表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
撃鉄の響く戦場にて  作者: KY
11/109

同志

襲撃地点から離れるために装甲車からトラックに変更し、離れる。

運転は自分。 後ろをマリーダに警戒してもらう。 あとは適当に座っている。 助手席にはマリが座っている。 白衣さん二人は自分らの研究成果と共に詰め込まれている。


「助けられて文句を言うのも変だけど、もう少しどうにかならない?」


「無理だな。 ここは敵の勢力圏。 油断は出来ない。」


兵士のマリーダに注意をされるが、元々民間人の白衣さんにそこは無理だった。 とはいえ、状況が理解できていない訳ではないため、ふて顔でそっぽを向いた。


「もう少しで宿営予定地に着きます」


宿営予定地でトラックを止め、野営の準備を始める。 白衣さんの二人は自分の発明品を点検するようだ。


「これからどうするの?獣王国を目指す?それとも新天地にいく?ここいらだと小国連合だけど」


「小国連合?」


「知?それはね・・・。」


小国連合とは6つの小国が合併してできた国で、人種も様々で言語は一緒のために出来た国だった。 偏見はないが、抵抗力は微妙だとのこと。 そして、白衣姉妹の開発していたのは、「パペット」だ。 正確には移動監視ロボット。 他に軽装備(マシンガンまたは迫撃砲)を装備をして、監視と最低限の戦闘行動が出来るようにしたものだった。 


「これは思っていたより収穫かな・・・?」


「何か言ったかい?」


「いや、例えばだけど、そのプログラムに追加のシステムを入れられる?アップグレードできる?」


「出来るよ。 あるのかい?」


「ちょっと待って見てくるよ。」


そういって、トラックに取りに行くふりをして、システムを開く。

そこには今までなかったショップの文字があり、そこにはやはり目的の物があった。


電子部品『戦闘用パペット強化システム』  価格:400クレジット


戦闘用パペット用追加プログラム。 システムダウンロードを行うと、現状時の中で最適な決断を行い、任務達成を目指す。 

  「情報処理・計算能力アップ」「射撃制御アップ」


今の自分のクレジットは800万。

転生特典みたいだ。 当然、購入した。 そして、彼女の元へ持っていく。


「これだよ。 システム強化のプログラムが入っているはずだよ」


「そうかい?どれどれさっそく・・・。」


自身の端末へ入れてチェックをする白衣さん。

次第に顔色が変わり、ニヤケ顔が真剣な顔になり、やがて驚愕の顔になった。 そして、自分を掴んで聞いてきた。


「このプログラムはどこで?!いや、そうじゃない!このシステムを売ってくれ!お金が足りなければ、あたしを好きに居ていいから!」


あまりに必死な訴えに設営をしていた三人と、違う確認作業をしているもう一人の白衣さんが近づいてくる。


「どうしたんですか?!姉さん。 自分の体を差し出すとか言ってましたが・・・。」


「隊長どうした?今夜は相手が必要か?」


「問題が違う気がするが・・・。 そんなにすごいプログラムか?それ。」


「すごいプログラムかって?すごいなんてものじゃない!革命だ!躍進だ!このプログラムをいれたこの子達がいたら、警備隊ぐらいでは対応できない程の部隊が出来る。」


そこまで言った所で真面目な顔になり、自分の方を向いて聞いてきた。


「あたしの体を引き換えにしてもいい。 好きにしていいからこのプログラムをあたしに欲しい。」


一人の女が自身の節操を捧げても欲しいものを持っている男。 彼女からしたら逃すことは出来ないと判断したようだった。


「システムは私が持っていても意味がありません。 必要ならそのまま、あげる。」


「はっ?それはあたしが魅力がないって、事かい?あたしだって女だ。 付いている物はついてるし、することだってできるぞ・・・。」


「いや!魅力がないからとかではなく、システムは我々ではわからないから必要なら渡すと言っただけだ!誤解はするな!」


「じゃあ!あたしも抱いてくれるんだよね?!」


「いや、そうでなくて・・・。」


「じゃあ、どうなんだよ!やっぱり魅力がないのか・・・?」


「そうじゃなくて・・・「じゃあ!抱いてくれるよな?な?」・・・はい。」


「よし!」


さっきまでの泣きそうな顔はどこへやら。 システムのメモリーをもって、自身のパソコンへ向かう白衣お姉さん。 すぐにでも強化をするようだった。


「言質、とられたな。 隊長。」


「ええ、それも一方的にあっさりと。」


「申し訳ない・・・。」


マリーダとエリザの指摘にうなだれる。 マリは何も言わないが、苦笑いをしている。 そうしていると、服を引っ張る行動に見ると、もうひとりの白衣さんが赤い顔をして告げた。


「隊長さん。 姉の後で良いので、私もお願いしますね?」


「いやだから・・・「お願いします」・・・ハイ」


「ありがとうございます」


笑顔でお辞儀をして姉の元へ向かう妹。

その光景をあっけにとられる一同の中で、マリーダが突っ込む。


「隊長。 さっき言ったばかりだろうに・・・。」


「意志の軽い上司ですいません。」


他の二人は乾いた笑いしかなかった。

とはいえ、夜はマリーダに交代の時間まで一緒にいてもらった。 


あした、頑張ろう・・・。


二人の技師が仲間になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