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撃鉄の響く戦場にて  作者: KY
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釈明

個人的なことになりますが、本屋で幾つかの本を買いました。

 内藤騎之介先生『異世界のんびり農家④』

 くまなの先生『くまクマ熊ベアー③』、

 森田季節先生『織田信長という謎の職業が魔法剣士よりチートだったので、王国を作ることにしました ②』

の3冊です。

元々、それぞれの巻の前作は持っていたのですが、仕事の関係で買いに行けず、ここまでかかりました。

やはり良いです。 三人の先生方の作品は。


この要塞にも謁見の間はあり、今回もこの場所で釈明の会談が開かれる。

街では、絶対零度の対応をされた連合側と久しぶりの大量購入や差し入れをして歓迎されている傭兵団側と両極端の対応を受けていた二つの団体が、共に謁見の間で獣王国の要人と会談を行う。

会談の会場で、共に案内人に案内され、入り口前に案内される。


「こちらの扉が開きますので、向かって左側を連合ギルドの方。 右側を傭兵団のお方がご入場ください」


「はい。」「わかりました」


謁見は二組同時で行われて、代表者が先頭で並んで入り、後の者は続くように後列に続くらしい。

そして、扉が開き、トップマスターと共にマサルが、一礼してから入場し、他の者はそれに続くように入っていく。 傭兵団はマサル以下ユリーダとユリの二人を連れてきた。 ギルド側はマスターのほかに2人のマスターと4人の職員が付いてきた。


「小国連合ギルドトップマスターを務めております。 ギギルにございます。」


「傭兵団隊長 マサルにございます」


「表をあげい」


重苦しい空気からふと顔をあげると、そこには壮年の男性が数人の近習を従えて、上座に座っていた。 こちらは下座で、片膝をついてしゃがんでいる。

その厳粛な空気が満ちる中で声が響く。


「まずはここまでの足労大儀であった。」


「「はっ!」」


「傭兵団のマサル。 貴殿は防衛や物資輸送にも尽力したと、聞いている。 礼をいう」


「はっ、ありがたき」


「続いて、連合ギルドのギギル殿。 貴ギルドの至高の物資、中々面白きものであった。 ついては担当の者が仔細をを聞くので、よろしく頼む。」


「はっ、その件につきまして申し上げたき事が・・・「陛下の御前です。 御控えを」・・・はい。」


「両名とも大儀であった。 下がって良い。」


「「ははっ!」」


こうして、御前で申し開きの機会も与えられないまま、ギルド側も控室へ下げられてしまう。

ギルド側は御前で申し開きが出来れば、挽回出来ると目論んでいたが、それもあっけなく崩された。

控室ではどんな顔をしているかは、不明だが、良い顔はしていないと思われる。

メイドさんに入れて貰ったお茶を飲みながらくつろいでいると、ノックする音が響く。

メイドさんがすぐに扉を確認すると、再び開けられて後ろで控えていた近習の一人で、位の高そうな男性が入ってきた。


「傭兵団のマサル殿ですな?この度は助勢・輸送に関し、並々ならぬ貢献に感謝を伝えると共にお礼をお渡しいたしたく、参上しました。」


「それはそれは。 まことにありがとうございます。」


自分も席から立ちあがり、礼を伝える。

男性はこの国も財務大臣とのことで、お礼を支払うために話に来たとのこと。


「とはいっても叩きに叩かれたために満足のいく金額をお出しできるかどうか・・・。」


「そこは仕方がありません。 ですが、ちょっと申し入れたい事がございます。」


そこからはマサルは大臣の男性と悪い笑顔でひそひそと、悪だくみを始めた。 そして、ひとしきり話がついた所で、大臣さんが立ち上がる。


「なるほど!マサル殿。 急に仕事を思い出しました。 大変申し訳ないが、退室してもよろしいか?」


「仕事があるのでしたら気になさらずに。 国を預かる方から比べれば、大したことではありません。 無理はなされぬようお勤めください。」


「忝い。 後ほど他の者を来させますので、ご容赦を。」


そういうと、笑顔で退室していく大臣さん。

その後ろ姿は少し夜叉になっているように思えた。

その後もメイドさんが入れてくれるお茶とお菓子を頂いたのちに宿まで送ってもらい、休ませてもらう。


翌日、宿で目を覚ましたマサル達は宿で朝食を食べていると、疲れた顔をした連合ギルドの面々がいた。


「連合ギルドの皆様、おはようございます。」


「これは傭兵団の。 おはようございます。」


「どうなさったんですか?お疲れの様ですが?」


「いえ、これからの事を考えておりまして・・・。 これから向かいますので。」


「そうですか。 我々も午後になりましたら向かいます。 良き交渉を。」


「ありがとうございます。」


そういうと、連合ギルドの面々は疲れた顔ではあるが、要塞の謁見室に向けて出発していった。

マサル達はお茶をしたのち、街を歩き回りながら時間を潰してから謁見室へ向かった。


「傭兵団のマサル様ご一行様!ご到着になられました!」


出迎えの執事さんを呼ぶ衛兵さんの大きな声で、狐耳の執事さんが走ってくる。


「お待たせいたしました。 こちらへ。」


「お世話になります。」


執事さんの頭を下げると、同じタイミングでこちらも下げてしまう。

元々、日本人だからね。

執事さんに案内されるまま、謁見室へ。

重苦しそうに扉が開くと先の控室での面会の大臣さんが立っていた。


「マサル殿。 昨夜はよく寝れましたかな?」


「それは勿論。 大変よく休めました。」


「それはなにより。 ギルドの方はそうはいかなかったようですが。」


「そうですか。 それは大変でしたね。 そういえば、お疲れの様でしたし。」


「そうですか。 お休み頂くように声を掛けておきましょう。」


そういうと、二人は悪い笑顔で笑っていた。

完全に悪だくみをしている顔で。


後で聞いた話では、ギルド側は再三にわたる獣王国に対する謝罪の対価を何度となく、突っぱねられており、対応する職員も毎回違い、答えが出るのも遅かった。 それにより何度も待たされる事となり、疲れてしまっていたらしい。 

