魔王様
「確かに皇帝陛下と、魔族を統べるロジオン様は大変お強いです」
「え? ロジオン様は魔族をしゅべる……魔王しゃまでしゅか!
しゅごい!」
たしかに強いと思っていたけど、まさかそんなすごい方が助けに来てくれたとは思わなかった。
確かこの前読んだ本では、魔王様はこのルードレーン大陸の創世神話に出てくる冥界の神様の子孫で、海の向こうの大陸に住む魔族たちすらひれ伏す強大な力の持ち主だと書いてあった。
しかし……。
「やめろ!
そんな恥ずかしい呼び名ではない」
どうやら草むらの中にいる私たちの会話は聞こえていたようで訂正が入った。
「そうそう、もっと恥ずかしい二つ名があるもんな。
冥界の神だったか?」
「違うっ、門番だ」
「どっちにしても恥ずかしい」
「やかましいわっ、お前ちゃんと檻の中を見てろ」
冥界の門番ってまさか前世ではファンタジー小説でも有名なケルベロスですが、まさかロジオン様はワンちゃん(ケルベロス)に変身しちゃうの?
「その二つ名の由来の、あの毛の長い黒い犬、元気なのか?」
あ、どうやら変身は違うらしい。
「お前な、犬なんて言ったらネティにしばかれるぞ」
ネティ?
ああ、そのネティという名のワンちゃんが門番なの?
それはロジオン様の飼い犬ですか?
会話だけではよくわかりませんが、まるで長年のコンビのようなノリ突っ込み。
「陛下とロジオンしゃまは仲良しでしゅか?」
「そのようですねえ。
あ、鎖が動き出しましたね」
「くしゃりの上に文字みたいな模様が浮かび上がってましゅ。綺麗に光ってましゅね。
あれは何でしゅか?」
「これは鎖にこの棺の中のウラジミールが改心するまで動かず出てこないように縛っていた魔法の呪文だ。
改心しなかったから結局温情は無意味だったがな。
お嬢ちゃん、そこで大人しく見ているんだぞ」
どうやらこちらの会話は今回も丸聞こえのようで、私の疑問にロジオン様が答えてくれた。
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