プロローグ
新しいプロットを思いついたので制作しました。
不定期掲載作品ですがどうぞお楽しみいただければと思います。
降り積もる透明な液体。
その液体の名とはなんだったか。
暗雲立ち込めた街中になぜ、俺は佇んでいるのだろうか。
そもそも、俺は誰だ?
暗雲を仰ぎ見ながらただただ俺はその暗雲から降り積もる液体を顔に浴びた。
ただ、一つわかるのはその液体が害のないことであり俺自身はこの町を知ってるということだった。
だが、俺の装いは周りの目線を一身に注目をあびている。
それもそうだろう。周りの連中と俺の装いは遠く異なっている。
俺の衣装はどことなくゴツイ姿だ。黒のプロテクトアーマースーツに腰に携えた剣。下に履いた装いですら周りの連中と違いぼろっちい布一枚。
街中の人々はそれとは違いいろんな衣服を着用してるもみんながしっかりと俺のように薄汚い布を着てるではなく形の洗練された布を着用している。
「ウッ」
何かが大通りを走り去っていく。金属装甲に覆われた物体だ。馬以上の速度を出した異質なもの。
そう、車という名だったはずだ。
ずいぶんとそれを見るのも懐かしく感じる。
でも、なぜ、その車というものを知ってるのか思い出せない。
俺はなんでここにいるのだったか。
「頭が痛い」
考えれば考えるほどに頭に激痛が走る。周りの人々も訝しみこちらを指差す。
光り輝いた建物があたりを埋め尽くした中心で自分は立ちつくしている。
背後にはこれまた記憶懐かしいような建物名前が思い浮かんだ。
『新都市秋葉原駅』。
その駅前に俺は突っ立ている。
文字が読めるのはなんでだったかまで忘れてしまってるとは情けない話だ。
「思い出せない」
「おい、そこの君そこで何をしてるんだ!」
ふと、人垣の群れの中から二人組の青い服装の装いをした者たちの接近に気付いた。
感覚的にわかるのはその者たちが自分に対しての敵であることだろう。
俺はこいつらに捕まれば悲惨な目にあわされるに違いない。
「さあ、署まで少し来てもらうよ」
「まったく、もう新秋葉原でのコスプレ祭りは禁止だというのに」
二人組の男が両側から俺を捕縛したがその程度の力はやわだった。
力任せにその二人の拘束を振りほどき剣を引き抜いて、まず一人の溝へ剣の柄を当て、もう一人へは首筋に当て身をすることで峰うちをかます。
二人はすぐに昏倒した。
周りが騒々しくなってきたところで頭上から雷光が轟いた。
雷は照明を伝って大通りの中枢に落ちる。
夜間で多く走行していただろう車は雷を避けようとハンドルを利かせるもスリップしてたまづき事故が起こる。それによって人々が逃走を行い波乱が巻き起こった。
雷が落ちた中心ではむくり数人の影が現れる。
「―――・―――(やっとみつけたわよ、レージ)」
黒の上質な革でできた漆黒ドレスを来た女が鞭を手にこちらを威圧してくる。先ほどの物たちの話していた言語とは別だったが俺にはどうやら理解できる。
そんな彼女たちは俺を知ってるようだったが俺にはそれが誰かは思い出せない。
状況の中で彼女らは俺にとってのもっともやばい相手であるのは体の奥底で警報を鳴らし告げてる。
「――・――(やってしまいなさい、あなたたち)」
彼女の傍らに控えた二人が襲いかかってくる。一人はオオカミの姿をした人、一人は鷹の姿をした人。それぞれが自らの手を突き出す。鋭い爪の殺傷攻撃によって命を奪おうという算段であろう。
「っ!」
軌道を読み、爪の攻撃を剣で捌き、相手の懐に潜り込んで切り裂く。絶叫が上がって二人は腹から血しぶきをあげて後退した。
一瞬のその隙をついて相手から逃亡を図る。
「――・―――(そうはさせませんわーぁ!)」
頭上に無数の雷が剣の形を形成し俺に猛威を振るった。
「あぁあああああああああああああ!」
体中に無数の裂傷を受けながらも必死で足に力を入れる。頭の奥でかちりと何かが噛みあう音が響く。
自然と口は言葉を紡ぐと体に風がまとい疾風の如く疾走した。
そのスピードに背後の追ってはおいつけられずにいる。
やっとの思いで逃げ就いたのは裏路地に入ったところの歩道橋だった。下には大きな川があった。力は付き始め身を乗り出すようにその体はそのまま落下していく。
川の流れは天気に影響され激しくなっておりそのまま下流に流されていった。
そのとき、暗雲から振る液体がなんだったのかを思い出した。
それは雨であったと――。
次の日、『新秋葉原駅』の嵐の夜の襲撃テロ事件として大々的に全国で報道された。
この後はもう一人の主人公サイドに移動します。
ころころ主人公視点は変っていきます。
拙い文章ですがどうか、よろしくお願いいたします。