喧嘩上等 殴り込み
少し長い投稿させて頂きます。
演習後は比較的、落ち着いた生活と活動をしていた。
領地経営も安定して、もう少しで軌道に乗りそうな状況になった事で、嫁たちを里帰りをさせることにした。 当然、それぞれの家にお伺いを立ててだが。
「久しぶりに家族に会うから土産も持たせよう。 警備も用意して、路銀も。 あと、子供の世話も残っている者の中から付いて来て貰おう。」
「大丈夫ですよ。 我らでも出来ますから・・・。」
子供を産み落とした彼女らは、前以上に女性らしい体になった。
自身の里帰りでマサルは1千人規模の護衛を用意しようとしていた事が発覚し、止められた。
自分らで計画を立てることにした。
法衣貴族組のジョアンナとユリは、王都なので一組に。 あとは別々だ。 マリアも帝国の移住組が沢山いる領内の街に行くことになっている。 母親がそこの町長をしているからだ。
「それにあの三人も構ってあげないと、可哀そうですよ?」
「しかし、万が一があったら大変なのは変わらないでしょうが。」
「うち等で準備もしますので、そのための人手は貸して下さい。」
「分かった。 ではそのように。」
「里帰り中はあの三人を可愛がってくださいね。」
「ああ。 分かったよ。 気を付けてな。」
子供を産み落とした彼女達のいっている3人は、科学者姉妹と遊牧民の族長の娘、ララだった。
彼女の部族は彼女がアバロンにいた事で、合流は早く、アバロン内に村を作るまでになっていた。
そこに他の部族の生き残りや家族の合流があり、彼女の部族が中心に一つの部族を形成できるほどになったのだ。 その為にそのまま、館に開戦前居続けた。 側室にはならなかったが、愛人枠で姉妹と共に収まった。 そこで里帰り中のマサルの処理に姉妹共々、担当することになった。
妊娠すれば、部族との関係が出来るために利になるし、出来なくても部族を生き残らせる術として、継続的に得る事が出来た。 部族の生き残りの人々もララが、自分らの生命線であるために彼女を無視しないように訴えた事で、今回の担当になった。
「お前らも大変だな・・・。 すまんとも思っている。」
「いやいや!構わねぇよ!いい加減、ガキを産まねぇと俺もやべぇから!」
「姉さん。 もう少し説明を。 正確には子供を見せて欲しいと実家から来ているんです。 アバロン領にいるので、家族からマサル様に情けを頂けと、言われているんです。」
「成程ね。 君らも貴族なの?」
「うちは貴族というより招かれている家なので、名誉貴族です。 だから貴族ですが、貴族ではない平民です。 それなので私たちの領主様との関係も愛人となり、子をなすことが出来れば、私達の家は貴族になれます。 法衣ですが。 それで手紙が来てまして・・・。」
「ああ。 お疲れ様~。」
「なのでお願いします。 私でも姉でも良いので、必ず子供を下さい。」
「努力しよう。」
「我も欲しい!部族の為に御子を頼む!何人でも良いぞ!」
「ああ、そうだな。」
こうして、正妻と側室たちが里帰り中に彼女ら愛人となった3人が、夜伽を務める事となった。
マリアたちが、それぞれの実家へ行く準備を終え、旅立っていった。
その数日後にに事件が起きるとは思ってもいなかった・・・。
その日はエリザの家の者からの手紙で発覚をしたのだった。
早朝にエリザの兄と父親の連名で、エリザが誘拐された旨を書かれた手紙が届けられたというものだ。 赤ん坊はエリザが家の使用人に託し、その使用人も必死の思いでエリザの実家へ飛び込んだことで、子供は無事だが、肝心の娘がいない事を心配した当主でもある父親がその使用人に問うと、息も絶え絶えな状態ではあったが、誘拐された事を伝え、倒れた。 使用人も全身傷だらけで、服もボロボロになっていたからどれだけ必死に来たかを物語っていたらしく、当主はすぐに兵士に近隣を探させたが、手掛かりが出ずに帰還。 翌日も捜索をしていると、護衛としてついていたアバロン領の兵士と合流し、連絡をしてくれたとの事だった。
「護衛をしていた者を呼べ!」
「はっ!」
「護衛を担当していた部隊の長、アリックです・・・。 処罰は甘んじて受けます。 部下だけはお目こぼしを・・・。」
「そんなことはどうでも良い!お前たちはどうして護衛に着けなかったんだ?」
