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撃鉄の響く戦場にて  作者: KY
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戦国武将の戦法

少し違うかな?うろ覚えでスイマセン。

とはいえ、出した戦法は三つ。

『釣り野伏せ』『釣瓶撃ち』『乱取り』。

まず、釣り野伏で敵を誘い込んでから叩く。 そのあとで後続が来なければ、敵本陣に向けて、迫撃砲弾を釣瓶撃ちをする。 弾は帝国からの略奪品を使用する。 その混乱に乗じて、集積所を襲い、奪う。 少しでも削るためだ。 

こうして、準備を終えると、隊を三つに分かれていった。


第一小隊・『乱取り隊』 マサカツ他十名

 

第二小隊・『吊り出し隊』 マリーダ他二十名


第三小隊・『釣瓶撃ち隊』 アルファト他四十名


それぞれについていく部隊も第一はバイク隊のみで編成され、釣りだし隊は装甲車や武装車両が主力。 釣瓶撃ち隊は迫撃砲や重機を使用するために歩兵が主力になる。 指揮官も元負傷兵だった軍曹さんが指揮を執ることになった。


「さて、水面に波紋を起こしますか!作戦開始!」


「了解!行くよ!」


ユリーダの合図で獣王国の旗を付けた車両群が敵軍後方に殴り込んだ。

機銃弾を打ちまくりながら37mm砲が火を吹く。

車載重機で兵士たちが打倒される。 そして、態勢が整う前に撤退。 キルゾーンを目指す。

キルゾーンに侵入してくる敵勢力に反転し、猛攻撃を加える追撃隊。 戦線が出来たころに後方から順に迫撃砲と機銃弾が射線が重なる様に攻撃を開始。 キルゾーン内の敵は開いていた後方に退避を開始するも追撃で装甲車隊も一当てするために追撃した。 撤退する兵士を纏めて撃ち殺す訳にもいかないため、そのまま、退却する兵士事撃たずに山なりに砲撃を行い、さらに混乱を呼んだ。

一方で略奪部隊は集積地を侵入して、回収しまくった。 その為に現場と指揮本部が混乱した奇襲隊の反撃と追撃部隊の敗走により、向かってくる敵兵を攻撃できなかった。 その中で「味方もろとも撃て」という命令があり、反射的に発砲したことで撤退している追撃隊が、ハチの巣にされた。 現場では、戦場を放棄すると、後ろから撃たれるかもという不安や司令部からの確認の無電、後方の集積地荒らし等と重なり、混乱はピークに。

