第二話:花火大会その1
夏と言えば!って感じです。新キャラ登場。
「先輩っ!」
私は鉄道研究部に昨日決めた事を伝えて生徒会室へ戻ろうと廊下を歩いていると後ろから女の子の声がした。
振り向くと――
「あ、佐倉さん。どうしたの?」
佐倉あいさんがそこにいた。
「先輩は今日の花火大会一緒に行く人いますか?」
…………?
花火大会…………?
「えっ!?もしかして今日花火大会あるって知りませんでした?」
「う…うん…」
「じゃあ一緒に行きません?そうだ!浴衣とか着ます?私の家にいっぱいあるんですよ!」
……多分一緒に行くのは決まりなんだろうな。
「じゃあ、あとで迎えに行きますから生徒会室にいて下さい!先輩にぴったりの浴衣持ってきますね!」
そう言って佐倉さんは一目散に走り出した。
「…あ、廊下では走っちゃダメ…って聞いてないか」
なんかやけに楽しそうだなー…
ぼんやりとそんな事を考えながら私は生徒会室へ向かった。
外が薄暗くなった頃。
「城羽先輩っ!」
ガラッと勢いよくドアを開けて佐倉さんが入ってきた。
「持ってきましたよ!ささ、着て下さい!」
「え……でも着付けとか…」
「任して下さい!私そういうの大得意なんで!」
「………はあ。そう」
佐倉さんは生徒会室の奥にある何故かある更衣室に私を押し入れた。
〜しばらくお待ち下さい〜
「わー!やっぱりすごく似合ってます!とても可愛いですよ!」
「そ、そうかな?でも佐倉さんもとても似合ってるよ?」
「ありがとうございますー嬉しいです。でも自分で選んだやつが似合ってると結構気分いいですね。これからもよろしくお願いしますね!」
「うん…って何を企んでるの!?」
「んふふ〜秘密ですよ!」
あはは…嫌な予感がぷんぷんするよ…
「ん〜でもなんかなー…そうだ!先輩、眼鏡外してみません?あと髪型も変えましょう!」
〜またしばらくお待ち下さい〜
佐倉さんの着せ替え人形になっていた私は気づいたらいつもの私ではなくなっていた。
「あー!やっぱりこうした方がいい!
…いやーん可愛い過ぎです!!ヤバいです!!私惚れそうですよ!」
「…そう?」
「そうですよ!女の私が言うのもあれですが惚れそうですよ!
先輩、今度からお下げやめません?」
「………」
私は鏡の前で呆然としていた。
そこには白地に朝顔の模様がついた可愛い浴衣を着ている女の子がいた。
髪を花飾りでより黒くて長い綺麗な髪を引き立たせている。
われながら可愛い。
「えっと…その…ありがとう…」
「いえいえお礼には及びませんよ。私もできて楽しかったですし。
あ、そろそろ花火始まっちゃいますよ!急ぎましょう!」
ちなみに佐倉さんは青い地に向日葵の浴衣を着ていてツインテールのゴムの部分に蝶の髪留めをしている
十分可愛いんだけどな…
ヒュー…
バンッ
「わあ!!綺麗!」
私たちは会場の河川敷にいる
目の前には大きな花火が咲き誇っている。
「嗚呼、綺麗だなー…」
「本当に。とても綺麗です。」
「あ、私綿飴食べたくなっちゃった。買ってきくるね?」
「どうぞ。私はここにいますね」
「何か欲しいものある?」
「うーん…じゃあ同じものを」
「わかった。じゃあ行ってくるね」
「はい」
「あれ?綿飴売り場は…?」
気づいたら私は迷子に……なっていた……
「……ここ……どこ?」
キョロキョロと辺りを見回してもどこがどこなのか……?
「あ、そこの君」
「…え?」
声をかけられたので振り向くとそこには知らない大学生ぐらいの男の人がいた。
「ねぇ君一人?なら俺と一緒に回らない?奢ってあげるからさー」
「え?え?え?え?」
その男の人は私の手を強引に引いてずかずかと歩き出した。
「や、やめて下さい!ちゃんと一緒に行く人いますから!」
「でも今いないじゃん。俺が案内してあげるからさー」
「やめて下さい!」
でも男の人は手を離してくれない。
「お願いだから離して下さい!」
………ダメだ。離してくれない。
――――誰か助けて!!
奏、ピンチ!誰か助けてくれる人はいるのでしょうか? 次回をお楽しみに! ちなみに佐倉は学校で発表した紙芝居の登場人物です。他の物語にもそれで出した登場人物がいるので確かめてみて下さい!。最後の一人はどうやって出そうか、作者は悩んでいるようです。