どちらにしても謝意を受け入れて貰う為には、書面での事も必要だが、国側がのらりくらりとはぐらかすために答えが出ず、他の国と交渉しようにも使いの護衛も出すには心持ないために余計に泥沼になっている現状。 その為に余計に交渉が暗礁に乗り上げていた。


「こちらとは、どのような報酬を頂けるんでしょうか?」


マサルが切り出した。

一方、大臣さんは少し言いづらそうにマサルを見て、話す。


「そこなのですが、何分こちらも退けたとはいえ、帝国に損害賠償を得られる状況ではないので、苦しいのが、現状です。」


「存じております。 ですので、ここは我らの話を聞いてもらえませんか?」


「どのような物でしょうか?」


それは獣王国内に傭兵団の基地用地及び訓練地の提供と国への無期限の無償入国権、傭兵団の生産品の販売の許可や資材の割引販売などの細かい物を合わせて30ほどの許可と認可、権利を求めた。

獣王国にとっては、大きな負担になりそうな物はあまりない上に、新しい産物や仕事が増えることは、ありがたい事であった。 しかし、疑問が残る。


「それらの権利や認可を認めるのは、構わないとは思いますが、それでよろしいのですか?」


「構いません。 ただ、追加でお願いをさせて頂くことはお許し願いたい。」


「かしこまりました。」


「場所は追って伝えます。 返事は宿に持っていきます。」


「よろしくお願いします。」


こうして、交渉がおわり、マサル達は宿へ戻った。

宿のラウンジでは、顔色が悪そうなギルドの面々がいるが、無視をして部屋へ。

汗を洗い落として、ラフな姿でくつろぐ。


「あの程度で良かったのですか?」


「あまり欲張ると、それが目的のようになり、助けた意味が薄れてしまう。 ただ、再度の追加交渉権を持てたことで、今後につながった。 良い交渉だったよ。」


「それならいいが。」


「隊長、これからどうしますか?」


「隊員の皆さんは、帰還を望んでいます。 長居をしても苦にはなっていないようですが・・・。」


ユリーダたちが、今後を聞いてきた。

流石にそろそろ帰還したい。 ただ、国からの承諾書は得たいからそれまではと、話して納得してもらうことになった。


「まあ、承諾書もそうだけど、そろそろ三人にも頑張ってもらおうかな。」


「「「はい。 隊長。」」」


そのまま三人に今までたまったものを諫めて貰う。 いままで出来なかったことをしてもらって、すっきりしたのは、それから6時間後でした。


「明日の朝から準備を行い、準備が出来次第、ベースへ向けて帰還する」


帰還命令に色めきだす隊員達。 基地には、家族が職員としている者がいる。 当然だった。

翌朝から街に多くの隊員が繰り出し、街で帰還に必要な食料や水、日用品を買いあさる。

隊員達は金払いも良い事は、普段の買い物で知っていた商人は、欲しいものは欲しいだけ売り渡した。 そして、6日後には、帰還に必要な物資を満載した状態で、冒険者たちと共に準備が出来た。

護衛の冒険者も往路より復路の方が多かった。 女性主体のチームは勿論、混成チームと男性でも比較的

若いチームや中年クラスのベテランチームも護衛の募集に参加してきた。 それにより面接で落とされたチームが残り、品行方正だったチームがすべて傭兵団についていくことになった。

 慌てたのは連合ギルド側。 交渉が終わっていなかった。 当然、傭兵団の護衛や街に留まっている冒険者たちも期待をしていたが、結果は癖のあるチームはすべて残り、まじめに努めてくれていたチームはすべて傭兵団の護衛で、帰還する運びとなり、慌ててマサル達に留まるように伝えたが、マサルも兵達が里心が出たと伝え、以降は無視して、門を出た。


「良いのかい?無視して。」


「構わんさ。 冒険者たちも募集に応募して面接したんだし、彼らは選択をしたに過ぎない。 気にすることはないさ。」


追加でショップでトラックを購入し、帰還の途に就いた。

その後、ゆったりと20日を掛けて帰還し、中小連合へと帰還した。

ちなみにギルド側が帰還したのは、それから15日後で出発時の魔導馬車が数台なかった。 職員も3名程が犠牲になり、冒険者も6名が命を落としたと、後日談を聞いた。

しかも交渉もギルド側が30年間にわたり、決まった金額の物資を毎月届けることで決着したらしいが、用意する物資も輸送コストもギルド持ちで、不慮の事故で量が少ない場合も補填の部隊を出して、持っていかなければならないことになったらしい。

金額も伝わっているようだが、あえて聞かなかった。 話では、相当な高額だったとの事。

ふざけた物を送ったために絶対にたがえる事の出来ない契約書での契約書によって、締結されたらしく、現責任者が全員辞めても履行される契約になったとのこと。


「真面目に送っていれば、むしろ歓迎されたのにね。」


「仕方があるまい。 目先の利益に目がくらんでしまったんだ。 」


「そうですね。 残念ですが」


「自業自得です!です!」


女性陣の言葉はきつかった。

しかし、その通りなだけに何も言えなかった。

当然、自分らの契約書も同様の契約書を使用しており、こちらも破棄するつもりはないという強い意志が感じることが出来た。

明日は泊まり仕事なので、更新は出来ません。 すこし構想を練りたいと思います。

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