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はじめまして
まず先に謝っておくと、この話は異世界転生だとか、生まれ変わりだとか、そう言った第二の人生という話では決してない。
私には前世の記憶なんてものは無いし、召喚されたという記憶も無い。この世界で生まれ、育ってきた。
これは私の物語。面白いかどうかはその人次第。
けれども、私の出生から話しても眠たくなるだけだし、長くなりすぎる。どこから話したものかしら。
……そうね、一番分かりやすい事から話し始めましょうか。
平穏な日々が、180度とは行かずとも、それなりに変化した出来事。と言っても、それは突然ではなく、前々からそんな気はしていた事なんだけれど。
あぁ、でも。いきなりそこから話し始めても分かりづらいわね。まずは私の事を話しましょう。
私の名前はロゼッタ。
この物語の舞台となる、フォレストニア王国の、たった一人の王女として生まれた。
ただし、国のほとんどの人間が持つ茶髪でなく、白銀の髪を持って。