閲兵式
陸軍の演習をかいてみました。
下手でごめんなさい
子供の出産も終わり、嫁たちの復帰を機に獣王国の関係者に私兵団・トールハンマーの実力を見せることになった。
獣王国内の辺境伯私兵団・トールハンマーを軽視する傾向がまだあった。
そこで計画されたのが、閲兵である。
「これから準備で間にあるか?」
「それは問題ないぞ!歩兵部隊は行進は連帯感を持つためにしているから平気だ!車両部隊も同様だ。 射撃訓練はいつもの訓練で良いなら問題はない!」
「まずそれで大丈夫だと思う。 詳しい事はこれから詰めるよ。」
「了解した!気合を入れてくる!」
ユリーダはそのまま、執務室を出て行った。 配下の部隊への叱咤に行くためだ。
ユリーダが出ていった後でマサルはユリに顔を向けた。
「ユリ、ユリの航空隊には編隊飛行と曲芸飛行をやってもらいたい。 編隊飛行はいつもの訓練でしているだろうが、曲芸飛行は違う。 無論、訓練外の事になるから志願制にしたい。 頼めるか?」
「それは構いませんが、それは空戦部隊ですか?」
「いや、偵察隊でも良いが?候補はいるのか?」
「いえ、多分結構な数の立候補が出ると思うので・・・。」
「任せる。 多くても10機前後を予定し、待機を含めて20名程を選抜してくれ。」
「分かりました。」
「他にもエリザの医療隊は、閲兵式時の怪我人や病人の対応と隊でのどのような医療が提供されているかの説明をする人員を選抜してくれ。」
「ジョアンナは警備兵の配置を頼む。 マリアは案内係や人員整理の手伝いをしてほしい。 無論だが、商売をしてもよい。 ただし、総利益の一割はこちらに寄こしてくれ。」
「「「はっ!分かりました。」」」
「大変だろうが、よろしく頼む。」
王宮から言われた事は圧倒的な軍事力を示すこと。
当然、優雅さも欲しいとのことで、閲兵式になった。
準備は順調に進んだ。 兵士も閲兵式に向けての訓練が続いた。 ただ、一番大変だったのは航空隊の曲芸部隊だ。 彼らは曲芸編隊飛行という高度な事をせねばならず、連日猛訓練が続いた。 志願者は40名を超し、戦闘機隊や偵察隊、訓練生からも申請があった。 結局、戦闘機隊から12名、偵察隊と爆撃隊と訓練生から各3名ずつの21名が、編成された。 当然、最初は速度を上げずに巡航速で技能習熟に勤め、徐々にハードルを上げた。 戦闘機隊は訓練時もドッグファイトをしているために技能習熟が主だが、他の隊出身は最初からだった。 訓練生はさらに下からだったが、若さを武器に必死に食らいついていった。 最終段階には、全員が達成して何とか形になった。 評価する教官サイドが全員が、披露には問題ないと、判断したことで10名・2チームを編成することになった。 Aチームは零式艦上戦闘機で行い、Bチームはカラーリングを変えた物で行う事になった。
「曲芸飛行時は不測の事態が出ないとは、絶対に言えない!危険だと思ったら脱出も考えろ!以上!」
「「「「「はっ!」」」」」」
各部隊の隊長が、敬礼をすると駐機している機体に乗り込んで行く。
あれから数か月。 閲兵式の当日になった。 会場となる荒野には、設営隊の建設した矢倉や足場が組まれて観覧席が作られ、その外側には商人や市民の有志で開かれたバザーや出店が並び、人が列を作って、有志の市民が、整理をしていた。 近くを警備兵も巡回して、警戒に当たった。
エリザの救護所も怪我人に対する対応をしていた。 獣王国の貴族達もトールハンマーの実力を見るために貴族用の席に座り、式の開始を待っていた。
「領主様、そろそろ始めませんと・・・。」
「そうか。 そろそろ始めよう。 司会の子は準備が良いの?それなら挨拶するけど。」
「大丈夫です。 始めましょう。」
マサルはジョアンナに言われるがまま、閲兵式の開会を宣誓するために壇上へ上がっていく。
「遠路はるばるお越し頂きありがとうございます!わがトールハンマーの閲兵式を開催いたします!それでは開催を宣言いたします!」
わあああああぁぁぁぁぁ!!!
