1.序章
#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
駄文過ぎてちょっと恥ずかしいので、夜中に勢いで投稿しちゃいます。
全25話。
『あっちゃん。』
『オレ、ワガママなヤツは嫌いやし、もう遊ばへん。』
『………。』
それ以来疎遠になった幼馴染み。
家は向かい同士だけど、クラスは幼稚園からずっと、一緒になったことがない。
「ははは!」
彼の笑い声が聞こえる。特徴があるからなのか、好きな人の声だからか、すぐにわかっちゃう。
顔をあげると、廊下を向こうから歩いてくるあっちゃんがいた。
(はわわっ!どこか隠れるところ!!…って、ないよー!!)
走って逃げるわけにもいかず、俯いて、顔を背けながらすれ違う。
「きしょっ…」
すれ違いざま、あっちゃんが私に向かって小さな声で囁いた。
(わー!サイアクっ!あっちゃん、私のこと嫌いやし、仕方ないけど、ちょっと悲しくなるわ。)
あっちゃん。
津川新。14歳。中学3年生。
向かいに住む同い年の幼馴染み。
私の好きな人。
私。
村井圭子。14歳。中学3年生。
何の取り柄もなくて、普通の中学生。
あっちゃんとは幼稚園からずっと一緒のところなのに、同じクラスにはなったことがない。
子供の頃は一緒によく遊んだのに。
私の方がほんの少し早く大人になって、彼を異性として意識するようになった。
お互いにギクシャクするようになって、だんだん遊ばなくなっていった。
それでも、彼は私の好意をそれなりに受け入れてくれていたと思っていたのだけど、
彼も大人になって、それが苦しくなったのか、ある日絶交を言い渡された。
あの時、好きって言わなかったら、今もただの幼馴染みで居れたんだろうか…。