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竜に変身できる種族に転生したと思ったら、ちょっと違うみたいです。  作者: 秧摩 真羽


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まさかの結末

 それから一分も経っていないと思う。


「戻ったぞ。試すには四箱ありゃいいだろう」


 鼻歌謳いだしそうなほど陽気な顔でニンニクが山のように入った木箱を両脇に抱えた陛下と、どこか疲れた顔のベルトランが戻ってきた。


「厨房でバスケットにアフタヌーンティーに出す予定だった余りのサンドイッチやベーグルを詰めてきてもらうよう頼んだ。

 マーサ、ベルトラン、すまないがどちらか後で取にいってやってくれ。

もちろんお前たちも一緒に食べるといい。

 これから私は上空でこれらを切り刻んでくるから、後は頼んだぞ。

 ベルトラン、念のためこの槍はお前が持て」


 トネリコの槍をベルトランに持つように促し、「さてと、行きますかあ」と呟いて、全く皇帝という肩書を感じさせない軽さで陛下が上空へ飛んで行った。


 そして、上空へ向かう陛下を見送った。


 そして、上空にいたロジオン様とお父様に合流した陛下は、二箱中一箱をお父様に渡し、青い炎の蔦が温度の低い赤い炎に変わった途端、持っていたニンニクを試しにとひと箱と丸ごと投げ入れる態勢をとった。


「え?」


「父上、まさか一気に一箱ぶっかける気丸ごと??」


 皆が口をあんぐりと開けて見守る中、豪快に一箱投入された。


 温度が低い赤い炎になった炎のツタ上に投入されたニンニクが、風魔法でスライスされ、炎の上に落ちて燃え上っていった。


 上空の三人は臭いが強烈なのか、鼻をつまんで距離をとっている。


 たしかに風に乗ってこちらにもほのかに香ってくるような気がします。


 確かに足元にはベルトランが持ってきた箱が二つ残っていますが、豪快すぎませんか?


「ああ、やはり効果はあるみたいですね。ロジオン様達の炎の威力が弱まったのに、相手の魔力が落ちています」


 あまりの豪快さに皆が唖然と見守る中、ベルトランが言ったように黒い闇の塊がアメーバ型に激しく形が動いた後、一回り小さくなった。


「この二箱、持っていくぞ」


 上空からものすごい勢いで降りてきた陛下は「ニンニク、すごい効果だ」と一言残し、いい笑顔で上空へ戻っていった。


「伯父上、すごく楽しそう」


「ああ。父上が悪役に見えそうな笑顔だな」


 皆がただぼんやりと上空を見上げ様子をうかがう。


「あ、父上達がニンニクを風魔法で刻みだした」


 三人そろって空中で停止させたニンニクを風で刻み、細かくなったニンニクを黒い部分にぶつけていた。しかも当たったところから面白いようにどんどん黒い霧が縮んでいく。


「本当にニンニクで退治できそうですね」


 そして本当に数十秒後、炎の蔦の中の黒い霧が消え、中には蔦に絡めとられているウラジミールが何やら叫び声をあげて上空でのたうち回っていた。


「本当にニンニク、すごい効果だ。

 可愛いセシルの発見のおかげだね。お手柄だよ」


「カイルしゃま、ありがちょ」


「セシルが気づかなかったら、まださっきと同じ光景が続いていたと思うよ。

 これで戦況が変わるかな」


「そうだね。

 あ、ロジオン様が口の中にニンニク突っ込んだ」


 お兄様が上空を指さすと、確かに口をロジオン様の手で抑えられながらのたうち回っているウラジミールが見えた。


 皆がその光景を目にし、唖然として見守っている中、ロジオン様が手を離した瞬間「うぎゃあーっ」と上空のウラジミールから断末魔のような叫び声がして、彼の体が一瞬光った後、砂が崩れ落ちるかの如くボロボロと崩れ去った。


「え?」


「は?」


「ほえ?」


 下で見ていた大人も子供も口をあんぐりと開けて、予想外の光景をただ呆然として見ていた。


読んでいただいてありがとうございます。

評価やブックマーク、大変ありがとうございます!

本当に感謝しております。

気に入っていただけましたら、評価・ブックマーク・応援等よろしくお願いします!

また、お恥ずかしながら、誤字脱字がありましたら、報告よろしくお願いいたします。

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