「はっ、護衛をしていると、何かが刺さったような感覚に襲われ、他の者も腕や足に針のような物が刺さっておりまして、どこからだと探しているうちに急激な眠りに襲われ、倒れました。 どれほど時間が経ったかわからなかったのですが、馬車を見れば、エリザベル様や使用人一人とお子様がいない事に気付き、すぐに捜索をしました。 初日は何も見つからずで、連絡をしようにも無線機が壊されていた為に連絡も出来ず。 翌日も早朝より捜索をしている所をエリザベル様の父上様の兵士達に会いまして、状況が掴めました。 申し訳ありません。」
「そうか・・・。 それではどうにもならんな。 分かった。 ひとまず兵舎で沙汰をまて。 追って伝える。」
「はっ。」
「下がって良し。」
「聞いていたな?探せ!」
「はっ!」
こうして、エリザ誘拐事件が発生した。
マサルの指示した暗部が去った後で、マサルは兵の招集を下命した。
「エリザ・・・。 早まった事をするなよ・・・。」
<???>
「閣下。 マサルの側室の一人をさらう事に成功しました。」
「うむ。 出来れば、マサルの女性をすべてさらう事が出来たら楽だったのにな・・・。」
「警備が厳しかったのもありますが、タイミングの問題もあり、出来ませんでした。」
「まあ、よい。 これであ奴の領地に入り込んで奴からの上納金を踏んだくれば、良いしな。」
「「「ごもっともです。」」」
閣下と言われる中年の男の前には、数名の男が座っていた。
彼らの座っているこの建物もあばら家の様な場所だった。 彼ら自身も先立つものがなかった。
彼らは獣王国の元貴族で、贅沢しすぎて領地が破産し、法衣になったが仕事が出来ず、自らの生活も立て直せずにいた為に放逐された者達だった。
「ですが、閣下。 これからどう交渉されるので?」
「それは民の一人を捕まえて、あ奴の元に手紙を出しておいた。 人質がおるから手が出せん。」
「それは良い!では我らが返り咲くことも・・・?」
「うむ!出来る!それどころか、マサルが我らの生活のすべてを出してくれよう。 」
「それはありがたいですな!」
「そうですなぁ!」
彼らは自身の描いた青写真を信じて疑わなかった。
そして、捕らえたエリザベルを見るために全員で見に行く。
人質になっている彼女は身ぐるみは剥がされていないが、後ろ手に縛られていた。
「私をこんな目にして何しようというのです?」
「お前の旦那が我らの願いを聞き入れれば、済む事よ。」
「それを受けるとは思えないです。」
「受けるさ。 妻に甘いあの男だ。 すぐに応じるさ。 それまでは大事な人質だ。 大事にするよ。」
その話に周りにした貴族達は、ニヤニヤと笑っていた。
彼らもエリザの体を見ていた。 当然、品定めだ。
そして、最初に話してきた男を先頭に部屋を出て行った。
「旦那様・・・。 早く助けてくださいです。 エリザは・・・。 怖いです・・・。」
「隊長・・・。 あの時の逆戻りは嫌です・・・。 助けて・・・。」
エリザは虚勢は張っていたが、やはり怖かった。
女性であるエリザは母親になっても怖いものは怖かった。 自身の子は逃がせたが、そのために自分が捕まった。 母としては立派な姿勢だが、怖い思いはしているのは変わらない。
しかし、彼女のネックレスと指輪は盗られていなかったためにそこに秘密があった。
<???>
「隊長!エリザ様の反応がありました!」
「そうか!詳細の場所確認だ。 確認後に本部に連絡をとれ!」
「はっ!」
「その後は監視に移る!」
その一報は、辺境伯領内の本部に伝えられ、部隊の編成が行われると共にマサルにも通報された。
マサルは、無傷での救出を厳命した。 当然、自分も行くと言い出すと、全力で拒否された。 部下に。
「自分の妻を迎えに行くんだぞ?!どうして駄目なんだ?!」
「ですが、辺境伯様は立場のある身です!自重して頂きたい!」
「ならん!行くぞ!続け!」
「閣下!お待ちください!」
しがみつく役人の男性を引きずったまま、歩いていく。
そして、そのまま討伐部隊の車両に乗り込んで行った。
<???>
「大変です!辺境伯の手の者にこちらの場所がバレたそうです!」
「なに!?移動するぞ!準備しろ!」
「はっ!」
あわただしく脱走の準備が始まった。
しかし、その光景もばれていた為に逃走用の馬は、先行部隊のよって回収されていた。
馬車は使用できずで、歩いて逃走することに。 エリザも連れて。
しかし、闇夜では互いが見えない。 次々と姿を消す配下たち。 徐々に近くで聞こえていた足音も少なくなった。 エリザの声も。
「おい!誰かいないのか・・・?おい・・・。」
そこで周りが暗転した。
<トールハンマー側>
「呼びました?」
「辺境伯殿・・・。 いつ、そこへ?」
「うちの嫁をかどわかした不届き者を捕まえにね・・・。 それ以前に貴方達はすでに貴族ではない。 貴族でないものが貴族の女性に害すれば、一族郎党すべてが処罰される・・・。 忘れましたかな?」
