やはり気になった年齢差
皇帝陛下とカイル様が去ってからお風呂に入り、今はお部屋の大きなベッドで胡坐をかいてお座り中だ。
お兄様はとっくに自分の部屋で夢の世界だけど、私は来客で興奮しすぎたからか、皇帝陛下からの幾つもの爆弾発言からか眠気が全然襲ってこない。
いつも首から掛かっている赤い竜鱗のペンダントをぐりぐりいじりながら今日の記憶を反芻する。
「む~、おとーしゃまとおかーしゃまは三百年の歳の差婚」
「セシル様、まだその話を気になさってるんですか?」
私のつぶやきに、ベッドの横で寝かしつけをあきらめたマーサが苦笑いを浮かべている。
私を寝かしつけてしまいたいマーサには悪いけど、気になることがいっぱいなんですもの。
竜王族は一体幾つまでの歳の差が許容範囲なんだ?
同世代って幾つまでが同じ世代感覚なんだ?
これから成長していけばわかるのだろうけれど、まあ、お兄様やカイル様とは同世代って感覚なのでしょうね。
でも三百や四百の歳の差が大したことないのならお父様やグレイも同世代ってこと?
前世の感覚じゃ無理やろ……。
犯罪臭通り越して言葉なくしちゃうよ?
ふと手でつかんでいた赤い竜鱗を見つめる。
この世界で目覚めてからずっと毎日首から掛かっているルビーみたいな真っ赤な鱗。
「セシル、もう遅いから寝なさい。
マーサ、今日は私が寝かしつけるから戻っていいよ」
お風呂から出てきたお父様がマーサを下がらせ、ベッドに座った。
「おとーしゃま、この竜鱗、おかーしゃまの子供の時のもの?」
「ああ、そうだね」
ということは……。
「これも三百年以上前?」
おお、超アンティークじゃないか!
ん?
待てよ。
となると、お母様が竜鱗を挙げた女の子は人間なんだから、三百年も生きるはずないし。
「三百年前」
「ん? そうなるけど、どうした?」
お父様はお眠にならない私を抱き上げ膝の上に置いて背中に手をまわした。
あ、これは眠らせよう攻撃か?
「この竜鱗は三百年以上前のもの。
じゃあ、これ受け取った女の子は三百年前の人でしゅね。
三年前、襲撃されたルドンの街の領主はおかーしゃまが竜鱗をあげた子の子孫?」
「……子孫って、また難しい言葉を使うねえ」
「違いましゅか?」
「違わない。合っているよ。クローディアが助けた娘の子孫になるね。
少女に、……クローディアが助けた子に守護を与えたからから、あのルドンの街があった国の名は彼女の名にちなんでクローデン王国というんだよ」
私を抱きかかえたままベッドに横になったお父様は、私をシックスパックに分かれたお腹の上にのせて、顔を上げた。どうやらこれ以上お話はしてくれないらしい。
「さあ、お父様も眠たい。
セシルも寝なさい」
そして、その日の夜はお父様の子守歌で無理やり眠らされた。
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