思い出すと恥ずかしい!
「そうだ。まあ俺が転移した後、棺を運んだミカエル達や後を追ってきた子守役はいいとして、レオンとシリンはどうしたか知らんがな」
「俺達はそのあと、陛下がマーサ殿の記憶を魔術で抜き取って俺たちに渡してくださったので、それを受け取りました。
受け取る際に、王宮に戻って朝の会議室にいた連中と見るように仰いましたので、その言葉に従いました。
あと、陛下から要請がない限りロジオン様達が向かった場所には誰も向かわないようにとも言われましたから、その言いつけも守るためにまずは朝抜けた王宮の会議室に戻って、「朝から陛下とどこに行っていたんだ」とわめく連中たちを鎮めて、映像を見たんですけど、俺も皆も固まってしまいましたよ。
もうほとんど忘れかけていた「同族殺しのウラジミール」と言われていた吸血鬼が、まさかノーザンバランドで大量虐殺をしていたナーガ教の聖人の正体だったとか、この前発見された他国の子供たちの誘拐殺人事件の真犯人もウラジミールだったとか。
そんな驚愕な事実に付け加えて、黒の大公エーミールと親子じゃない事実を知ってショックを受けながらもマーサ殿を逃がそうとするセシル嬢のドラマだろ?
あの顔を見たら、もう皆「こんな幼い子に死ぬ覚悟をさせて」と、俺を含めていい大人が大号泣でしたよ。
しかもそこでマーサ殿の記憶の映像は終わるし」
え?
ちょっと待って。
昨日のあのウラジミールの自分に酔い酔い酔っ払い独白はいいとして、そのあとの私とマーサとの「マーサ、今のうちにおとーしゃまを転移魔法でちゅれてきてっ」とか「でも」とか「いいから早くっ」とかいうやつの記憶の映像も見られちゃったの?
それはちょっと、冷静になった今振り返ると、必死だったとはいえあれは自分でも恥ずかしすぎていたたまれないんですけど!
うきゃあ、恥ずかしい。
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