「・・・!!! だが、我らがしたいう証拠はないはず・・「では、妻に面通りさせますか?」・・。」
かれらは出来なかった。
エリザが面通しをすれば、顔が見えなくても声でも合えば、彼らの一族は処刑台に行く。
だからかれらは、すでに破滅した。
「彼らの家族を探して。 一人残らず。」
「はっ!」
「待ってくれ!家族だけは!」
そう言ってきたのは下級貴族の男性だった。
この派閥では、無理やり参加した貴族の一人だった。 同じような貴族も5家程あった。
当然、加担した物も軽微なので、処罰はしない。
捜索をしていると、近くの村を我が物顔で占有している集団を発見。 捕縛すると、彼らの家族だった。
街では衛兵が飛んでくるが、地方の村では自警団がせいぜいだし、貴族だと言い張れば、手が出せない。
それで勝手に村長宅や近隣の住宅を住人を追い出して居座った。
静かにしていなければいけないのに騒いだことで、ばれてしまい、捕まった。
仕方なくの消極的な参加をしていた貴族は本人のみの参加で、何も貰えず、木の根元で毛布に包まるのみだった。
「総勢20人か・・・。 子供はいない。 馬鹿な子は4人か・・・。」
「貴様!誰に話しかけていると思っている!私は伯爵家の者ですよ!」
「元ですよね。 連行しろ!」
「おい!こら!離さぬか!」
マサルの部隊は、積極参加の貴族の家族は、問答無用で強制拘束し、消極的な者は程度に応じて返した。 当然だが、殺人を犯した者は消極的な者でも逮捕した。
誘拐犯の一味を逮捕した所で、マサルはエリザの元へ。 すでに義父の兵士に囲まれて、義父の傍で飲み物を飲んでいた。
「エリザ、すべて終わったよ。 よく頑張ったね。」
「旦那様・・・隊長!エリザは、エリザは!怖かったです!でも、頑張ったですぅぅ!」
「よく頑張ったね。 偉いぞ。 あとはお母さんになって、子供に安心をさせないとね。」
「私の子供はどこに?」
「君が託した使用人が、ボロボロになりながらもお父さんの領地に飛び込んで、保護された。 今はお父さんのお屋敷で、お母さんと妹さん達と一緒に世話をしてもらっている。 帰ろう。 君の家に。」
「はい!!!」
怖い思いをしながらも耐えた彼女の体を抱きしめてやり、落ち着かせてのちに頭を撫でてあげた。
そして、子供の安否を伝えた。 子供の事を聞けた彼女はとても嬉しそうだった。
その後は義父の部隊と自分の部隊で、囲んだ。 そのまま、エリザの家を目指した。
「姉様!」
「エリザ!」
家に着くと、妹と思われる若い女性が、エリザに飛びついた。 支えていたお父さんを突き飛ばして。
その後を旦那がいなかったように母親も妹ごと、抱きしめた。
一方で部隊を率い、鎧を着て出撃した父親は頑張ったのに娘や妻に突き飛ばされ、いない者にされた。 共に出撃したエリザの叔父も、兄も、従弟もだ。
「わしら、頑張ったのに・・・。 それはないじゃろう・・・。」
「父上、我らもそうです。 辛い物ですね・・・。」
「兄さん、ワシらより姪が助かった事を喜ぼう・・・。 空しいがの。」
「空しい・・・。」
「あの、皆様。 我らは私が用意した宴を用意しました・・・。 そちらで互いを労いましょう。 兵士の方々もどうぞ。」
「マサル殿・・・。 忝い・・・。 皆も礼を。」
「「「「「ありがとうございます!」」」」」
近くにいたエリザの親戚陣は頭を下げながら礼を伝え、兵士の方々は黙礼をした。
隊員が持ってきた食料や酒で男性陣は、楽しい時間を過ごした。
しかし、領主様の飲むペースが少し早い状態だった。
「領主様、もう少しゆっくり飲みませんと・・・。」
「娘の為に頑張ったのに・・・。 これが飲まずにやってられるかぁぁぁ!」
領主である義父は、妻や娘に無視された事で少し拗ねた。
その為、飲むペース早かった。 しかし、周りが気にするよりも杯が進んだ。
「大丈夫ですか?義父様は?」
「う~ん。 普段は深酒をしない方なのだが・・・。 明日に引っ張らなければよいが・・・。」
「あれは残りそうですよ?」
「無事な事を祈ろう・・・。」
こうして、男性陣の会は無事に終わった。
兵士の方も迎えの奥さんや婚約者の迎えで帰っていき、寝てしまった領主様もご子息二人に抱えられ、寝室へ。 マサルもエリザの叔父である領主様の弟さんの案内で、部屋を貸してもらった。
そして、翌朝に事態が変わる・・・。
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