超歳の差婚
ん、まてよ?
「クローディアは確か私から百年後に生まれていたかなあ」
年齢で頭真っ白状態の私に皇帝陛下はさらに爆弾をさらっと落とした。
待て、待て待て待て! お父様とお母様の歳の差って三百歳なの?
驚愕の歳の差発言二連発は、お子様の私には衝撃が強すぎるんですよ。
お母様の肖像画ではお父様とお似合いの歳だと勝手に思い込んでいたけど……。
確かに竜王族は長生きで若いまま長い期間生きるとは知っていたけど、そんな年の差許されるのか? 長寿の種族ならいいのか?
しかも!
「おかーしゃま、三百しゃいもおとーしゃまより年上?
おとーしゃま、年上好き?
でも、三百歳も上だと熟女になりましぇんか??」
衝撃のあまり思い浮かんだ言葉がそのまま口から飛び出てきて、部屋の隅と陛下が噴いた。
そして目の前のお父様は固まり、両脇の男の子二人は頬を赤くしているところを見ると意味が分かっているようだ。
おませさんめ!
いや、お兄様たちがおませさんじゃない、驚きのあまりついうっかり三歳にもならない子供が使わないような単語を言った私が一番あかんやん!
「……、じゅ、熟女と言われちゃクローディアが可哀そうすぎるような気がするが、セシルはまだ竜王族のことを詳しく教えてもらっていないみたいだな。
竜王族は二十歳くらいまでは人間や獣人たちのように成長するが、そのあとは若いまま数千年生きるのだ。子を持つと少し歳を重ねた姿になり、孫ができるとまた歳を重ねた姿になる。だから数百年の歳の差の夫婦はざらだし、二人子供がいる家庭の場合、上の子と下の子で千年以上歳の差がある兄弟もいる。
というか、グレイか? こんな小さい子に熟女なんて言葉を教えたのは!
確か十年前にエーミールがクローディアと結婚するとき、そういっていた記憶があるが?」
「俺じゃありませんよ。
ってか、その言葉より、エーミール様とクローディア様の年齢の暗算をしたセシル様の賢さに驚いてやってくださいよ」
「あっ……」
しまった。
何の気なしに頭の中でお父様達の年齢差を計算して口にしてしまったが、私はまだベルトランから百の桁の引き算とか教えてもらっていないかもしれない。
「言われていれば、確かに三歳にもならないのに賢いな。魔力もそれなりに大きいし、優秀な子供だ」
「魔力大きい?」
「セシル、伯父上とカイル、後はおじいさまですが、皇帝の位につくものは千里眼と言って、魔力の素質や量が見えたり、遠く離れた場所が見える能力があるのですよ」
「しゅごいっ」
確かに千里眼の能力の話はちらっと聞いたことがあったけど、魔力の素質や量が見えるとは思わなかった。
尊敬のまなざしで陛下を見上げると、なぜかプイと顔を背けられ、お父様に手渡されてしまった。
何故だ?
「エーミール、この子の上目遣いは危険だぞ。
コロリと行くぞ。
カイルが参るわけだ」
おいおい、幼女の上目遣いが危険って、ロリコンかよって突っ込もうかと思ったが、ロリコンもおそらく失言だと気が付いてお口はチャックした。
ポロリとまた失言してまた一騒動起こしたら大変だ。
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