独断捜索失敗
数時間近く車を走らせること探し回った。
その間にあれこれと雪菜とアリサは亡き幼馴染の妹である『神内萌花』に質問をされ答える状態だった。
探すどころか探せない状態であった。
そんな時、歓楽街の方が騒がしいことに気付いた。
火の手が上がっていて、救急車、消防車も何台か集まって騒々しい。パトカーも数台止まり、検問を敷いていた。
そのパトカーではない黒塗りのベンツからアリサ姉の父である久遠譲二の姿が見えてすぐに3人はおりた。
アリサ姉が父に向かい声をかける。
「お、お父様」
「ッ! アリサっ! お前こんなところで何をしてるのだ! せっかく保護してやったと言うのに護衛の警官を殴って車も拳銃も奪って行ったと聞かされていろいろと心配したんだぞ」
「ごめんなさい、お父様。私たち例の彼から連絡を受けてそれで探しにどうしても行きたくて」
「それならば、どうして私たちを頼らない」
「だって、お父様何か隠してるでしょ! だから、あの彼に何か悪さをするのではと思ったんです」
「そ、そんなわけ」
そう言いながらどよめきが上がった。
何かが歓楽街の中心であったようだった。
「どうした!?」
「例の重要参考人の青年が警官隊をなぎ倒して逃亡したようです」
「何!? 今すぐ追って捕縛しろ! くれぐれも怪我をさせるなと警察に伝えろ! いいな!」
私とアリサ姉はアイコンタクトでこの場から離れることを考えた。
ここから彼が逃亡したのならば追うしかないのでしょう。
「ん? おい、どこ行くんだ! アリサ!」
「お父様、私たちは独断で動かせていただきます」
「何っ!? それは危険だ! わかってるのだろう! だから私のもとに!」
「お父様がちゃんとなにかを離してくれるまで戻りませんから」
「アリサっ!」
私とアリサ姉に萌花ちゃんは車に駆け戻り急いでアリサ姉が発進させた。
バックミラー越しに譲二さんの困った様子が見えた。
車を走らせて日比谷通りに入ったところで私は車窓から歓楽街の宙に飛びだす人影を見た。
「あれ! アリサ姉見て!」
「まさかっ! お兄ちゃん!」
「みんな捕まってください!」
急な方向転換を行い来た道を戻る。
私はその挙動に思わずびっくりして声をあげました。
だけど、アリサ姉は必死でことの状況の結果を忘れてしまっています。
ばったりと黒のベンツに遭遇してしまいました。来た道を戻ればそうなりますよね。
「しまった、考えてなかったです!」
「アリサ姉っ! 馬鹿ぁ!」
車のドアが乱暴に開かれて譲二さんが怒った顔で私たちを引きずりだす。
「さぁ、3人とも帰るぞ。この件は全部私たちに任せるんだ!」
アリサ姉のおっちょこちょいなミスが計画の失敗を告げたのです。




