取り調べ?
それからすぐに部屋にルードリア帝国の騎士団長さんとは思えない優美な雰囲気で白い髪に赤い瞳の女性みたいな顔立ちの男性シリン様、クローデン王国の魔導会会員で聖人の魔法陣を研究してきた黒髪黒目の眼鏡をかけた小柄な女性エデン様、クローデン王国の前宰相という白いものが混じった青みのある銀髪に青い瞳の年配の男性フルブライト様、そして赤銅色の髪に琥珀色に金が散りばめられた瞳で一番体躯が大きく、威圧感がある赤の大公だという竜王族のレオン様が現れた。
レオン様はお兄様の伯父にあたるけれど、身内としてのあいさつはなく、早速南の大公レオン様の恭しい挨拶から始まった。
挨拶の後、淡々と作業が進み、私はお父様達と同じように細い針のようなもので指先を刺され、ぷくっと盛り上がって出た血をスライドガラスのような細いガラス板の上に乗せ、そのほんの少しの血の上にカバーガラスが置かれると、プレパラートのような物体を作られた。
記憶を魔導会のエデン様の特殊な魔法で、血の記憶を抜き出し、本人の確認の許、今回の子供たちの誘拐殺人事件捜査の情報として事件の調査室に持っていかれるらしい。
実際、血を抜かれた後、魔導会のエデンさんが記憶の映像を不思議な魔法を使ってものすごい速さ映像で見せてくれて、私はただただ「はい」としか頷くしかできなかった。
そしてお父様、お兄様、ロジオン様、私の分のプレパラートを持ったエデンさんが、事件の調査室へ向かった。
ただ採血みたいなことされるだけなら、お偉いさんはそんなにいらないんじゃないの?
「血を持っていくだけなのに、こんなに人がいりましゅか?」
今まで雑談もなく静かな空間だったので、気を使って小さな声でお父様に質問した声はどうやら皆に聞こえていたようで、周りの大人たちから笑いが漏れた。
「セシル、これはね、血の記憶を抜くとき、血の持ち主の記憶で事件と関係ないものまで持って行かないようにというお互いの確認と、魔法で記憶を都合よく書き換えないようにするために複数の立ち合いがいるんだ。
だから、セシルの場合は、昨日グレイとマーサが異常を察知したところからウラジミールが退治されるまでの内容が抜き取られただろう?」
「はい。わかりました。
でも、おとーしゃま。
血の記憶は再生されたらその持ち主の気持ちも分かっちゃいましゅか?」
「いや、見た光景と音声だけだよ」
「良かったでしゅ。
マーサと逃げるとき、風が強くて内臓出ちゃうとか、変なこといっぱい思ってました……」
お父様の説明にほっと一安心と納得したけど、何か周りで変な音がしたので見回したら、大人たち数名が蹲ったり顔を背けて肩を震わせていた。
今、笑うところありました?
心の中まで知られちゃ困っちゃうよ?
その中でいち早く復活した人が声をかけてきた。
「いやはや、昨日は死にそうな目にあったというのに、なかなか面白くて肝が据わったお嬢さんだね。
昨日の今日だから、今日はもしかしたら体調を崩してしまっているかなとか心配していたんだよ。
カイル殿下が宣言しなかったら、将来僕がセシル嬢をお嫁さんに欲しかったな」
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