帝陛下に孫との面会をお願いしたい旨の親書をしたためていただき、ルードリア帝国から聖人の魔法陣の調査協力を依頼されたエデンとともにルードリア帝国を訪れ、訪問中に一目だけでも孫に会えないかと亡き母に縁のあるレオン様を頼った次第であります」
フルブライト様の話はとても悲しいものだった。実の父親が他界しているのは何となく予想していたものの、はっきり聞くとやはり心が沈んでしまう。
そしてフルブライト様もナーガ教の襲撃でそんなに長い間意識不明だったとは。
ウラジミール、昨日、ニンニクであっさりやっつけてはいけなかったかもしれない。
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