 そこをついて本部陣幕に向かう者がいた。

マサル達の乱取りの部隊だ。 それぞれがバズーカ砲で狙い、放つ。

弾は全弾が陣幕内で炸裂し、指揮系統の混乱を狙った。

放った後は確認をせずにそのまま逃走した。 当然、決死の脱出行となり、4名が脱出出来ずに自爆した。 そして、生き残った者はバイクで脱出した。

混乱はそれだけでとどまらず。 指揮官も負傷または戦死したらしく、命令を出せる者が

不足したらしく、同士討ちを始めてしまう有様だった。


「この混乱を逃すな!突撃!」


マサルは残存部隊を纏えると、一気に要塞に向けて突撃を行った。

装甲車を先頭にトラック隊を中央に突撃を敢行し、要塞城門に飛び込んだ獣王国の旗を立てて。

要塞内に入ったマサル達を囲むように守備兵たちが見ている。 銃こそ下に向けているが、いつでも撃てるようにしたあった。

 ユリーダが前に出て叫ぶ


「あたしは歩兵隊所属 ユリーダ曹長だ!先任下士官か士官に会いたい!」


「俺は輸送隊指揮官 独立戦闘団所属 ヨコタ・マサルだ!」


そこで兵士達がざわめく。

両方の隊共に生き残ることが、絶望的と言われる戦場に取り残された部隊だった。

その為にざわめきとどよめきが起きた。

そこで一計を案じて、マサルはいくつかの木箱を持ってこさせる。


「土産も持ってきた!受け取れ!」


そうして、木箱をバールで開けると、中の瓶を見せる。


「酒だ!」


そういって、中にあった一ダースの酒瓶を適当に投げる。

当然のように彼らは受け取っている。

そうしているうちに制服組と思われる士官が現れた。


「お待たせいたしました。 こちらへどうぞ。」


その士官に案内されるまま、要塞の中央の塔へと昇っていく。

塔の最上部の指令室と思われる部屋に案内された。


「お連れしました」


「入れ」


部屋には老練の将軍ともいえる男性と副官らしい女性がいた。 執務机に腕を置き、片目だけ向ける。 副官も少し睨むようにしていた。


「あの奇襲をしたのは、お前らか?」


「はっ。」


「大儀であった。 輸送した物資は副官が確認をするからな。 出ていけ。」


「はっ、失礼します。」


とりあえずムカついたが、退室するとユリーダも同様な気持ちになったらしく、降りながら声を掛けてきた。


「隊長!腹が立たんのか?あのような物言いをされて!」


「一々、切れていても仕方がないさ。 将軍クラスはあんなもんだろ?」


「そうだが!なんか悔しいんだ・・・。」


「すまんな。 代わりに怒ってくれて。」


そういってユリーダの頭を撫でた。 一瞬で顔を真っ赤にし、尻尾と耳をすごい勢いでブンブン振っている。 嬉しかったようだ。


「失礼な事をするな!私は子供ではないぞ!」


そう言いながらも変わらない事を気づかないふりをして、トラックに向かう。

連合の出来レースを発表する時間だ。

 砦の広場には、連合の焼き印がついた箱がうず高く積まれていた。

それを囲むように兵士達が期待を胸に見ている。

そこへ副官登場。

ショーが始まる。


「箱を改めなさい!」「はっ!」


数名の獣人兵が連合の箱をバールでこじ開ける。

そして、固まる。 


「どうしたのです!報告なさい!」


「岩や石しかありません!」


「なんですって?!騙したのね!」


「石と岩か。 これから防衛戦だからちょうどいいな。」


「あんた、殺されたいの?」


成り行きを見ていたマサルは、逆に予想通りで喜んだ。 糞野郎だったことに。


「分かってて運んだの?」


「そんなわけないさ。 この石ころのためにうちらも何名もの隊員が、死んだよ。」


「じゃあ、なぜ!」


「説明するさ。 今な。」


説明は、自身らも連合に騙された側だという事。 恩は売りたいが、金を出したくなかった連合は、帝国には負けたくないが、獣王国にも勝ちすぎるのもまずいと考え、どちらにも属していないうちらに物資という名の石を運ばせる。 途中で全滅すれば、美談にして。 たどり着いて石だと分かったら、勝手に持っていったことにすればいいと、伝えた。 どちらにしても連合も本腰をあげる気はない事を知らせる結果となった。

そこまで聞いた副官は、絶望のあまり座り込んでしまう。 いくら後方から来るにしても獣王国にトラックはない。 人力か馬車だ。 当然、少ない。 いくら多く動員してもトラックを使った物量にはかなわない。 先細りしていく物資。 補充のない兵力。 湯水の如く消える弾。 どうにもならなかった。


「ここまで頑張ってきたのに・・・。 どうして」


とうとう泣き出してしまった。

我慢に我慢を重ねた兵士達も帰ろうと、足を向けようとしていた。

それを止める男がいた。


「おい、メインディッシュを見ないで帰るのか?」


「メインディッシュ?ここまで叩き落して置いて何なのよ?」


泣いたことで少し落ち着いた副官の女性が涙を拭いて、こちらを見た。


「連合の物は最悪だったな。 俺も少しは何かあると、予想をしたんだが・・・。 まあ、あれだ。 次の話題に切り替えだ。」


「次の話題?」


「今度のは俺らが道中、奴らから強奪したものだ。 こっちなら面白いぜ。」


「ここまで来たらいいわ。 見てあげる。」


「そうこなくっちゃ。 おい!持ってこい!」「はっ!」


「まずはこれかな?」「酒だ!」


どよめきが起きる。 そのうちの一本を近くの兵に投げて、また飲ませた。


「副長殿!本物の酒であります!」


「ほんと?!」


「まだ早いぜ。」


次々に部下に持ってこさせては、開け放つと、副官前にもっていかせる。 これを6回も繰り返すと、兵士も楽しみになっていく。 


「おい!あの箱を持ってこい!間違えるなよ?」


「・・・!! はっ、あの箱ですね?」「そうだ。 よろしくな」


最後になぜかニヤついている輸送隊の面々にいぶかしげな顔をしたが、その箱は持っこられる。

そして、箱が開けられ、副官の前に持ってこられる。


「そういう事ね・・・。 確かに必要かもね・・・。」


「必要だろ?」


「笑えない冗談よ。 女性の前では。」


そういって、おもむろに取り出されたのはTバックの下着。

顔はあまりというより、少し怒っている。


「少し茶目っ気が欲しかったんだよ。 悪かった。」


「私は良いけど、後ろの方はどうする?」


そこには、ワルサーに初弾を装填した拳銃をもったユリーダが。

隊員達も少しずつマサルから離れていく。


「ユリーダ副長。 いや、ユリーダ落ち着こう。 差し迫った時ほど、娯楽は重要なんだ。 その拳銃は置こう。 危ないからな?」


「ならば、隊長が娯楽にならないか?どこまで逃げれるかを試そうではないか・・・。」


「それはやめておこう。」


「遠慮することはない・・・ぞ!」


その後、弾倉三つを撃ち尽くすまで撃ちまくられ、必死に逃げた。 多分、戦場でもここまで反応が良くは動けてないはず。


「そろそろいいかしら?」


「ああ、良いぜ。 クールに行こう。」


「そうね。 女には気をつけなさい。」


「善処する」


こうして、頭にピストルを突き付けられたままで、鹵獲品を提供するための検品作業に立ち会った。

変な事を言えば、火を吹かれる体制のままで。 ひとまず木箱80箱分の物資と石と岩の詰まった箱を提供した。  防衛のために。

当然、ご機嫌取りになってしまうが、ユリーダとベッドで仲良くした。 涎を垂らし、白目をむくまで仲良くした。 達成感が自分を包んだ。 『二つのお山は偉大だった。 そして、トンネル探検は慎重に』を達成した。


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