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撃鉄の響く戦場にて  作者: KY
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獣人兵捕虜移送作戦妨害及び奪取

今回でヒロイン登場。

少し早いかもしれないが、一人は寂しいので

しばらくはベース内での物資確認の時間に充てることにした。

生活用品や酒、娯楽品に雑誌。 衣服もあった。 なぜか女性の下着は色っぽいものが多い。 従軍娼婦さん用かなと思い、一つにまとめておく。 武器も手投げ弾や小銃やけん銃、バズーカ砲もあった。 暫くは生活できるほどだ。 しかし、重要だったのは一つのブリーフケースだった。


「作戦指令書かな?感じ的にね」


一呼吸を置いてから開けて、黙読する。

そこには戦時捕虜の女性兵士を慰安用に3名を下げ渡す旨が書かれていた。


「この世界にはジュネーブ条約はないのか!」


そこからは早かった。

渡されるのは女性兵士2名で一人は下士官で曹長。 もう一人は兵長。 そして、最後の一人は衛生兵だとのこと。 当然、引き渡されれば、尊厳は無視されて凌辱の限りを尽くされることは目に見えていた。 助けないという選択肢はなかった。

幸い、移送ルートは森の外側を添うように輸送する。 途中で合流して基地へ連れていく様だった。

彼女らを引き受けてもどうにも出来ないが、無視も出来ない。 ワンマンアーミーが出撃した。


    ------------------------------------

輸送隊


「隊長、やっぱり味見しちゃあ、いけませんかね?」


「ダメに決まってるだろう!基地の連中に殺されたければ、良いぞ。」


「いや、さすがにそれは・・・。 でも良い体してんですよ?知りたいじゃないですか」


「わかるが、だめだ」


輸送隊の隊長は、同じ会話をしている二等兵に注意をする。 後ろには手足を拘束された女三人が乗っている。 基地に着けば、死にたくなるであろう程に凌辱される予定の捕虜。

国に帰れば、娘がいる隊長にとってはつらかったが、任務だと割り切らせた。


やはり、つらいな。 捕虜とはいえ・・・。


隊長の心のつぶやきを見届けるかというタイミングで、先頭のジープが吹き飛んだ。 地雷を踏んだらしい。 

どうして、ここに地雷が?!公国の置き土産?いや、それはない!残存勢力はいないはず・・・。


この森のまだいることを職務怠慢で報告しなかった現地部隊のせいで、知らなかった彼らは誰が行ったか知らないうちに運転席事、ハチの巣にされて息絶えた。


「おい!生きてるか?大丈夫か?」


慎重に近づき、後ろのドアについた錠前を打ち抜く。

そして、開けると輸送予定の三人がいた。 即時、鑑定をする。


『マリーダ』 age:18歳 元歩兵中隊第二分隊所属

 健康状態:憔悴

『マリ』 age:16歳 元歩兵中隊第二分隊所属

 健康状態:疲労

『エリザベル』 age:15歳 元衛生大隊本部付見習衛生兵

 健康状態:疲労


とりあえずは生きていた。

まずは彼女らを連れ出すことにした。 早急にはならないと、地雷の音で来てしまうからだ。

三人を拘束している物を破壊して、連れ出した。


「急げ!奴らが来たら、無事にすまないぞ!こっちだ!」


「わかった。」「地獄から解放される?」「お外に出られる」


三人もよたよたしながら立ち上がり、手を借りて輸送車を降りる。

そして、助けてくれた男について進んだ。


   --------------------------------------

「よし、ここまでくれば、大丈夫だ。 すまない。 急がせて」


「いや、良いさ。 凌辱される未来から脱出出来れば・・・。」


やはり疲労の色は濃い。

ついこの間まで拷問を受けていたのだから。

ひとまず水筒を配り、水分を補給させる。 水を飲んだことで少し気持ちの余裕が生まれたのか、曹長の階級章を付けたボロボロの服をきたマリーダが声を掛けてきた。


「あんた、公国の兵士だね?あんたは何をしていたのさ?あんたらが来なかったからこっちは全滅したよ!」


「すまない・・・。 こちらも打開は図ったんだ。 でも、無理だった。 すまない」


作戦の概要は、指令室の殴り書きで知っていた。 進む敵の主力に横やりを入れる。

そこは悪くはないが、情報不足で装甲車両がいることが知られていなかった。 当然、掃射を受け、敗走した所を追撃され、あの場所で全滅したことを伝えると、沈んだ。


「あんたはどうして生き残ったんだい? 」


「同期が俺の上に倒れたことで隠れ蓑になった。 俺も気を失っていて気がついたら、皆が死んでたよ」


そして、一人で3か月に渡り、ゲリラ活動をしていた事を話し、敵の物資の中に輸送作戦を知り、救出したことを話すと、感謝された。


「あたしらは偶然だったんだね。 情報が入らなければ、あたしらは・・・。」


「結果論だ。 偶然に過ぎない。 でも、助けられて良かった。 まだ安全地帯ではない。 もう少し頑張ってくれ」


「わかった。 二人とももう少しだ。 頑張ろう」


他の二人も疲れてはいたが、首肯定して立ち上がり、歩き始めた。

2時間ほど掛かってベースに着くと、ひとまず簡易シャワーの準備を始めた。

お湯を何度も沸かしては供給して、彼女らのためにした。 女性用と書かれた木箱を積み、そこから見繕ってもらうように話す。

次は食事の準備でスープとクラッカー、果物を用意した。 次は寝るスペースを用意して毛布も用意しておく。 すべて敵の物資だけど。


「いろいろとすまない」


「少しは気が解れたか・・・い?」


そこには狼耳に大きな尻尾を持った立派な双丘をお持ちの女性が、立っていた。

サイズが合わなかったのか、カーキー色のキャミソールが下乳をギリギリ隠せている状態で、下はカーキ色のパンツスタイルだった。


「すまない。 見苦しいとは思うが、用意してくれたものに合うものがなくてね。 唯一、着れるもので代用した。」


「こちらこそ申し訳ない。 ただ、女性物は少なくてね。 二人はどう?」


「ふたりは何とか平気だ。 エリザがなくて私と同じ状態だ」


衛生兵さんだ。 年の割には良い物をお持ちでと、よこしまな考えを抱いてしまった。


「今日は休んでくれ。 明日、こちらの事も話すから」


「わかった。 部屋は用意してくれた部屋で良いか?」「そこで頼む」


「お休み」


マリーダ達が部屋に引っ込んでからベースの入り口に移動する。 見張りをするためだ。 

危険は冒したが、3人から地獄を取り除けた。 自己満足だけど。


「まずは姫様の眠りをお守りいたしますかねぇ」


その独語は暗闇の中に消えた。


明日からまた仕事です

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