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竜に変身できる種族に転生したと思ったら、ちょっと違うみたいです。  作者: 秧摩 真羽


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育児放棄とは言わせない

「おとーしゃま、今日も王宮に行きましゅか?」


 朝食後、お父様より一足早く転移魔法で王宮に向かうお兄様をお見送りしたら次はお父様のお見送りですが、今日で一週間。


 ちょっと嫌みが出てしまいました。


「ああ、ごめんね。

 誘拐殺人事件で国際問題が起きかけているのに、国際問題よりも国内の人間を排除すべきだという輩が面倒くさくてね。

 クローディアが殺された三年前もそうだったが、今回の件でまた言い出した。

 王宮にも街にも三百年祭を見るためにこの国にやってきている人間族の国の来客も、事件解決のために訪れてくれている人間もいるのにお構いなしで、帝都の街でも「人間は去れ」とか大声でわめいたり、圧倒的に力が弱い人間に暴力を働いて、重傷を負わせる者も出るし」


「えー?

 それは酷いでしゅ。そんなこと大人として恥ずかしいでしゅよ。

 犯人があやちゅられていたこと皆知らないでしゅか?」


「人間が気に食わないという奴は、今回の事件は、犯人が操られていた結果犯した罪だと言っても関係なしだ。

 けれど人間擁護派のほうも勝手に排除派のところに乗り込んで喧嘩を起こすし」


「大変でしゅね」


「国の恥をさらしているようなものだな。

 竜王族は他種族に寛容な部類だと謳ってきて、内情はこれだ。

 各国の来客も観光客も増えてきているのに困ったものだ。

 一部の人間はすでに帝都から他の街へ移る準備を始めているとも聞いた。

 その中には重要な技術を持つ者もいるから引き止めに困っている」


「余計なお仕事増えてましゅね」


 前世人間としてはとても心が痛い話題である。


「そうだな。

 でも、夕飯までには戻るからな、いい子でお留守番していて」


 あれから一週間、お父様は王宮に通っていて、私は一人お留守番だ。


 もちろん楽しみにしていた植物園も行けなかった。


 別にお留守番はいい。


「育児放棄しないならいい子にしてましゅ」


「育児放棄しないっ!

 今夜も夕飯は私が作るし。

 っていうか、誰だ、そんな言葉を教えたのは!

 またグレイか?」


「違うっ!

 なんでいつも俺なんだ?」


 最近お父様の秘書から子守役に転じたグレイが速攻否定するが、育児放棄は確か昨日ぽろっと言っていた気がする。


 ついにやりと笑みがこぼれた。


「マーサ、これが今日のセシルのお昼のお弁当だよ」


 お父様が差し出したランチボックスを「かしこまりました」と受け取ったマーサ。


 もちろんお父様は仕上がった料理が傷まないように、状態保持と劣化を防ぐ魔法をかけているので、食べるときは出来立て状態だ。


 毎日毎日私の分のお弁当、お疲れ様です。ありがとうございます。


「おとーしゃま、別におうちの料理長のちゅくったもの食べても大丈夫よ?」


 食事はおいしく食べさせたいというお父様の気持ちはありがたいけれど、王宮に行って帰って忙しいのだから、少し手抜きしてもいいと思うの。


「いいんだ、これはお父様の趣味だから。

 だから育児放棄なんて言わせないぞ!」


 あら、思ったよりさっきの一言根に持っていますか、お父様。



読んでいただいてありがとうございます。

気に入っていただけましたら、ブックマークと応援よろしくお願いします。

また、お恥ずかしながら、誤字脱字ありましたら、報告よろしくお願いいたします。

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