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IF  作者: 小塚彩霧
6/25

6.進路

勉強の甲斐あって、模擬試験の結果は上々。


「おおお!社会の偏差値上がったー♪」

「俺も!数学の偏差値上がったー!!」


二人して模擬試験の結果表を見てホクホク。


「なぁ、圭子。志望校どこに決めるん?」

「あっちゃんと一緒のところがいいと思ってるけど、公立やったら、私、体育あかんから入られへんし…。」

「俺、私立の男子校に行くつもりやねん。今回の模試、結果が良かったから、本命で進路希望出そうと思う。」

「へぇ…、どこに行くん?」

「上町高校。」

「そっか…。」

「圭子は?」

「私は…私立やったら桜泉女学院にしようと思ってた。上町とちょっと近いな。」

「ほんまやな。合格できるようにがんばろな。」

「うん。」


◆◇◆


いつもの通り下校すると、家の前であっちゃんの妹と会った。


「お兄ちゃん、圭ちゃん、おかえり。」

「ただいま。」「ただいま。」

「お兄ちゃん、圭ちゃんと付き合ってるん?」


なんて答えるんだろう?


「付き合ってるよ。亜由美、お母さんに言うなよ。」

「なんで?」

「絶対色々うるさいから!」


なるほど。それはそうかもしれない。


「圭子、また明日な。亜由美、家に入れ。」

「はーい。圭ちゃん、バイバイ!」

「バイバイ。」


◆◇◆


夕食を食べ終わって、皿を下げようとしたとき、亜由美が唐突に喋り出した。


「お父さん、お兄ちゃん、圭ちゃんと付き合ってるんやって!」

「へぇ。そうか新もそういう年頃か…。」

「亜由美!喋んな言うたやろ!」

「お父さんにとは聞いてないから。」

「お母さんもおるんやから一緒やろ…。」


お母さんが流しの皿をカチャンと鳴らして言う。


「新、そのままそこに座ってなさい。亜由美は自分の部屋に行きなさい。」


ダイニングテーブルに俺とお母さんとお父さん。

気まずい雰囲気が流れる。


「新、今がどういう時期か分かってるでしょ?」

「…」

「しっかり勉強しないといけない時期でしょ?」

「…」

「あとで後悔したって遅いのよ?圭ちゃんだって同じ受験生なんだから!」


ガタンと立ち上がって言う。


「わかってる!俺と圭子、一緒に勉強してるだけや!

成績だって上がってる!何の問題があるねん!?」

「勉強なら塾でもできるでしょ?よりによって圭ちゃんと付き合うなんて!」

「別に勉強なんか誰とやったって一緒や。」

「女の子と…間違いがあったらどうするの?」

「間違いってなんやねん。まだ中学生やし、お母さんが心配することなんか何もないわ!」


そのままダイニングを飛び出して自室に上がる。


「新!」

「お母さん、新もああ言ってるねんから、そっとしとき。」

「お父さんまで!!」


間違い…。

何考えてるねん、大人の方がよっぽど間違ってる。


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