新たな門出に
暑い日が続いております。
少し考えたのですが、複数のサイトで投稿している方が多いんですね?
私も登録はしておりませんが、もう一つのサイトで『アルファポリス』様のサイトを見ているので、両方とも出来るならしてみようかな?
帝国皇帝夫婦が着た後で、帝国の文官が領地割譲についての文を持ってきた。
「皇帝から?」
「はっ、マサル様に相談したいとの事です。」
「・・・。 分かった会うか・・・。」
「はっ。」
文官より帝国の使者として、文官が来た事を知らされた為に会う事に。
謁見の間にはすでに平伏して待っていた。
「マサル様、お待ち申し上げておりました。」
「すまない。 待たせたな。 さて、要件を聞かせて貰おうかな?」
「はっ、それでは・・・。」
使者の男性が、話を続けた。
獣王国唯一の王家の血統を妊娠させたことに責任を取るために正妻として、自身の妻にすることを決めた事とその反省として支配している獣王国及び公国の領地の半分をアバロンに返納する旨が伝えられた。
「・・・それでよいのか?そちらは?」
「はい。 こちらは構いません。 最初の約束を違えておりますので、これは我らの罪滅ぼしでございますので。」
「あい分かった。 しかし、そうであっても彼女の保護者としての責任はある。 あとで伝えるが、彼女の化粧領を用意したいと思う。 そちらは受け取ってほしい。」
「畏まりました。 お気遣いありがたく・・・皇帝陛下にお伝えします。」
「うむ。 よしなにな。」
「はっ。」
使者の男性は、しずしずと退室していく。
使者の帰った謁見の間で、近習たち共に少しゴチる。
「これからあの二人は、どこへ向かうんだ?」
「・・・わかりません。」
「だよな・・・。」
近習の男性文官は、それしか言えなかった。 本当に分からないのだから。
マサルは妻達や官僚と相談し、元獣王国領の一部を化粧領として渡す書状を使者に渡し、帝国へ。
彼女も自身の好きにして良いお金が手に入り、喜んだ。
後日談だが、彼女はそのお金を使い、孤児や難民を保護・教育する機関を創設し、卒業生は各所に散って行くのだが、彼女に恩義を感じる者が多く居たことで、神格化するくらいの崇められることになった。
「新規領地の方はどう?」
「はっ、統治が酷い地域が多くて、驚いております。 まあ、統治がしっかりしている領主は最初からこちら側におられるのですから仕方がありません。 当然、民もですが。」
「そうなんだ・・・。 すべてジョアンナの義父(お父)様にお任せしていたけど・・・。」
「はい。 ジョアンナ様の御父上様は、我ら貴族でも良心ともいわれるお方。 新規で来た者も対応して頂けます。 マサル様の適材適所の対応ですね。」
「ありがとうな。 しかし、残った貴族がそんなに治世がうまく行かないのか?やりようがあるだろう?」
「アバロンは贅沢品を所有している人があまりいませんが、獣王国では自身の経済力を示すために持つ方が多いんです。 時折、オークションが行なわれるほどに。」
「オークション?それはそれは・・・。 天井がないだろうね・・・。」
「はい。 なにせ、金貨が数千枚単位で飛び交うので・・・。 そのしわ寄せが民です。」
「・・・。 それは大丈夫なのか?」
「ダメです。 アバロンの様に雇用の為に生活必需品の生産向上や性能維持にお金を廻すことも、従業員の給金に追加支給なんて事もありません。」
「うちでは普通だがな。」
「だから今でも移民が多いんです。 ですが、支配地にも生産地を作らないと、帝国や小国連合、共和国からの要望数をこなせません。」
「それは他の者とも相談して決めよう。 独断は危険だ。」
「勿論です。 次の会議の議題の一つです。 参りましょう。」
こうして、きちんとした枠組みを整備して、新たに設定された新法は、植民地となった元獣王国や公国領内で効果が出始めると、アバロン国内にある生活必需品の工場が支配地で活動を開始した。
当然、窃盗や強盗も起きたが、普通の騎士団ではないアバロン軍は、軽犯罪でも存分に力を発揮して逮捕者を確保していった。 生活苦の者は、労働して返していく方式で各地の建築現場や工場で働き、本当に犯罪するために捕まった者は、それに応じた罰を与えた。
その他に各地域で公共投資を行い、生活基盤の安定を図りながら、生活用品の工場を建築・生産を開始していき、その労働者を大量に求人を出した。 子供も預かる施設を併設したことで、多くの女性がこれに乗った。 その上、宿舎を作った事でさらに労働者が来た。
「工場での雇用と公共投資で多くの財貨の放出をしましたが、それにより支配地の市井の環境向上に貢献しました。 ですが、まだ治安はアバロン程ではないので、注力は必要ですが。」
「まあ、そんなすぐには無理だよな・・・。」
「ですが、貴族達が出来なかった事を我らはやり遂げてしまったのですからそれは仕方がないかと?」
「少しずつでも成果が出ているなら良いけどな。」
「それはお任せください。 確実に成果は出して見せます!」
「それは期待する。 頼んだぞ。」
「はっ!」
植民地の政策報告に来た役人の男性は、報告書を置いて去っていった。
その彼も元々部屋住みにくすぶっていた人々であった。
彼らも頑張りはすさまじかった。 部屋住みでは感じることが出来ない程の忙しさは、彼らにとってはかけがえのないものだったらしく、彼らの頑張りもあり、植民地での施政は順調に進んだ。
それでも数十人の官僚がいつもより二割増し位の仕事量で施策はうまく行った。
2年の時が過ぎた。
「植民地も生産地として生産品が始め、植民地内で自給自足が出来るようになりました。」
「流石にこれだけ不断の努力を続けた現場の者達には、頭が下がる思いだ・・・。」
「ありがとうございます。 彼らも喜びます!」
「俺の言葉で喜んでくれるならこの上ない程の信頼を。」
「はっ!」
植民地の復興は、多くの生産拠点を中心に大いに吹き返した。
その為、アバロン支配地の生産品は、本国には劣るが数は多く生産できた。 その為、二級品という扱いを受けたが、植民地生産品の輸出品となった。 その金は次の生産品のテコ上げや品種改良に使われる事になり、さらなる向上が期待できた。
獣王国が統治していた時より安定している上に生産量は2倍は増加した事で、支配地域内の穀倉地帯は獣王国時代の最盛期の倍量が、通常の生産量となった。
「生産量が軒並み倍に増えて、獣王国の方々は驚いておられるだろうな。」
「それは勿論。 私も驚いております。 役人程度でした私が驚いたので、実際に運営をしておられた方は大いに驚かれる事ですよ。」
「義父殿たちは、どうかな?」
「それはもう・・・。 失笑しておられました。 お手上げの様です。」
今まで運営をしてきた方々に少し勝つことが出来たことを誇りながら各地の収支報告書や連絡に目を通していく。
その報告書の一枚に目が留まった。
普段なら見落としそうなことではあるが、今回は目が留まった。
「おや?これは・・・。」
「なんでしょうか?」
「これなんだが・・・。」
こうして、領地内の波乱に巻き込まれる・・・。
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