マサルが宣言すると、軍楽隊の軽快な音楽が演奏が開始され、徐々に気分が盛り上がっていく。
そして、準備が整ったらしく、指揮官が号令をかけた。
「歩兵部隊!行進用意!前ぇぇぇぇ!進めぇぇぇ!」
「「「「「「「「サー!イェッサー!」」」」」」」」」
号令と共に行進が開始した。
優に数百人はいる突撃銃を担いだ歩兵隊が、一糸乱れずに進んでいく。 規則的に続くブーツの音が、進んでいく。 行進は貴族・王族のいる壇上前に差し掛かると、次の指示が入る。
「王陛下!貴族様にぃぃぃ!!頭ぁぁぁぁ!中ぁぁぁぁ!」
「「「「「サー!イエッサー!」」」」」
規則的に進む足音の響く中、一斉に王族・貴族席に向いて進んでいく。
規則的でかつ、一糸乱れぬ行進は先制パンチとしては大きかった。 近隣の領地でも一糸乱れず歩くというのはまず無理であり、武器をすべて揃える事が大変な為にその影響は大きかった。
その後に続いたのは、車両部隊だった。
ジープ部隊が同じ速度・車間距離で進んでいるのは、もはやトールハンマーしか出来なかった。
続くは装甲車と続き、砲兵部隊所属のロケット砲、榴弾砲や各種大砲部隊と続き、最後を飾るのはトールハンマーの機動最強戦力であるM4戦車の集団が出てきた。
「トールハンマー機動最高戦力であります。 M4シャーマン戦車です!ご覧ください!」
おおおおおっっっ!
どよめきにも似た声が響く中を3列縦隊で進んでいた。
各車長は、通過時には陛下や貴族に向け、敬礼して進んだ。
「それでは!模擬演習に移りたいと、思います!正面の広場をご覧ください!」
「広場では、歩兵部隊の火力兵器である迫撃砲でございます!」
司会の女性が説明すると、隊員たちが大型の迫撃砲を3門据え付けていた。
10分ほどで据え付けが終わると、配置に着き、砲撃の準備をされる。
「迫撃砲部隊!砲撃準備!半装填!」
掛け声から隊員が測距して砲撃準備時の半装填状態になる。
目標と思われる標的物が用意された。
「目標に向け、うてぇぇぇぇ!」
ポン!ポン!ポン!
空気が抜けるような音がしたのちに飛翔体が飛んでいく。 当然だが、見ている観客はそれは捉えることは出来ないが。
その後、また放送が聞こえた。
「弾、ちゃゃゃゃぁぁぁぁくぅぅぅ!今ぁぁぁぁ!」
ドン!ドドン!
3つの着弾音の後で、目標物は粉々に吹き飛んだ。
その光景に観客席では息をのむ声がした。 今までの攻撃とは違う事で吹き飛んだ目標物が、自身と重なった者が多かった。 しかもそれは小さい破壊力だという事だった。
次に出たのが、ロケット砲部隊が4基。 発射号令と共に空気を切り裂くような音をした後で、迫撃砲では比べ物にならない程の土の吹き上がる光景と連続した爆発音は、観客席まで吹き込んだ。
「続いてバイク部隊のアクロバット走行及び車上射撃です!」
司会の一言から会場端から爆音を響かせながら、10台のオートバイに乗った様々な耳をした獣人兵が、操作をしながらやってきた。 会場の起伏を巧みに使って、アクロバット走行をして飛んだり、片輪走行を披露した。
「続いて車上射撃に移ります!」
バイク部隊の10名は、5名ずつに分かれて背中に背負っていた突撃銃を構え、オートバイ上で相互の反対の的を構え、的を撃っていく。
バババババっ!
互いに通り過ぎた後に的がすべて倒れていた。
こうしてオートバイは退場していく。
「最後を飾るのは、戦車隊の登場です!」
司会の紹介で、シャーマン戦車の群れが現れた。
戦車軍の主砲は、行進したのちに静止射撃を繰り返す。
目標となったボロボロの馬車の荷台が何台も吹き飛んだ。
その光景は恐怖そのものだった。 1両だって強力な攻撃力がある上に走ることも出来る兵器は脅威そのものだった。
「それでは一時間の休憩の後で、次は航空隊の模擬演習に入ります!よろしくお願いします!遅れないようにお願いします!」
司会の言葉に観客は出店やオープンスペースに向かうが、王候貴族は半分蒼白気味な顔をして去った。
航空隊の模擬演習は、どんなものが?
それが彼らの心の声だった。
そして、それを証明する為の部隊の爆音が会場に近づいていた。
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